ユートピア加賀の郷

観音像
 小松から各駅停車で加賀温泉駅へ。駅のホームからすぐ近くに金色の観音像が見える。ここが、仏教系のテーマパーク、ユートピア加賀の郷である。
 ここは、観音像を中心とした「加賀寺」エリア、ジャングル風呂がある「観音温泉」、「ユートピアランド」という遊園地による複合施設になっている。今回は、入浴が目的ではなかったので観音温泉はパス、ユートピアランドは閉鎖されていたため、加賀寺のみの拝観となった。



 広い駐車場にかなり多くの車が停まっているが、大半は観音温泉の入浴客のようである。観音温泉を通り過ぎ、加賀寺へ。拝観料の800円を払い、中に入る。
 園内には、読経の音がスピーカーから常時流れている。観音像へ向かう途中にあった「不動尊堂」や「十二支堂」を参拝した後、観音像へ。
 この観音像は、子供を抱いている「慈母観音像」というタイプで、高さは73メートル。抱いている子供が奈良の大仏と同じ大きさだそうである(本当か?)。私の郷里に近い福岡県久留米市にも慈母観音像があるが、それよりもやや大きいらしい。
 この観音像の内部には螺旋階段があり、かなりきつかったが、一応上まで登ってきた。螺旋階段の両側には、短冊ほどの大きさの大量のパネルが貼られていて圧巻。これは参拝者が奉納したものらしいが、それにしてもものすごい数だった。本当に全部本物なのだろうか。
 なお、パンフレットには「一階は、西国、阪東、秩父の日本三大観音霊場巡りが、二階は四国の八十八ヶ所の霊場巡りが短時間でできるように各霊場の本尊様をお祀りしております」と書かれていた。なかなかお得な場所のようだが、まあこういう趣旨の場所は日本中にたくさんあるようである。
 一番上には小部屋があり、外を眺めることができる。ここからの眺めはなかなかいいが、できれば窓をもう少し大きくしてほしかった。まあ、観音像だから仕方がないが。



 観音像から出て、裏手にある「加賀三十三間堂」へ。それほど期待していたわけではなかったが、入ってびっくり。ここは凄かった。しかし、残念ながら写真撮影禁止だったので、内部の写真はない。

加賀三十三間堂

 まず、建物の半分に極楽を模したジオラマが作られている。建物の前にあった案内によれば、「釈迦八相や仏教伝播の情景が薄明の中に浮き出され、中空に視線を転ずれば全長40メートルまさに世界最大のスクリーンが展開して、シンセサイザーによる荘重な音楽ときらめく光彩の饗宴による観音浄土が出現いたします」だそうである。ここは、感度のいい人なら、しばらく眺めていればトリップできそうな感じだった。この雰囲気は、これ以上は文章では伝えられそうにない。

 そして、建物の残り半分は、「加賀三十三間堂」として金色の観音像で埋め尽くされている。全長約40メートル、最上段までの高さが13メートルというひな壇に、高さ1メートル60センチの千手観音立像が実に1188体!、25段94列にわたって安置されている。しかも、対面がすべて鏡張りなので、実際には2倍に見えるのである。最初に見たときは、その眩さと迫力に圧倒された。いや、これは本当に凄い。
 京都の三十三間堂も、できた当時はこんな感じだったのかもしれない。それにしても、この風景を写真で紹介できないのが残念。写真を見たい人は、都築響一著「珍日本紀行」(アスペクト刊)を見てほしい。



 続いて、梵鐘仏堂、金色堂、瑠璃光殿という3つの建物へ。(こちらは写真撮影禁止の表示はなかった)
 まず梵鐘堂には、鬼のような異形の仏様(パンフレットによれば「羅刹天」というらしい)に支えられた金色の大きな梵鐘が置かれている。

梵鐘

 金色堂には、金色の五百羅漢像が円錐状にうずたかく置かれている。この円錐の麓には水が流れていて、噴水などもある。天井のステンドグラスが、少しミスマッチ。

五百羅漢

 そして、吹き抜けの中央に金色の五重塔が置かれ、それをたくさんの仏像が囲んでいる瑠璃光殿。パンフレットによれば、「曼荼羅の世界を表現している」ということである。
 それにしても、百万石の地だけあって、どれもこれもかなりの金がかかっている。ずっと金色の世界ばかりが続いたので、最後にはなんだか満腹になってしまった。

 以上でエリア内のスポットをひととおり見て回ったので、名残惜しかったが加賀寺を後にした。



 加賀寺を出て、「ユートピアランド」の方へ行ってみた。ここは前述のとおり閉鎖されていて、入口はふさがれている。このまま取り壊されるのか、あるいは改装のため一時休業中なのかはわからなかった。

ユートピアランド

 「閉鎖された遊園地」というものかなり雰囲気のいいものである。入ってみたかったが、それは諦めて加賀温泉駅へ戻った。

 この「ユートピア加賀の郷」は、さすがに加賀百万石の地だけあってとにかく金色がテーマになっている。その中でも、眩いばかりの加賀三十三間堂は一見の価値がある。北陸を訪れた際には、ハニベ巌窟院とあわせて立ち寄ってほしいスポットといえる。

(2002.5.5)