季節の話題     漢方の知恵袋バックナンバー  腰痛対策その1(主にぎっくり腰)


不覚にも、いつになくひどい腰痛を起こしてしまいました。
患った者だけが知るこの苦しみ。経験者が語る腰痛の漢方養生法。主にぎっくり腰についてです。


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┃ぎっくり腰の経過と漢方薬(血流改善を中心に)
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1)初期

タイプ1:
重いものを持ったり無理な姿勢で作業したりと、腰に無理をかけると、あっという間に強い痛みに襲われる。
腰骨の付近やその周辺(背中、脇、お尻、ももなど)の張り詰めた激しい痛みがあり、前にも後ろにも動かせない。
固まったまま、だれにも触られたくない。
これは腰の、無理をかけた部分で激しく気血の流れが妨げられために起こると考えられ、すぐさま理気活血してそのつかえをとると比較的改善が早い。(たとえば通導散など)

タイプ2:
寒い、雨が降っていたなどの条件下では、さほど腰に負担をかけた覚えが無いのに、激しい痛みに見舞われることがある。
タイプ1よりもじわっと発症することが多く、例えば次の日に起きようと思ったら激痛で強張って動けないという状態。
痛みはぎゅーっと凝集するような感覚で、とにかく重くて動かしづらい。腰部から足へと下に向かって痛みが広がり、しびれを伴うこともある。
この場合は温めることが必要。
(たとえば桂枝加朮附湯、よく苡仁湯 苓姜朮甘湯 疎経活血湯など)

2)中期

初期手当てが足りない場合は、慢性化してくる。
初めの頃より痛む部分がはっきりしてくる。昼間は僅かに楽になったかと思われても、夜になるとやはり痛みは激しい。
この場合は、まだ血流が改善されていない状態と考えられ、下半身の活血効果が高い処方を用いる。(たとえば桂枝茯苓丸や折衝飲など)

この間にも、冷えや湿気の影響を受けて回復が妨げられることも多く、例えば天気が悪い、冷房に当たりすぎたなどで、再び悪化することがある。
その場合は疎経活血湯を利用したり、寒湿をとり除く処方と組み合わせたりする。

また、例えば仕事中に痛みが酷くなるかと思えば、ふっと和らいだりして、自分でもどんなときに悪化するのかよくわからないということもある。
痛み具合いに変動があり、腰から脇にかけて張り詰めていて、体のやり場がない感じ。
このような場合は、体全般にわたって気血の流れをスムーズにすると緊張がほぐれて楽になることが多い。(たとえば加味逍遥散や血府逐お丸など)

3)後期

だいぶ回復してきたと思うものの、腰から下が疲れやすく無理をするとすぐさま悪化しそう。
前から腰痛持ちだという場合は、十分に筋骨を養っておくことが必要。

腰痛や足痛、関節痛を持っている人はよくこむら返りや足の指がつったりすることがある。これは、筋肉に血液の栄養がいかなくなってけいれんを起こすため。
中医学では、「肝は筋を主る(つかさどる)」「肝は血を蔵す」といって、筋肉を養うためには肝血を補うことが必要といわれ、そして足腰骨など下半身の充実は、腎(じん)に由来する。まさに腰は肝腎要(かんじんかなめ)の部分というわけです。

血行が停滞しないようにしながらも補血補腎の処方で、体質強化を図っておくことが必要。
(独歩丸(独活寄生湯)、十全大補湯 婦宝当帰膠そして金匱腎気丸、至宝三べん丸、参茸補血丸などの補腎剤等)
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┃「虫」で通りを改善する
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大地をたくましく這い回る虫は、体の経絡をもぐいぐい這い回って、滞った部分の流れを良くしてくれるだろうと考え、食べてみた昔の人はえらいと思う。

アリやミミズ(地竜)は、痛みに良く用いられる。その他サソリ、ムカデ、カイコ、蛇なんてのもある。

ぎっくり腰の痛みは腰部を中心に痛みが居座って、つかえている感じがある。
実際、ミミズやアリを漢方薬と併用すると、つかえがすっととれて流れ去るような爽快感が感じられる。気持ち悪がらずにぜひ試してみて。
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┃生活養生
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痛みが強い場合は、病院薬などの鎮痛消炎剤も活用すべき。受診してレントゲン検査等もきっちり行っておくべきです。そして漢方養生で根本の改善を進めましょう。

安静:まずは筋肉疲労や体全体の疲労を解消しなければ、回復は困難。無理せず休暇をとって安静にすること
動くときはコルセットで支えて筋肉に負担をかけないようにするただし、ときどき緩めて血行を妨げないように。

冷やさない:衣類の工夫(ズボンをはくなど)やひざかけなどを利用して筋肉が緊張しないように心がける。
(まれに温めると痛みが増すという場合もある。この場合は冷やすシップを貼ってみる)
ビールやアイスクリーム、さしみなど禁止:冷たいものを食べ過ぎないこと

ここに紹介する情報はごく一部です。お近くに漢方相談をしてくれる薬局や医院があれば、是非じっくり相談して自分のタイプを判定してから用いる漢方薬を決めてください。

腰痛対策その1(主にぎっくり腰)
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vol.095 (2005/09/08)



【目次】
 1)ぎっくり腰の経過と漢方薬
  (初期、中期、後期別)

 2)「虫」で通りを改善
 3)生活養生



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 参照) 独歩丸


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 参照) アリ(益宝)




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