陰虚(いんきょ)について(潤いの海)

生物の進化の過程で、海から陸へと進化した大きな鍵は、皮膚というバリアを獲得し、陸上でも「海」を体内に維持することができようになったことだそうです。
もしもその海が消耗すると・・・

1)静かで潤っている海

体内の「海」は栄養に満ち細胞一つ一つを潤し、スムーズな機能が行える状態を保っています。
そして「海」は体のラジエーターの役目も果たしています。
活動すると温度が上がりますが、これをうまく冷まして恒常性を保っているのです。

そして、昼と夜の体内の活動をイメージすると、昼間は体内を活発に巡っていた「陽気」が、夜は「静かの海」に戻って、活動がひんやりと鎮まり、静かな眠りにつくといった感じです。

2)海が消耗すると(陰虚の症状)

中医学では、この「海」を「陰分」と呼びます。「血」もこれに含まれます。海が消耗した状態を「陰虚(いんきょ)」といいます。

◆まず、潤い不足が皮膚や粘膜で現れます。

唇や口、のどの乾燥 水分を良く飲む
鼻が乾く
目の乾燥
皮膚がかさつく など  参照)気陰両虚

◆過労、睡眠不足、慢性病、胃腸虚弱などによる痩せ、老化などによってさらに「海」が消耗し浅くなると、十分にラジエーターの働きを果たすことができなくなり、熱感が現れるようになります。

手足のほてり(特に手のひらや足の裏)
寝汗
のぼせ、微熱感、イライラ
頬部の紅潮  など

◆人によって体の弱い部分に不快症状が現れます。

寝つきが悪い 夢をみて寝た気がしない すぐ目が覚める
不安感 健忘 動悸 耳鳴り 頭がふらつく 
頭痛 目の充血
渇いた咳 声がしわがれる 声がかすれて出ない
渇いた吐き気 胸焼け 食欲不振
便が硬くコロコロしている 習慣性便秘 老人性便秘
男性では性欲亢進するが精液が少なく快感がない
女性では月経過少、周期不定、不正出血 など

)(漢方対策例1)中高年の皮膚のかゆみ

60代男性。膝から下が、紅く魚の鱗のようにゴワゴワし、梅雨時は、しっとり湿っているような状態にもなり、かゆくてたまらないとのこと。
1年前当初は、消風散を使ってみたいとのことでしたが、秋からは乾燥するので、陰分を補う「六味丸」を一緒に服用していただきました。
その結果、回復は早まって、今では梅雨時でも「六味丸」だけで肌状態は良好。老化予防もかねて「六味丸」は継続中です。

)(漢方対策例2)婦宝当帰膠を服用していたら眠れるようになった

50代女性。耳鳴りに悩まされ、補血対策として「婦宝当帰膠」を服用していたら、以前より寝つきがよくなり、夜間の耳鳴りがあまり気にならなくなっていることに、ふと気がついたとのこと。
いわく「この漢方、眠れる成分も入っているの?」
陰血が養われて、イライラもおさまり、治る力がアップしたのでしょう。

)(漢方対策例3)不妊症対策で
卵胞の発育(低温期)状態がスムーズでなく、低温期が長引きがち。口が乾きやすく、目も疲れやすいとのこと。
卵子を育てるためには、たっぷりの陰血が必要。「婦宝当帰膠」と「杞菊地黄丸」を服用していただいたら、低温期の状態が安定し、14日くらいで排卵するようになりました。

ここに紹介する情報はごく一部です。お近くに漢方相談をしてくれる薬局や医院があれば、是非じっくり相談して自分のタイプを判定してから用いる漢方薬を決めてください

潤い(陰虚)について
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vol.079 (2004/10/04)



【目次】
1)静かで潤っている海
2)海が消耗すると(陰虚の症状)
3)中高年の皮膚のかゆみ(対策例1)
4)婦宝当帰膠を服用していたら眠れるようになった(対策例2)

5)不妊症対策で(対策例3)


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