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車窓風景(バンコク市内の運河)
しばらくは、小さな住居がひしめいている一帯を通る。線路のすぐ近くまで住居が迫っているが、一般に線路側が家の裏になっているため、建物の内部がよく見えたりする。こういう地域の常として子供が多く、いたるところにいる。貧しい地域なのかもしれないが、タイ人は楽天家が多いらしいので、悲壮な感じはしない。みんなのんびりとしているように見える。
昨日いったん訪れたドンムアン駅を過ぎるころから、周囲は広々とした景色になった。並行して走る道路が日本のように平らにならされておらず、かなり波打っているのがはっきりわかる。スピードを出したら車が飛び跳ねそうだ。
その後、ロッブリーまではほとんど景色の変わらない田園地帯を走る。最近は日本でも窓の開かない車両が多くなったが、この3等車両は窓を全開にできる。暑い風を浴びながら、のんびりと景色を見ながら過ごした。列車は頻繁に停車するが、わりと大きな駅では乗客と一緒に物売りが何人も乗り込んでくる。車両内を歩き回って、果物や野菜や落花生や、なかにはカップ入りのデザートなどを売っている人もいる。なかなか日本では見られない光景である。
バンコクから約2時間で、有名な観光地のアユタヤに到着。ここでかなりの乗客が入れ替わった。今回、このアユタヤではなくロッブリーに行くことにしたのは、ロッブリーのほうがマイナーなので雰囲気がいいだろうと思ったからである。
途中、名前は忘れたが路線の分岐点となっているジャンクション駅を過ぎ、アユタヤから約1時間でロッブリー駅に到着。
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ロッブリー駅に到着した各駅停車
ガイドブックによれば、ロッブリーは「猿に占拠された町」だそうで、町中に猿がいるらしい。プラットホームには大きな猿のオブジェがあり、ちょうど下校時間らしく高校生らしい男女がたくさんたむろしていた。
とりあえず、泊まるところを探さないといけない。観光地だからすぐに見つかるだろうと思って歩き出したが、予想に反してなかなかホテルやゲストハウスは見つからない。暑い中歩き回って疲れたので、いったん駅へ戻り、ベンチでしばらく休憩。缶入りのレモンティーを飲んだが、砂糖がたっぷりと入っていてかなり甘かった。(これは、後日飲んでみた缶コーヒーも同様だった)
この駅にはインフォメーションはないので、誰かに聞くことはできない。再び町へ出て、今度は注意しながら歩いてみたところ、ようやくホテルが見つかった。看板はなく、ドアに 'Lop Buri City Hotel' と書かれているだけなので、最初に通ったときは気づかなかったらしい。カウンターで泊まれるかどうか聞いたところ、大丈夫だったのでここに決めた。バンコクよりも物価が安いらしく、エアコンと水シャワーつきツインルームのシングル使用で料金は250バーツ。カウンターにいた若い女性(高校生くらい)の弟らしい少年(中学生くらい)が、部屋へ案内してくれた。しばらく涼みながら休憩。
このホテルは線路沿いにあり、部屋の窓からは踏切の向こうにサン・プラカーンという遺跡が見える。窓の外の鉄格子は猿の侵入を防ぐためのものらしく、あちこちに猿が見える。踏切周辺は特に猿が多いようである。(ふと、火事になったらどうなるんだろうという気がしたが、それは考えないことにした)
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サン・プラカーン
しばらく休んでから、再び外出。最初に、目の前にあるサン・プラカーンへ行ってみた。小さな山を背に寺院がある、という構造なのだが、道路に囲まれていてなかなか渡れない。道路は車優先で作ってあるため横断歩道などはなく、渡りたがっている歩行者を見て車を停めるような運転手もいないのである。10分以上待ってようやく車の流れが途絶え、渡ることができた。
ガイドブックによれば、「朽ちかけたクメール時代のヒンドゥー神殿が裏手に残った祠堂」だそうである。祠堂は、祠といってもなかなか立派なものであった。参拝している人が何人かいたので、邪魔にならないように祠堂内をしばらく見てから、裏手に行ってみた。
祠の裏手は山の頂になっていて、ガイドブックには「たくさんの猿が棲みついていて危険なので近づかないように」とあったが、私が訪れたときは猿はいなかった。廃墟となった石造りの土台の他は何もないが、わりと見晴らしがいいので、しばらく景色を眺めてから、祠堂の方へ戻った。
祠堂の前からは、線路の向こうにプラ・プラーン・サームヨードという遺跡が見える。
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プラ・プラーン・サームヨード
こちらは、塔が3基並んで建っているクメール遺跡。ガイドブックによれば、クメール様式の代表的な寺院だそうである。後で行ってみることにした。
サン・プラカーンの前の踏切は、列車の通行が多いため頻繁に遮断機が下りる。そして、列車が完全に通り過ぎる前に、下の写真のように遮断機が上がる。車やバイクは、列車の後ろを回り込むように我先にと動き出すので、ときどき接触事故が起きているのではないかと思われる。
下の写真のほぼ正面の建物が、ロッブリーシティホテル。
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サン・プラカーンからの眺め
サン・プラカーンを後にして、プラ・プラーン・サームヨードへ行ってみたのだが、ちょうど門を閉めるところで、入ることはできなかった。
というわけで、そのまま街中を散策。空はまだ晴れているが、すごい雨雲が次第に近づいていて、だんだんと薄暗くなってきている。果物を売っている露店が並んでいる路地があったので、ここでマンゴスティンとランブータンを一袋買い、いったんホテルへ戻った。
これらの果物は初めて食べたが、マンゴスティンはほんのりとした甘さがあってかなりうまいと思った。日本でほとんど見かけないのが不思議。しかし、ランブータンは表皮と種の間が薄く、あまり食べる部分がない。手間のかかる果物である。
部屋で果物をナイフで切りながら食べていると、外はすごい夕立となった。ホテル前の通りには屋台が並んでいるので、雨がやんだら食べに行くことにして、それまでテレビを見て過ごした。音楽番組の司会者が、番組の最初に合掌するところがタイらしい。
約2時間後、雨はかなり小降りになったので外出。屋台の並んでいる通りを歩いてみたが、さまざまな種類がある。何にするか迷ったが、挽肉入りの卵焼きと、名前は知らないが辛い麺類を食べて、ホテルへ帰った。
暑い部屋なら水シャワーは快適だと思うが、さすがにエアコンがあると寒い。我慢してシャワーを浴び、遅くまでテレビを見てから就寝。