スパイシー・ラブ・スープ Spicy love soup

☆☆☆☆☆  等身大の中国ってこんな感じ?(98.11.14)


監督:チャン・ヤン 張揚(1998)

出演:リュイ・リーピン呂麗萍 プー・ツンシン[さんずい+僕]存[日斤]
シャオ・ピン邵兵

98年東京国際映画祭コンペティション部門のクロージング昨品。中国本土の作品です。いままで日本で公開された本土ものの映画というと、チャン・イーモウ、チェン・カイコー監督などに代表される重厚なタッチの作品が多かったですが、本作はそのイメージを覆すような、軽快な作品です。庶民的な視点で北京の普通の人の生活を描いたもので、北京の一般の人の生活が等身大に見えてきます。一見、東京と変わらないような気もするのですが、よく見ると家の作りとか、役所の手続きとか、やっぱり日本とは異なる情景が見えてきて、新鮮です。

北京で暮らすいくつかのカップルのラブストーリー。オムニバスというほど独立していません。両親の元に結婚の承諾をもらいに行こうとする若いカップル、中学生くらいの男の子が白いワンピース姿の女の子に自作のカセットテープをプレゼントする話、街でたまたま見かけた女の子にカメラを向けたところから始まる恋物語、離婚寸前の夫婦をつなぎとめようとする一人息子の奮闘、定年退職した看護婦がTVの恋人募集番組に出演して老後のパートナーを捜そうとする話など。

配給元が決まっているので、一般公開やビデオ化が期待できそうです。内容をよく知らずに見に行ったのですが、今回の映画祭の中で一番大当たりの作品でした。元気がほしくなったときに、観てほしい映画です。見終わった後、ちょっと優しい気持ちになります。


●上映後のティーチイン内容

☆今日の上映についてどう思うか?
前に上映された回では、会場も小さかったせいか、音響が今ひとつでした。ここの会場はすべて素晴らしく、北京など他で上映された会場の中で一番いい音響で観てもらえたと思います。

☆台湾のロックレコードとの関係は?(エミール・チョウ、ジョナサン・リーが出演したり、カレン・モク、ターシー・スーなどの歌が使われたことに対して)
(プロデューサーが返答)彼らは僕の友人です。脚本を見せた段階から、彼らはこの作品を気に入ってくれて、時間があれば出演してくれることになりました。

☆影響を受けた映画監督は?
特定できる人はいません。中国の監督はほかの人もそうだと思いますが、香港の映画監督から影響を受けているわけではありません。

☆次作はどんな映画?
次作の内容はまだ決まっていませんが、本作と同じように一般の人を熱かった映画になると思います。中国では検閲がありますが、それを自分では足枷とは思っていません。これからも中国で公開できる作品を作っていきたいと思います。

自国で公開できる映画を、というくだりにわたしは感銘を受けました。お金と機会があれば、外国に進出したいひとばかりではないのですね。こういう考え方ってすごく好き。ずっと応援していきたい監督の1人です。(98.11.14)


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