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監督:ジャン=ピエール・リモザン(1998)出演:武田真治、吉川ひなの、杉本哲太、大杉連、水島かおり |
下北沢を舞台にした、少女HINANOとまっすぐ玉が向かわないように細工したピストルで自分の気に入らない相手を脅す少年Kの、不思議なラブストーリーです。神経質な少年Kを武田真治がすごく繊細に作っていて、感動しました。ひなのちゃんもかわいかった。フランス映画だから、ときどき妙に哲学じみたことをひなのちゃんが口にしたりして、ときどきつっこみたくなりましたが。
フランス映画祭で見損ねたので、公開を心待ちにしてました。本国フランスでは、今までにフランス人が知らなかった日本を描き出した、ということで評価が高いようですが、日本人の目から見ると、必ずしもそうとは言えない気がします。昔からあるような飲み屋の看板や、築20年くらいのモルタルアパートなどが映画に登場します。どれも、今の日本から消えつつあるパーツばかり。もちろん、浅草寺の雷門や東京タワーが出てくるよりは、ずっとリアリティがあるけれど、1998年の東京である、という表現は、ちょっと納得しがたいところがあります。確かに、欧米からみた日本という意味では、ずっと進歩してるんですけど。パンフレットの中で、不夜城の歌舞伎町をけなす表現が入っていたけれど、TOKYO EYESを誉めたいばかり誇張して書いている感じがして、不快でした。
批判めいてここまで書いてきましたが、実はかなり気に入ってます。ひなのちゃんは今までちょっと苦手だったけど、映画で動いているところは、CMで見るよりもずっとキュートでした。彼女を含めて、いまの10代の女の子って、制服やプライドやブランドみたいな殻を全部はずしたら、人間的にはすごく素直で子供なのかなと思ったりしました。でも、何よりも武田くんの、傲慢なようで傷つきやすい少年がよかった。後半に、ビートたけしさんが役者として登場しますが、ほんとうに存在感のある演技で、リアルな日常を思い起こさせます。チンピラやくざが、自分は下っ端だからピストルをもらえないとぐちるくせに、いざ手にしてみても持て余してしまうところなど、自分の身に置き換えると心情的につらくなったりします。
最近のフランス映画って、文化村でやる大がかりなドラマ系または芸術作品系を好む30代以降の女性か、フランス的にかっこいい映像が好きな人しかみない構図になっていて、あまり一般受けしていません。こんな客の入りでは、いつか公開がなくなっちゃうんでは、と先行きが心配なのですけど、今回は大学生くらいまでの若いカップルか、若い女性の2人連れという、いつもと違う層が見に来てくれていました。個人的に、すごくうれしかった。こういう層を引きつけられるフランス映画、もっと増えてほしいものです。(98.11.22)
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