ケープタウン(ケープ半島1日ツアー)

喜望峰
 この日はケープ半島1日ツアーの日。ケープ半島は予想以上に広く、しかも回るポイントが多いためちょっと駆け足という感じのツアーだった。
 ケープタウンのツアー会社としては "HYLTON ROSS" が大型バスを使用するため若干安いらしいが、今回利用したのは "AFRICAN EAGLE" という会社。ここは少人数のツアーが主体ということだった。



 朝8時半にホテルのロビーに迎えが来るということだったので、しばらく待機していると40分ごろガイドがやってきた。車は10人乗り程度のワンボックスカーで、今回のツアー参加者はヨーロッパからの夫婦が3組、一人旅のメキシコ人男性、日本人の女性二人組、私の計10人だった。ガイドは40歳代くらいの白人女性で、ツアー中は一人で運転から説明までこなしていて忙しそうだったが、かなり手際のいい人だった。

ケープ半島地図
 左は Google Earth の画像。ツアーでは、ケープタウンを出発してキャンプスベイ〜ハウト湾、シール島〜喜望峰〜ケープポイント〜ボルダーズビーチ〜サイモンズタウン〜カーシュテンボシュ植物園〜ケープタウンと、ケープ半島を左回りに一周するコースになる。
 旅行前は、喜望峰はケープタウンのすぐ近くにあるようなイメージを持っていたのだが、実際はケープタウン市街からケープ半島の先端までは70キロほどの距離がある。サイモンズタウンから先は公共交通機関もなく、喜望峰を訪れるためにはレンタカーかツアー参加くらいしか手段がない。



キャンプスベイ

 最初に訪れたのは、ケープタウン市街の北側にあるキャンプスベイ。今はまだ春先なので人は少ないが、夏は海水浴客でにぎわうということだった。かなりきれいな眺め。

キャンプスベイキャンプスベイ

 ここで、日本人女性二人組と話してみた。関西弁なので大阪だろうと思っていらその通りで、二人であちこちへ旅行してるということだった。最近は、さすがに日本人女性の一人旅はめったに見かけないが、二人旅はちょくちょく見るようになったように思う。私と同様に10日程度の旅行だそうで、この二人とは結局夜まで一緒に行動することになった。



ハウト湾、シール島

 次の目的地は、オットセイを見ることができるシール島。ハウト湾から船で向かうことになる。この船はオプションなので追加で乗船料を払うことになるが、もちろん乗ることにする。下の写真が遊覧船。
 遊覧船に乗り込む際、湾に迷い込んできた1頭のオットセイを見ることができた。

ハウト湾ハウト湾

 では、出発。湾を出て、「センチネル」という岩山を回りこむように進む。

ハウト湾ハウト湾

 やがて、シール島が見えてくる。島といっても岩礁のようなもので、よく見るとたくさんのオットセイが岩に乗っているのが見える。

シール島

 いやあ、いるわいるわ、岩の上をオットセイがひょこひょこと動き回っている。カメラにズーム機能がないためアップでの写真は撮れず、写真ではあまり迫力を感じないかもしれないが、見ていると面白い。よく見ると船の近くの水中でも何頭も泳いでいる。

シール島シール島
シール島シール島

 島を2周ほどして、ハウト湾へ戻った。考えてみれば水族館以外でオットセイを見るのは初めてで、なかなか面白かった。

 なお、ガイドブックでは「オットセイ」になっているが、ここのチケット売り場に置いてあった日本語版パンフレットには「アザラシ」と書かれている。オットセイとアザラシの見分け方について調べてみたところ、陸上にいるときに前脚で体を起こすことができるのがオットセイ、丸太のように転がっているのがアザラシだそうで、たしかにここでは体を起こしていたのでオットセイが正しいようである。ちなみに、英語ではオットセイが "fur seal"、アザラシが "seal" または "true seal" だそうで(だからシール島)、あまり区別されていないらしい。



ダチョウ園

 喜望峰へ向かう途中、ダチョウ園で少し休憩した。

ダチョウ園ダチョウ園

 ツアー中もあちこちでダチョウの看板を見かけたし、南アフリカではダチョウの飼育が盛んらしい。この日の昼食は、そのダチョウ肉を食べることになった。
 しばらく散策した後、続いて半島先端の喜望峰へ向かうことになった。



喜望峰

 いよいよ喜望峰である。もちろん、本当のアフリカ大陸最南端はここから150キロほど離れたところにあるアガラス岬なので、喜望峰は「最南西端」ということになる。しかしながら、喜望峰はあまりにも有名な岬であり、一生に一度は訪れたいと思っていた。
 車を降り、しばらく感慨に浸りながら散策してみた。本当に、こんな地の果てまで実際に来てしまったことに自分でも感動する。

喜望峰喜望峰

 ここには "CAPE OF GOOD HOPE" という表示板があるだけで、それ以外にはまったく観光地らしきものはない殺風景な景色が広がっている。そのため、最果てという雰囲気が強烈に漂う。この海の先は、南極まで陸地はない。

喜望峰喜望峰

 これほど有名なスポットでありながら、まったくといっていいほど世俗化されていないのはすごいと思う。わりと頻繁にツアー客一行がやってくるものの、人数は予想よりかなり少なく、静かな場所だった。
 なお、"CAPE OF GOOD HOPE" は普通に訳せば「希望岬」になるはずだが、なぜか日本語では「喜望峰」になっている。以前から不思議に思っていたが、少し調べてところどうやら誤植が原因と考えられているらしい。

 いままであまり旅行中に自分の写真は撮らなかったが、今回はせっかくなので写真を撮ってみた。

喜望峰

 あらためて、よくこんなところまで来たものだと思う。いつになるかわからないが、もう一度ここへ来てみたいものだ。

 あと、訪れてみたい岬といえば、ユーラシア最西端のロカ岬、南米最南端のホーン岬、インド最南端のコモリン岬などがある。一生のうちには訪れてみたい。



ケープポイント

 喜望峰の少し東側にあるのがケープポイント。位置関係は下の Google Earth の画像の通りで、喜望峰よりやや北にあるものの、こちらのほうが「先端」という感じが強い地形になっている。

ケープポイント

 ケーブルカーで上に登る前に、ここのレストランで昼食。この昼食費はツアー料金には含まれておらず、自費になる。せっかくなので、ここではダチョウ肉のステーキを注文してみた。

ケープポイント

 味はかなりうまいと思ったが、ちょっとボリュームが多い。
 食事中に日本人女性二人組といろいろと話をしてみた。こんな遠い国へ来ていることからも予想できる通りかなり旅行好きの人たちで、二人であちこちへ行ったらしい。中でもモロッコには4回も行ったそうで、お気に入りの国ということだった。
 さらに、話しているうちに「前回はインドへ行ってきた」と聞いて、ちょっとのけぞってしまった。私もインドに興味はあるのだが、「インドは旅行上級者向けの国」という感じがして(こんなことをいうと「君も十分に上級者だろ」と言われるかもしれないが)、まだなんとなく行くことを躊躇している。実は私は個人旅行でインドへ行ったことのある人に弱いのである。
 というわけで、この後は師匠に接するような気持で二人と話すことにして、インドでの体験談を聞いてみると予想通りかなり大変そうな感じだった。私もいつかはインドを旅行することになると思うが、相当に覚悟して乗り込む必要がありそうだ。

 食事を終え、ケーブルカーでケープポイントへ登ってみた。下の写真がケーブルカーの駅。

ケーブルカー駅

 ケーブルカーで登っていくと、喜望峰が次第に遠ざかっていくのが見える。

喜望峰遠望喜望峰遠望

 山頂駅に着くと、さらに上に灯台が見える。あまり時間がないので、急いで灯台のあたりまで登ることにした。なお、灯台の内部には入ることはできない。

灯台遠望灯台遠望

 ケープポイント先端の眺め。海が真っ青で、本当にきれい。先端近くまで遊歩道が続いているのが見えるが、今回は時間がないため行けないのが残念。

ケープポイントケープポイント
ケープポイントケープポイント

 上の写真で、岸に沿って何かの白い航跡が続いているのが見えると思う。下が航跡を見下ろした写真で、おそらくクジラだろうと思ったのだが、どうだろうか。

ケープポイント

 灯台のあたりから見た喜望峰の遠望。

喜望峰遠望

 本当はもっとゆっくりとしたかったのだが、時間がないのでこれで下りることにした。再びケーブルカーで下へ向かう。

ケープポイント

 ここから喜望峰へは遊歩道が続いているようなので、できれば往復してみたいものだが、仕方がない。個人旅行なら好きなだけここにいられるのだが、やはりツアーは慌しいものだと思う。次回ここへ来るときは、レンタカーなどを利用して好きなだけ歩き回ってみたい。



ボルダーズビーチ

 ケープペンギンが見られることで有名なボルダーズビーチ。TV等で見た人も多いと思う。駐車場からも、遠くにペンギンが歩いているのが見える。

ボルダーズビーチ

 しばらく遊歩道を散策。遊歩道から茂みの奥を覗き込むと、ところどころにペンギンのコロニーがあった。ペンギンなんて水族館でしか見たことがないので、野生のペンギンがこんなに近くで見られるということに感動する。

ボルダーズビーチボルダーズビーチ

 砂浜への立ち入りは有料になっていて、もちろん入りたかったのだが、時間がなかったので諦めた。うーん、やはりツアーは慌しい。



サイモンズタウン

 海沿いに北上中、サイモンズタウンという町のはずれでクジラが見つかり、急遽道路沿いに車を停めて眺めることにした。

サイモンズタウン

 遠いためにはっきりとした写真を撮ることはできなかったが、1頭のクジラが泳いでいる。ときどき潮を噴き上げている景色も見ることができた。



カーシュテンボシュ植物園

 最後の目的地はカーシュテンボシュ植物園。テーブルマウンテンの南斜面にある、かなり規模の大きい植物園だった。
 下の写真は、植物園内のあちこちで見られた南アフリカの国花「プロテア」。

カーシュテンボシュ植物園カーシュテンボシュ植物園
カーシュテンボシュ植物園カーシュテンボシュ植物園

 ちょっと調べてみたところ、世界で100種類ほどあるプロテアのうち、約80種類が南アフリカに、約70種類がケープタウン地域にあるということだった。どおりで、ツアー中もあちこちでプロテアを見かけたわけだ。
 プロテアの茂みの奥にきれいな鳥がいたので、アップで写真を撮ってみた。鳥類には詳しくないので、名前がわからないのが悲しい。最初は「ハチドリ?」と思ったが、しかし考えてみればハチドリはもっと小さいような気がする。

カーシュテンボシュ植物園

 斜面の上のほうにある入口から入り、各種の植物を見ながらゆっくりと坂道を下っていくことになる。途中、女性二人とところどころで話をしたところ、私と違ってまずビクトリアフォールズへ行ってからケープタウンへ来たそうなので、ビクトリアフォールズについていろいろと情報を教えてもらった(「カメラはビニール袋に入れておく必要はあるか?」など)。やがて出口に着いたが、出口というよりこちらが本来の正面入口という感じだった。ここでこのツアーについてのアンケートに記入し、ケープタウン市街に戻ることになった。

 これでツアーは終了。あとは出発地のホテルまで送ってもらうことになる。それぞれツアー参加者のホテルに寄りながら降ろしていくわけだが、最初に寄ったホテルが「マウント・ネルソン・ホテル」という、部屋によっては10万円以上するらしい最高級ホテル。参加者のうち1組の夫婦がここで降りていったが、車内に残った者たちはみんな羨望の眼差しで見ていた。
 宿泊地の "FOUNTAINS" ホテルで降りてもいいが、ここはせっかくなので女性二人組と一緒にウォーターフロント地区で降ろしてもらうことにした。午後5時半、ガイドの女性と握手をして別れ、ウォーターフロント内へ。
 二人はこれから翌日のツアーの申し込みをするそうなので、私のほうはロベン島へ行くツアーの出発時刻を調べた後、メールでもチェックしようと思ってインターネットカフェへ。しかしながら、ウォーターフロント内には2ヶ所にインターネットカフェがあったもののどちらも日本語がインストールされておらず、結局メールチェックは諦めた。
 この後、歩いているときに二人と再会し、食事に出かけることにした。旅行先で出会った女性と食事に行くというのは初めての経験だったが、ときにはこういうことも起きるものなんですね。



 ウォーターフロント地区からタクシーでケープタウン中心部へ。最初に「港 "MINATO"」という日本料理店へ行ったが、予約でいっぱいで入れなかった。そこで、次に「アフリカ・カフェ」へ行ってみて、なんとか空きがあったのでここで食事することにした。店内はいくつもの小部屋に分かれていて、内装や装飾品はかなり手が込んでいる。女性は気に入りそうな感じで、実際に二人はかなり店をほめていた。
 下の写真は、部屋の様子とテーブルに並んだ料理。アフリカ料理のコースを注文したところ、味はさすがによかったがちょっとボリュームが多かった。

アフリカカフェアフリカカフェ

 食事中、お互いの旅行体験談やこれから行ってみたい国などを話し合ったが、普段はこういう体験談などを話し合う相手が近くにいないので、実に楽しかった。今までずっと一人旅をやってきたわけが、つい「趣味が合う人が近くにいれば案外楽しいかも」などと考えてしまった。しかしそういう出会いはなかなかないんですよね。

 この後、レジの近くにある土産物店でいくつか買物をし、アフリカ・カフェを出た。女性二人はこの近くのホテルということなので、アフリカ・カフェの正面で記念写真を撮ってから、ここで二人と別れた。おそらく、この後もあちこちを旅行しているものと思われる。連絡先などは聞いていないが、このサイトのアドレスは教えておいたので、このページを見ているかもしれない。これからもお互いに旅行を続けていきましょう。

 私のほうは、これからホテルに戻らないといけない。地図で見ればホテルまでは600メートルほど、無理せずにタクシーを使うことも考えたが、このロングストリートという通りはレストランなどもあってわりと人も歩いているようなので、思いきって歩くことにした。
 しかしながら、レストランなどの店があったのは最初だけで、すぐにビジネス街のような感じになり、当然ながら人通りはなくなった。時刻は午後10時半、かなり緊張しながら足早に歩いていると、金をせがんでくる黒人の若者が何人も現れる。特に相手にせずに最後は走るようにしてなんとかホテルのロビーに駆け込んだが、部屋に戻ってからもしばらくは心臓がドキドキしていた。
 結果的には特に危ない目に遭うこともなくなくホテルに戻ったことになるが、やはり無謀だったかもしれないと少し後悔している。夜にケープタウンの街中を歩くのは、とても勧められるものではない。これからケープタウンを訪れる人は、短い距離でも無理をせずにタクシーを使ってほしい。