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会社法の要点
 1  利用者の視点に立った規律の見直し
 中小企業や新たに会社を設立しようとする者の実態を踏まえ,会社法制を会社の利用者にとって使い易いものとするために,各種の規制の見直しを行っています。
  (1 ) 株式会社と有限会社を1つの会社類型(株式会社)として統合
 いわゆる株式譲渡制限会社(その発行する全ての株式についてその譲渡につき当該会社の承認を要する株式会社)について取締役の人数規制や取締役会の設置義務が課せられない現行の有限会社型の機関設計の採用を認めるなど,株式会社における定款自治の範囲を拡大し,その規律の多様化・柔軟化を図ることにより,現行の株式会社と有限会社の両会社類型を1つの会社類型(株式会社)として統合しています。
 既存の有限会社については,引き続き従前の規律を維持するための所要の措置を設けています。
  (2 ) 設立時の出資額規制の撤廃(最低資本金制度の見直し)
 株式会社の設立に際して出資すべき額について,下限額(現行法では株式会社につき1000万円,有限会社につき300万円)の制限を撤廃しています。
  (3 ) 事後設立規制の見直し
 事後設立(会社成立前から存在する財産で営業のために継続して使用するものを会社成立後2年以内に一定規模以上(現行法では資本の5パーセント以上)の対価で取得すること)に係る検査役の調査の制度は,廃止しています。
  株式会社の設立手続については,出資額規制の撤廃のほかに,その簡略化,合理化の観点から,(1)発起設立の場合における払込金保管証明の撤廃,(2)検査役の調査を要しない現物出資・財産引受けの範囲の拡大等の見直しをすることとしています

 

 
 会社経営の機動性・柔軟性の向上
 会社経営の機動性・柔軟性の向上を図るため,株式会社の組織再編行為や資金調達に係る規制の見直し,株主に対する利益の還元方法等の合理化を行うとともに,取締役等が積極果敢な経営を行うことの障害にならないよう取締役等の責任に関する規律の合理化を図っています。
  (1 ) 組織再編行為に係る規制の見直し
 組織再編行為に係る規制について,次のような見直しを行っています。
   ・  吸収合併等の場合において,消滅会社の株主等に対して,存続会社等の株式以外の財産(現金,親会社の株式等)を交付すること(「合併等対価の柔軟化」)を認めています。
   ・  簡易組織再編行為(存続会社等における株主総会の承認決議を要しない組織再編行為)に係る要件を緩和する。また,新たに略式組織再編行為の制度を設け,合併等の組織再編行為を行う会社において株主総会の承認決議を要しないこととなる場合を拡張するとともに,少数株主保護のための差止め制度を創設しています。
  (2 ) 株式・新株予約権・社債制度の改善
 資金調達の円滑化等を図る観点から,株式・新株予約権・社債制度に関し,次のような見直しを行っています。
    ・  ある種類の株式の譲渡についてのみ会社の承認を要するものとすることを認めるなど,株式の譲渡制限に係る定款自治の範囲を拡大しています。
    ・  会社に対する金銭債権の現物出資について,一定の場合(当該会社に対し,履行期が到来しているものを当該金銭債権の債権額以下で出資する場合)には検査役の調査を要しないものとしています。
    ・  多様化された種類株式の利用可能性を高めるため,種類株主総会の決議を要する場合の明確化等を図っています。
    ・  端株制度について,単元株制度との統合により,廃止しています。
    ・  新株予約権の消却対価として,株式を交付することを認めています。
    ・  代表取締役に対する社債の発行条項に係る決定権限の授権の許容,社債管理会社の権限・責任の強化,社債権者集会の特別決議の成立要件の緩和,社債券不発行制度の導入等,社債制度全般について規律の合理化を図っています。
  (3 ) 株主に対する利益の還元方法の見直し
 株主に対する利益の還元方法の多様化・柔軟化を図る等の観点から,次のような見直しを行っています。
   ・  株主に対する金銭等の分配及び自己株式の有償取得を「剰余金の分配」として整理し,これらについて統一的に財源規制をかけています。
   ・  剰余金の分配は,いつでも,株主総会の決議により,決定することができるものとしています。
   ・  委員会等設置会社以外の株式会社であっても一定の要件を充たすもの(取締役会のほか監査役会及び会計監査人を設置し,かつ,取締役の任期を1年とするもの)については,定款の定めを置くことにより,取締役会の決議をもって剰余金の分配を決定することができるものとしています。
  (4 ) 取締役の責任に関する規定の見直し
 取締役の会社に対する責任について,無過失責任規定の見直し等を行い,委員会等設置会社とそれ以外の株式会社との規律の整合性を図っています。
  合併等対価の柔軟化に関する部分の施行について,その他の部分の施行の1年後としたのは,なぜですか。
 会社法のうち,いわゆる合併等対価の柔軟化に関する部分については,その他の部分の施行の1年後に施行することとされています(会社法附則4項)。
 これは,合併等対価の柔軟化が行われることによって合併がより行いやすくなるため,その前段階として株式を買い集めて企業を買収しようとする投資意欲が増大し,その結果として企業価値を損なうような敵対的買収も増加するのではないかという懸念の声があることにかんがみ,各会社に対して,その1年の間に開催される定時総会において定款変更を要する企業防衛策を採用する機会を保障するために講じられた措置です。
  合同会社は,株式会社とはどのような違いがありますか。
 合同会社と株式会社は,いずれもその社員又は株主が有限責任とされている点で共通しております。このため,会社と第三者の関係では,配当規制や債権者保護手続について,ほぼ同様の規制が適用されることとなっています。
 他方,株式会社と合同会社では,(1)会社内部関係の規律の強行規定性について,株式会社においては,株主総会に加えて,取締役等の機関を設ける必要があるほか,株主の権利内容も,原則として平等原則が適用され,これらの規律は強行規定とされているのに対し,合同会社においては,組合と同様に,広く契約自由の原則が妥当するため,機関設計や社員の権利内容等については強行規定がほとんど存在せず,広く定款自治に委ねられていること,(2)持分の譲渡に関する規律について,株式会社においては,株式の譲渡自由の原則が採用されているのに対し,合同会社においては,持分の譲渡は他の社員の全員の一致が要求されるなどの違いがあります
   

 

 
 会社経営の健全性の確保
 会社経営の健全性を確保し,株主及び会社債権者の保護を図るため,株式会社に係る各種の規制の見直しを行っています。
  (1 ) 株主代表訴訟制度の合理化
 株主代表訴訟制度について,次のような見直しを行っています。
   ・  完全子会社となる会社につき係属中の株主代表訴訟の原告が,株式交換等により完全子会社の株主たる地位を喪失する場合であっても,一定の場合には,当該株主代表訴訟の原告適格を喪失しないものとしています。
   ・  株式会社が株主からの提訴請求に応じない場合において,当該株主又は当該提訴請求に係る取締役からその請求があったときは,当該株式会社に,その不提訴の理由の通知を義務付けています。
   ・  株主が自己の不正な利益を図るために行う提訴等,株主代表訴訟の制度趣旨を逸脱する提訴は認めないものとしています。
  (2 ) 内部統制システムの構築の義務化
 大会社について,内部統制システム(取締役の職務執行が法令・定款に適合すること等,会社の業務の適正を確保するための体制)の構築の基本方針の決定を義務付けています。
  (3 ) 会計参与制度の創設
 主として中小企業の計算書類の正確性の向上等を図るため,任意設置の機関として,会計に関する専門的識見を有する公認会計士(監査法人を含む。)又は税理士(税理士法人を含む。)が,取締役等と共同して計算書類を作成し,当該計算書類を取締役等とは別に保管・開示する職務等を担うという,会計参与制度を創設しています。
  (4 ) 会計監査人の任意設置の範囲の拡大
 大会社以外の株式会社は,小会社であっても,定款で会計監査人の設置を定めることができるものとしています。
 4  その他
  (1 ) 新たな会社類型(合同会社)の創設
 創業の活発化,情報・金融・高度サービス産業の振興,共同研究開発・産学連携の促進等を図るため,出資者の有限責任が確保され,会社の内部関係については組合的規律が適用されるという特徴を有する新たな会社類型(合同会社)を創設しています。
  (2 ) 特別清算制度等の見直し
 特別清算の制度について,協定の可決要件を緩和するなどその手続を迅速化・合理化するための見直しを行うとともに,会社の整理の制度を廃止しています。

 

会社法の施行につきましては,その公布の日から起算して1年6か月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとされています。具体的には,平成18年5月ころに施行される見通しです。
 
携帯電話の販売累計が8000万台を突破し、全国民の2人に1人が携帯電話を持つ現在。
このことは、人口の約半数がインターネット接続可能であることを示すだけでなく、事実上、携帯電話こそがインターネットのインフラであることを表しています。
インターネット広告がそのシェアを伸ばし、広告メディアとして認知された今、モバイルインターネット広告の認知力も、非常に高まっています。
「三角合併」とは、企業の吸収合併などに際して、消滅会社の株主などに存続会社の株式ではではなく、親会社の株式を交付するものです。これは、今通常国会において審議されている会社法案に「合併対価の柔軟化」が盛り込まれたことと関係があります。
 現行法では、買収される会社の株主には「買収する会社の自社株式が割り当てられる」とされてきました。これに対して改正会社法案は、企業の吸収合併などに際しては、存続会社の株式以外である「金銭そのほかの財産」を交付することが認められています。合併対価の柔軟化により、三角合併が可能となります。