ワットプートウドン (2)

 下の写真が、地獄めぐりの建物。怪物の口が入口になっている。期待しながら入ることにする。

地獄入口

 入ってすぐのところに若い僧侶の方が一人座っていて、両替をしてくれるというシステムになっている。なぜ両替が必要かというと、先ほどの亡者と同様に地獄内には5バーツ硬貨を入れると動き出すギミックが満載なのである。というわけで、この地獄を十分に楽しむためには、大量の5バーツ硬貨が必要ということになる。
 ここで50バーツ紙幣を両替し、先へ進むことにする。最初にあるのは、裁きの画面。タイでも閻魔大王というのだろうか。

閻魔大王

 5バーツ硬貨を入れると、裁きの声が響き、手前にある骸骨が入った鍋がブクブクと泡立つという仕掛けになっている。いいですねえ、この趣向。
 では、先へ進む。

地獄風景地獄風景

 HERE YOU ARE IN THE HELL !

 こういうストレートな言葉は珍しい。今、自分が地獄にいることが再認識させられる。
 以下、地獄風景を載せておく。どの風景も証明は薄暗く、ローラーで潰されたり(そのわりにはずいぶんと隙間が開いているような気もするが)、棘のある木に登らされたり、責め苦は様々。首がなくて胴体に顔がある怪物が、いい感じを出している。

地獄風景地獄風景
地獄風景地獄風景

 動き出すアトラクションが多いので、5バーツ硬貨がどんどんなくなっていく。サイトの容量の関係で動画をすべて載せることはできないので、亡者の悲鳴と阿鼻叫喚の世界を見たい人は、直接訪れてほしい。

 下の光景は、地獄の中でよくわからなかったもの。これは地獄なのか?

地獄風景

 こちらは、半分骸骨になった人たち。どういう意味なのかよくわからないが、薄暗いところでこういうものに出会ったらぎょっとすることだろう。

地獄風景地獄風景

 地獄内には、電気関係のメンテナンスをやっている人がいた。これだけ動くアトラクションがあればメンテナンスも大変だと思うが、故障を放置することなくしっかりと整備を行っているところは好感が持てる。

メンテナンス

 これらの地獄風景を一通り見た後、最後に実にすばらしい光景が待っている。下がその光景で、たくさんの女性が木の枝から下がっている。この「美女のなる木」は、タイの寺院ではわりと多く見られるモチーフで「マッカリーポンの木」といい、「美女果」といわれることもある。ここにあるのはミニチュアサイズだが、中にはこれが等身大でリアルに作られている寺院もある。禁欲的な生活を送っている僧侶にとって、こういうものが寺院内にあったら生き地獄ではないかと思う。

マッカリーポンマッカリーポン
マッカリーポンマッカリーポン

 マッカリーポンはタイで広く知られている伝説で、少し調べてみたところ「春先から数ヶ月にわたって実をつける」「通りすがりの者はマッカリーポンを持ち帰り、七日のあいだ妻として使用できた」「実を食べたものは不老不死が与えられた」「枝にぶらさがってしきりにワクワク、ワクワクと囁きあう」などという伝承があるらしい。

 そういう伝説は別にして、個人的にはこれは江戸川乱歩の「パノラマ島」の世界だと思う。「パノラマ島奇譚」を元にした 恐怖奇形人間天国と地獄の美女 では、このような光景は映像化されていないので、次回誰かが映画化する際はお願いしたいものだ。

 そして、美女たちの下にいるのが、この骸骨自転車。

骸骨自転車骸骨自転車

 聞くところによると飲酒運転の戒めを表しているらしいが、それにしても異様な光景だと思う。では、マッカリーポンと骸骨自転車の動画を下に載せておく。「珍寺大道場」に載っている動画によると、マッカリーポンの方はミラーボールが回転したり噴水が現れたりと派手だったようだが、このときは故障していたらしく、大音響で音楽が鳴るだけだった。
 骸骨の方は、水を跳ね上げながら自転車をこぎ続ける。頭蓋骨の中の明かりが点滅しているところが面白い。


 これで地獄内を一通り見たことになる。せっかくなので、いったん入口近くまで戻り、地獄内をもう一回りしてから外に出た。
 それにしても、実に素晴らしい地獄風景だった。私が今までに見た地獄風景では、台湾の麻豆代天府と南天宮の地獄が素晴らしかったが、ここはそれらに匹敵する。地獄めぐりが好きな人は、ぜひとも直接見てほしい。