| 夏場は暑さで体表の毛穴が開き、皮膚呼吸や老廃物の排泄が盛んにおこなわれていましたが、急に涼しくなると、体温を維持するために、表皮は閉じてしまいます。
すると、その分の負担が鼻や気管にかかるようになり、鼻炎(くしゃみ、鼻水、鼻詰まり)やのど風邪、咳や喘息など「肺系」の疾患が現われやすくなります。
また、急に毛穴が閉じることで、老廃物が表皮近くに取り残され、吹き出物になったりもします。
● 対策法:肺を守る
1)鼻呼吸
鼻は、いわば清浄機と保温機のついた換気口です。
外気を、きれいにして体への刺激を和らげてから、体内へ送り込む部分で、大切な肺を守っています。
口をあけて呼吸すると、汚れと冷気が直接肺の奥まで入ってしまうので、肺を痛め易く、感染症も起こしやすくなります。アレルギー体質の原因になることもあります。
鼻詰まりの人は難しいのですが、できるだけ漢方薬などで鼻詰まりを改善して、鼻で呼吸することを心がけてください。
慢性鼻炎の人も、始めは苦しいと思いますが、意識して鼻を使っていると、低下した鼻の機能がアップしてきます。
最近、噛む力が弱くなった子供は、ちょっと力を抜くと(テレビを見ているときなど)口がポカンと開いてしまうようです。
知らず知らずのうちに口呼吸になっています。
鼻を使わないと、鼻の機能が低下して慢性鼻炎が治り難い体質になったりします。
2)入浴
ゆったりと湯船につかり体の芯まで温まり、気持ちよく表皮を開いてやりましょう。
鼻や肺の負担が軽くなります。
ハーブをいれてその香りで、鼻の通りを良くすることもできます。 入浴剤をいろいろと楽しむのもいいですね。
お風呂上りは、湯ざめに注意。
アイスクリームやビールなど体を冷やすものを控えましょう。
3)バンダナ
冷たく乾燥した空気が肺に侵入しないために、首にバンダナを巻くのがおすすめ。結構、保温効果があります。
咳が出やすいときも是非試してみてください。おしゃれな養生法です。
「スチュワーデス巻き」という呼び名もあるスチュワーデスさん。 きっと、バンダナは飛行機内の乾燥した空気から肺を守る必需品なのではないでしょうか。
4)梨
前号でも紹介した、今が旬の梨。体を潤し、炎症を和らげる働きがあります。
梨のホットジュースは咳止めや痰切り、のどや鼻のカサつき防止、さらに口内炎や舌炎にもよいです。
5)禁酒禁煙
肺と胃腸系の粘膜への刺激を減らす努力が必要です。
6)漢方療法
◆葛根湯加辛夷川キュウ」(かっこんとうかしんいせんきゅう)
後頭部から後背部、肩のあたりが凝りやすく、鼻詰まりやくしゃみがある場合に良い
「葛根湯」に辛夷と川キュウを加えて、血行を良くして脹れむくみを解消しやすくしたもの
。
ちなみに「葛根湯」は、これからの時期に増えてくる寝違え(夜間の冷え込みで首や肩が冷やされて起こる)にもよく効きます。 温湯で服用 ◆参蘇飲(じんそいん)
ふだんから胃腸が弱かったり、体力虚弱の人または風邪を引いたりするとすぐに食欲が落ちる人に向いている漢方薬 鼻詰まり、鼻水、痰のある咳などに。温湯で服用 ◆小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
水っぽい状態。くしゃみ、鼻水(透明でさらさらしている)が盛んに出る。寒気がするという人に。 温湯で服用 ◆鼻淵丸(びえんがん)
慢性的に鼻詰まりが強く苦しい、鼻をかむと黄色い鼻汁が出る、のどが渇き水を飲みたがる人に。
◆バリアの力を強化する黄耆(おうぎ)
衛益顆粒(玉屏風散)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)など
慢性化してなかなか治らない人、夏ばてを引きずってしまうタイプなどに。
体が重い、だるい、むくむことがある。ものを言うのが億劫。 頭痛、めまい、立ちくらみなどが出ることがある。 食後眠い。 内臓が下垂気味。
などの症状がある人に。
このような症状のある人は、「気(エネルギーと粘膜や皮膚のバリア能力)」が不足している体質なので、すぐに再発しやすく、また治り難い。
体質を強化するために、上記の漢方薬と併用するかまたは上記の漢方薬で激しい症状が落ち着いたら、「補中益気湯や衛益顆粒」で養生を続けると、丈夫な体質になる。
◆粘膜の潤いを補う対策も忘れずに(秋冬のかゆみ)
ここに紹介する情報はごく一部です。お近くに漢方相談をしてくれる薬局や医院があれば、是非じっくり相談して自分のタイプを判定してから用いる漢方薬を決めてください
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