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2005年2月28日
情報公開クリアリングハウスでは、コンピュータ合理化研究会共同で、日本各地の市民に呼びかけて、住基台帳の大量閲覧制度の実態について各地の状況の調査を行って来た。その調査を通じて、制度の根拠となる住基台帳法の規定の解釈や運用について疑問点が浮かび上がってきたことから、クリアリングハウスでは2005年1月31日に総務省市町村課に対して9項目からなる「住民基本台帳法に関する質問事項」を送付し、回答を求めてきたところだ。今日、ようやく回答の運びとなり、総務省自治行政局市町村課住基台帳第一係(ないし第二係)と対面で話合いが行われた。
大量閲覧制度の根拠となっているのは住基台帳法第11条であるが、第1項で何人でも閲覧をすることができると定め、第2項で請求事由を明らかにすることを義務づけ、第3項で不正の目的等の場合は拒むことができると定めている。 しかし、どの程度具体的に書かれていれば請求事由を明示したことになるのか、請求事由の審査をどの程度行うべきなのか、不正の目的の場合拒むことができるとしてるが、どの程度確認をしていれば 不当な目的ではないとできるのかなど、具体的に自治体に課されている義務の範囲がよくわからない。そこで、今回はこうした細かい内容について質問を行った。 話し合いを通じて確認できたことは、法律上、閲覧申請の請求目的や閲覧した情報の利用目的について自治体には確認する義務があるとまではいえないということだ。ただ、閲覧の請求目的については、実際に記入されている内容は「DMの送付」「教材案内」など実際にはかなりあいまいな表現が多く見られるが、それについては具体的に記載する方が適当であるとの見解。また、閲覧申請者についても、法人登記簿等による本人確認については、きちんとすることが適当とのことだった。 しかし、どの程度確認することがよいかについては、市町村長の判断に委ねられていることから、あいまいな請求目的であっても、閲覧申請者の確認を十分にしていなくとも、違法ではないということになる。また、不正な目的の場合は閲覧申請を拒むことができるとしているものの、法律上、自治体には請求目的を確認する義務があるとはいえない以上は、十分な確認をせずに不正な目的に使われたとしても、自治体としての瑕疵はないというになるだろう。 また、法は閲覧者が書き写して持ち帰った個人情報の利用について、追跡することや、消去・廃棄等についての確認をするなどは求めていない。閲覧申請時点での申請目的が不当なものでなければ、出て行った個人情報についてはその申請目的で利用されているということがすべての前提になっている。その一方で、住基台帳法50条は偽りその他不正な目的での閲覧については過料に処することになっている。閲覧申請の時点で不審な目的を記入する申請者がいるとは思えない。また、閲覧申請目的や利用目的を確認することが自治体に義務づけられていないとすると、閲覧後の個人情報の利用状況で申請目的と異なる利用をしていることで確認できない限りは、過料の対象となる問題事例がおこっているかは確認できないことになる。 一見、住基台帳法には大量閲覧制度について必要な定めが設けられているように見えるが、相互の関係を見ると、それらの定めが有機的に機能するようには読めない。また、今回の話し合いで、十分に疑問が解消されたとはいえない。 しかし、具体的な運用は市区町村長の判断に委ねられてることは確かである。商業目的の大量閲覧を事実上認めていない自治体もある。自治体の運用を厳格にし、住民の個人情報を守る運用を実現することが、自治体に課された課題である。 話し合いの内容についてはこちらを参照。
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