恐山
八戸から東北本線を「スーパーはつかり」で野辺地へ。大湊線に乗り換え、下北交通との乗換駅、下北へ。JR東日本では最北の駅である。
ここから、下北交通で田名部へ向かう。下北交通は、第3セクターではなく地元のバス会社が引き継ぐという珍しい形で旧国鉄大畑線が生き残ったものだが、残念ながら2001年3月限りでの廃止が決まっている。
田名部駅近くの「むつパークホテル」で一泊し、翌日、恐山行きの路線バスに乗って恐山へ。途中の冷水(ひやみず)で5分ほど停車し、全員がバスを降りて冷水を飲んだ。この冷水は、「一口飲めば十年、二口飲めば二十年長生きし、三口飲めば死ぬまで長生きする」という。
やがて車窓に宇曽利湖が見え、恐山の総門前に到着。宇曽利湖は予想以上に広い湖だった。総門前で入山料の500円を払い、境内に入った。
境内はかなり広く、1時間以上かけて一通り見て回ったが、なかなかディープな雰囲気の場所だった。また、まだ山開き(5月1日)直後ということもあり、人はそれほど多くはなかった。
主な風景を下に載せている。
総門から山門、本道へ参道が続いているが、左へそれると硫黄の臭気がする殺伐とした風景が現れる。いたる所で石が積み上げられていて、私もそれに少し協力してきた。
「無限地獄」を過ぎたところに八角堂(写真左上)があり、中には故人の持ち物がたくさん納められていた。付近にはなぜかカラスがたくさんいて、いい雰囲気。
たくさんの赤い風車が回っている「水子供養納札所」を過ぎると、宇曽利湖に面した「賽の河原」に出て、そこから少し歩くと「極楽浜」に出る。この辺りは白い砂浜が続いていて、それまでとは一転して穏やかな雰囲気となっている。ここの東屋でしばらく休憩。
極楽浜を過ぎると、周囲は再び地獄になり、「賭博地獄」「重罪地獄」「修羅王地獄」「女郎地獄」など、実に恐ろしい(苦笑)地獄が次々と現れる。それらを通りぬけて再び参道へ戻ると、「イタコの口寄せ」と書かれた場所を発見。中を覗いてみると、イタコが霊を下ろしている最中のようだった。かなり興味はあったのだが、この時期はイタコは少ないらしく、順番待ちの人が何人も並んでいたので、結局諦めた。(ちなみに、口寄せ料は3000円)
また、霊場内にはいくつかの浴場がある。そのうちの「花染の湯」を覗いてみたところ、いかにも薬湯という湯の色でなかなか雰囲気が良かった。
この花染の湯の近くには、地中から湧き出した湯が流れ込んでいるらしい白濁した池があった。暗い空と明るい水面の対比が面白い。
今回の旅行では、人が多くなかったこともあり、ディープな雰囲気を十分に楽しむことができた。毎年、恐山大祭(7月20〜24日)と恐山秋詣り(10月9〜11日)には、各地から多くのイタコと観光客が集まるそうである。一度、そのときに来てみたいと思う。
総門前には「霊場アイス」の売店がある。少し寒かったのだが、珍しいので買ってみた。西原理恵子の「鳥頭紀行」では「ハンパじゃなくまずい」と書かれていたアイスクリームだが、私はそんなにまずいとは思わなかった。
それから、土産に「恐山銘菓・伽羅陀せんべい」を買い、バスで田名部駅へ戻って次の目的地「木造町」へ向かった。
(2000.5.6)
