エジプト−T(カイロ、ギザ、サッカラ)

ピラミッド
 福岡からシンガポール、ドバイを経由して、早朝の7時ごろカイロ空港に到着。噂どおり、入国審査前の区域まで旅行会社の客引きが入ってきているという、秩序のない空港だった。
 早朝ということもあり、空港でのヴィザ取得から入国までスムーズに終えることができた。最初にドルをエジプトポンドに両替。1ポンドは約32円であった。
 空港からタクシーで市街へ。空港を出ると、外には初めて見る砂漠の光景が広がっていて、ちょっと感動。市街へ入ると、まず驚いたのがあちこちに立っている警察官の多さ。観光が重要な収入源の国なので、何とか治安を良くしようという努力が伺える。
 この日は、市街地の中心部にあたるタハリール広場からナイル川を渡って少し歩いたところにあるホテルに宿泊することにした。




エジプト考古学博物館

博物館正面
 エジプト到着初日は、エジプト考古学博物館とオールドカイロを見ることにしていた。まずは、タハリール広場の近くにあるエジプト考古学博物館へ。入館料は20ポンドで、他にカメラチケットが10ポンド。市内観光のメインなので、人はかなり多い。

 この考古学博物館については、ときどきTVでも紹介されるので、日本でも有名だと思う。広い館内に膨大な収蔵品が展示されていて、とても1日で十分に見て回れる規模ではない。しかも、ミイラ室以外はエアコンがないので、歩き回っているとけっこう疲れる。ときどき階段に座って休みながら、4時間ほど見学してきた。

博物館所蔵品博物館所蔵品

 やはり、一番人気があるのはツタンカーメン王のコーナーだろう。おなじみの「黄金マスク」をはじめ、たくさんの副葬品が展示されているが、どれも手が込んでいて、見ていると飽きない。ただ、館内はフラッシュ禁止なので、このコーナーではあまり鮮明な写真を撮ることができなかったのが残念。
 続いてミイラ室へ。ここには、ラムセス2世をはじめ数体のミイラが置かれている。館内でこの部屋だけはエアコン設備があり、別料金が必要になる。なぜか人が少なかったので、ゆっくりと見ることができた。ミイラをこれほど近くで見るのは初めてだったが、ホラー映画が好きなせいか、今にも起き上がってきそうな気がした。この博物館を訪れる機会があれば、この部屋だけは見逃さないように。




オールドカイロ

 タハリール広場の下にあるサダト駅から地下鉄に乗り、マリ・ギルギス駅で下車。地下鉄といっても、市内中心部以外は地上を走っている。エアコンがないので、列車内はちょっと暑い。

カイロ地下鉄

 駅の外にオールドカイロが広がっている。それほどメジャーな観光地ではないらしく、人はまばらだった。
 オールドカイロに入ると、細い路地が入り組んでいて、歩いているとなかなか面白い。しばらく、改修作業が行われている教会を見学したりしながら散策。

オールドカイロの路地

 オールドカイロを抜けると、その向こうは広い荒地になっていた。ガイドブックによれば、この荒地は「アル・スフート」といい、かつては大きな町だったそうである。

 オールドカイロには、聖ジョージ教会という大きな教会もある。高台になっているので、眺めはなかなかいい。地下鉄の線路の向こうに、生活臭のあるアパートが見える。

聖ジョージ教会からの眺め

 オールドカイロ一帯にも警官が何人も配置されているが、自動小銃を適当に肩に掛けているので、ときどき銃口がまっすぐにこっちを向いていたりして、ちょっとどきっとすることがある(もちろん、安全装置はついているはずだが)。

 その後は、地下鉄でムバラク駅へ行き、ラムセス中央駅(カイロ駅)を散策。大勢の乗客でごった返していて、雑然として雰囲気のいい駅だった。それから地下鉄でサダト駅へ戻り、タハリール広場付近を散策。広場に面したケンタッキーフライドチキンが目立つが、それ以外はこじんまりした店が多く集まっている。この広場は車の通行量が多く、歩行者を見てもスピードを緩めないのだが、それでも多くの人がすいすいと通りを歩いて横断している。一応地下道はあるのだが、面倒なので利用していないようである。私も何度も通りを横断したが、このような場合は同じ方向に渡ろうとしている人を見つけ、その人の下流側を歩くと安全。




ギザ

 翌日、いよいよギザのピラミッドである。以前から「一生に一度は実物を見ておきたい」と思っていたのだが、ようやくそれが実現したことになる。馬に乗ってピラミッド周辺をひと回りしてみた。

 まずはスフィンクス。実物を見ることができただけでしばらく感動。

スフィンクス

 スフィンクスの前にあるスフィンクス神殿と河岸神殿を見学してから、スフィンクス横の参道へ。ここから、スフィンクスの全身を眺めることができる。どこかで「崩壊の危機にさらされている」と読んだことがあるが、たしかに風化が進んでいるようだった。まあ、数千年も砂漠に置かれていれば無理もないだろう。一説ではピラミッドよりも古いらしいし。

 続いて、ピラミッドが見渡せる砂丘の上へ。カフラー王のピラミッドの頂上付近に少し残っているのが、かつてピラミッド全体を覆っていた石灰岩。この石灰岩に覆われていた頃は、白く輝いていたんでしょうね。その光景を見ることができないのが残念。
 写真を見てもわかるとおり、空には探しても雲がない。陽射しは強烈で、さぞ暑いのだろうと思われるだろうが、意外なことにそうでもない。これは空気が乾燥しているためで、風が吹くと涼しくさえ感じる。しかし、油断していると脱水症状になるので、あちこちで売っているミネラルウォーターのペットボトルが欠かせない。

クフ王とカフラー王のピラミッド

 最大のクフ王のピラミッドの場合、中に入れる人数が制限されていて、今回は入ることができなかった。カフラー王のピラミッドは入場禁止、最も小さいメンカウラー王のピラミッドだけが、入場料を払うことで自由に入ることができる。入口から玄室まで斜め下方に通路が伸びているだけの単純な構造なのだが、この通路が狭くて急なのでけっこう疲れる。ヨーロッパから来たらしいお年寄り一行は、かなりきつそうにしていた。玄室内は石棺が置いてあるだけだが、わりと広く、少し休むことができる。

 中に入ることはできなかったが、クフ王とカフラー王のピラミッドは麓まで行って外壁に触ることはできた。それにしても、クフ王のピラミッドはやはり大きい。写真では迫力が伝わらないかもしれないが、見上げると圧倒される。(なお、ピラミッドは登頂禁止です。夜間に登頂し、頂上で撮った写真を載せているサイトがありましたが、こういうことはやめましょう)

クフ王のピラミッド

 ギザには数時間の滞在であったが、ピラミッドの規模は想像以上だった。ぜひ、一生に一度は実物を見てほしい。TVで見るのとは迫力が違う。




サッカラ

 カイロから車で約30分の距離にあるサッカラへ。ここには、ジェセル王の有名な階段ピラミッドがある。

階段ピラミッド


 ここはギザと比べて人が少ないので、一人でゆっくりと見て回ることができる。ただし、入口付近にいるエジプト人が勝手についてきて壁画の解説を始め、後でチップを要求することがあるので、最初に「一人で見たい」とはっきり伝えることが必要。
 ピラミッドの規模自体は、ギザと比べると小さいのだが、ここで印象に残っているのは玄室の天井一面に刻まれた星型の刻印。薄暗い玄室に座って天井を眺めていると、なんだか死者の国にいるような気分になってくる。人も少ないので、おすすめのスポットといえる。




ライトショー

 夕方、ホテルを出てタクシーでギザへ。この日は、夜にギザのピラミッドで行われるライトショーを見てから、ギザ駅で夜行列車に乗り、アスワンへ向かうことにしていた。しかしまあ、このタクシーが飛ばすこと飛ばすこと。遅い車に罵声を浴びせながら強引に車線変更を繰り返すのを見て、ふと「爆走タクシー」というタイトルが思い浮かんだのだが、カイロではこういう運転が普通なのかもしれない。それにしても、ジェットコースター以上にスリルがあった。
 なお、カイロではドアミラーが無い車が多く走っていて(片方だけ無かったり、両方無かったりする。むしろ両方揃っている車のほうが少ない)、ちょっと不思議に思っていたのだが、もしかしたら接触事故で無くなってしまうのかもしれない。

 ライトショーとは、ピラミッドをライトアップして行われるショーのことで、1日3回、曜日と時間によってさまざまな言語(アラビア語、英語、フランス語、スペイン語など多数)で行わている。この日の1回目はたまたま日本語であった。私の場合はピラミッドの近くではなく少し離れた建物の屋上から眺めたのだが、それでも十分に楽しむことができた。

ライトショー

 ショーの内容は、スフィンクスが主人公になってギザのピラミッドが作られた頃の歴史を語るというもの。状況に応じてピラミッド群がさまざまな色にライトアップされる。約1時間ほどのショーだったが、なかなかきれいだった。
 ところで、ショーの途中、近くにいたエジプト人が笑いながら「日本語ではメンカウラーと言うらしいよ」と言っていたのが記憶に残っている(アラビア語なのでよくわからないのだが、おそらくこう言っていたはず)。実際の発音は「メンカラー」に近い。

 ライトショー終了後、再びタクシーでギザ駅へ行き、22時30分発の夜行列車でアスワンへ。