地雷を踏んだらサヨウナラ One step on a mine,it's all aver

☆☆☆  たまにはこういう素直な映画もいいかもしれない。(99.11.01)


監督:五十嵐匠 IGARASHI Show(1999)

出演:浅野忠信 ロバート・スレイター ソン・ダラチャカン
川津祐介 市毛良枝 羽田美智子

「チームオクヤマスペシャル」として、東京ファンタスティック映画祭で上映されました。浅野くんのほか、五十嵐監督と奥山プロデューサーも来場。

1970年代、内線に揺れるカンボジアにある日本人・泰造がいた。戦地で写真を撮って通信社に売り込み、内容に応じてギャラを受け取るフリーのカメラマンだ。同じカメラマンが処刑現場などを撮って、6千ドルものギャラを手にするものもいたが、ツメのあまい泰造の写真は10ドルにしかならない。お金がない泰造には、現地の友だちや子供たちがなによりの味方だった。

あるとき、泰造は通信社で占領軍の本拠地であるアンコールワットの写真を撮ったら2万ドルになると聞く。これでピューリーツァ賞は自分のものだと意気込むが、それまでにも何人ものカメラマンがアンコールワットに向かって行方不明になっているという、高い値がつくだけの場所なのだった。さっそくアンコールワットに向かう泰造だったが、壁は想像以上に厚かった。遠くからアンコールワットを写しただけで、厳しくフィルムを取り立てられ、挙げ句に国外追放となってしまった。隣国のベトナムに潜んで写真をとり続けながらも、アンコールワットを忘れられない泰造は、なんとか再度の突入をもくろむ。

あらすじから見ると真面目な戦争ドキュメンタリーっぽいですが、シリアスすぎる感じはしません。主人公泰造の性格が明るく人好きのするキャラクターであることと、恋愛や子供の笑い声のような、人生の楽しい部分がたくさん織り込まれていて、むしろ、すがすがしい感じ。どんなめにあっても自分の夢に向かっていくキャラクターなのに、熱血野郎でもただの自分勝手野郎でもないんです。周りの人を大切にしながらも自分のやりたいことは曲げない、とても芯の強いひとです。それを、浅野くん的な自然体で演じているところが「すがすがしい」わけです。

構造としては、ツボをおさえた王道ものです。友情あり恋愛あり、感動あり涙あり、です。後半、ちょっとあざといなー、涙誘ってるでしょーというシーンが気にはなるのですが(個人的にね)、思っていたよりずっと後味のいい映画でした。わたしは、非現実ちっくな役の浅野くんが好きなんですが、こういう、人間味のある素直な役も、味があってよかった。(99.11.01)


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