「腎虚」対策第四弾。 『腎』って、おしっこを作るところでしょ。 その通り。だけど「ミルク飲み人形」みたいに飲んだ水がそのまま下に降りておしっこで出てくるわけではありません。 これを中医学的に説明するとかなり込み入ったことになる・・・ でもそこに中医学の世界観みたいなものを感じることができると思います、きっと。 ┏━★━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃1 ┃「津液」は霧のシャワーのように全身に降り注ぐ ┗━┛ 「津液」とは、身体すべての水をさし、皮に在っては汗となり、肉に在っては血となり、腎に在っては精となり、口にあっては涎(よだれ)となり、目に在っては涙となる。 つまり「津液」とは、皮膚や臓腑、目、口、鼻、耳、舌、咽喉に潤いを与え、そして筋肉や関節、靭帯などを滑らかにして円滑な動きを保っている、身体に必要な栄養を含んだ水です。 この「津液」は、食べ物によって作られます。 食べ物を消化する臓器『脾』(ま、消化器系みたいなイメージ)によって作り出される『水穀の精微』(栄養素かな)から生まれた「津液」は、『肺』に送られそこから「全身に霧のように満遍なく降り注ぐ」と表現しています。 潤い成分が、霧のシャワーのように全身くまなく降り注がれている様子を想像すると満ち足りた気分になりますね。 で、この先どうなるか。ここで『腎』の登場です。 ┏━★━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃2 ┃「腎は水をつかさどる」 ┗━┛ その後、一部の不用になった水は、腎から膀胱に運び込まれ排泄されます。これがおしっこ。「不用になった水」は、老廃物を含んだ水を意味するでしょう。 『腎』は、おしっこをつくるに留まらず、さらに一部の津液を再利用するため『肺』に戻し、そしてその一部は皮膚から汗として排泄すると表現されています。 無理やり現代医学的に言えば、腎のホルモン系とか自律神経系の働きを表現しているともいえますが、中医学的にはあくまで、「腎は、脾、肺と協力し合って、水の代謝を統括している」のです。 身体の水がコントロールされていることを実感する現象として、たとえば、暑い時は汗がたくさん出て、その分、尿の量が減り、寒い時は汗腺が閉じて汗をかかなくなる代わりに尿がたくさん出ます。 そこらを見張っているのが『腎』というわけです。 ┏━★━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃3 ┃不用な水がたまってむくみが現れる ┗━┛ だから『腎』が弱ると水の配分に失調をきたし「汗をかきにくい」「尿が少ない」「尿に勢いがない」となり、不用な水が体内にたまって「むくみ」が現れます。(この状態を腎虚水泛といいます) 顔や身体全体がむくみますが特に下半身のむくみが甚だしく、むくみは押しても戻らないのが特徴です。 そして不要な水の停滞は、体内の様々な機能の妨げとなってしまいがちです。 経験的には、身体が冷えやすく、高齢な方や無理なダイエットを繰り返して栄養が偏り体力低下が甚だしい人などにしばしば観られます。 ┏━★━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃4 ┃養生と漢方 ┗━┛ 塩っぱいものや味の濃いもの、辛いもの、タバコ、酒などの刺激物を避け、規則正しい生活を心がけ疲労がたまらないようにします。 無理なダイエットなど栄養不良が原因である場合は、味を薄めにしますが、バランスの良い栄養内容を心がけてください。 胃腸が弱く身体が冷えやすい場合は、生ものを避け、火を通したものを食べるようにします。 補腎剤の「牛車腎気丸」や「真武湯」「六味丸類」を症状に応じた処方に組み合わせて用いるとよいでしょう。 ここに紹介する情報はごく一部です。お近くに漢方相談をしてくれる薬局や医院があれば、是非じっくり相談して自分のタイプを判定してから用いる漢方薬を決めてください。 |
尿が少なく、むくみやすい <腎虚その4> vol.91(2005/05/26)【目次】 1)「津液」は霧のシャワーのように全身に降り注ぐ 2)腎は水をつかさどる 3)不用な水がたまってむくみが現れる 4)養生と漢方 漢方目次 お問い合わせ メールマガジンお申し込み ![]() |