小学校/体育・健康/6年生
初めての着衣水泳の授業
TOSS福井 村田正樹のホームページ
6年生。教師も子どもたちも初めての体験だった着衣水泳の授業。水に浮くことと、助けを呼ぶことを軸に、授業を組み立てた。また、保護者からは、「自分で自分の命を守ることを教えて下さって感謝しています」という声が届いた。原実践者 村田正樹。(C)TOSS福井
授業時間は30分程でした。天候に恵まれず、水温、気温ともに低い中での実践でした。あとで子どもの感想に、「服を着ていたから、寒さをあまり感じなかった」とありました。着衣のままでいると、体温が奪われにくいということも感じていたようでした。授業では扱わなかった内容ですが、子どもたちはしっかり学んでいるようです。
1 着衣のままで水に入る。
シャワーを浴びた子から、服を着させていきました。 プールサイドに腰掛けさせ、足から順に水につけさせていきました。足をつけたら、今度は胸に向かって水をかけさせていきました。「だんだん重くなっていく」と感じたのか、声を上げて嬉々としていました。
着衣が十分に水を含んだと感じたので、入水の指示を出しました。
入水後、プールの横から横までを歩かせました。最初は腰まで浸かったまま、次は肩まで浸かって、全部で2往復しました。今度は同じコースを、得意な泳ぎ方と2番目に得意な泳ぎ方で、それぞれ泳がせました。
2 着衣のままで水に浮く
全員を集めました。
| 発問1 水に浮いてみましょう。どんな格好をすると、水に浮きやすいですか。 指示1 自分で確かめてごらん。 |
指示と同時に、伏し浮きをしようとする子が圧倒的に多かったです。そんな中、膝を曲げ、その膝を抱えるようにして浮く(だるま浮き)格好の子もいました。背浮きを始める子もいました。様々な格好が見られたのですが、長い間浮くことができていたのは背浮きを行っている子でした。 上手な3人に、実際にやってもらいました。「10秒浮けるかどうか、みんなで数えてみましょう」と言うと、周りにいた子たちは一斉に数え始めました。5秒ぐらいで沈んでしまう子、7秒ぐらいまでがんばれる子、「10」と同時に沈んでしまう子と様々でした。
| 発問2 3人の浮き方に共通しているのはどんなことですか。 |
「空を向いている」、「あごが上がっている」、「背泳ぎみたいな格好や」。学年の子全部がいるので、反応も早いが表現もバラバラ。ここで、「背浮き」を教えました。
「背浮きで10秒浮くようになるといいね」と話し、挑戦させました。
しかし、これがなかなか上手くはいきません。3秒もすると、口が水中へと引き込まれていきます。足を着いては、再び挑戦する姿が何度見られたことでしょう。
この時、腹側のTシャツが膨れたまま、背浮きになっている子が目に止まりました。「これは大事だ」と直感した私は、活動を止めるように指示しました。
| 発問3 シャツをズボンから出していた方が浮きやすいですか。それとも、ズボンの中に入れていた方が浮きやすい ですか。 |
自分でやって確かめるように指示しました。確かめさせると、ズボンの中に入れていた方がいいという子が多かったです。ズボンのゴムなどにより空気の逃げ道がふさがれるからでしょうか。
3 浮き具を使って浮く
背浮きの大変さにも十分に気が付いたと思ったので、ペットボトルをプールに投げ入れました。
| 指示2 ペットボトルを使って、長く浮かんでいられる方法を考えなさい。 |
こういう活動は、6年生の知的好奇心をくすぐるのか、3分間があっという間に過ぎていきました。 Tシャツの背中側にペットボトルを入れて浮いている子、どの方法も上手くいかず、どうすればいいか途方に暮れている子、2人で一つのペットボトルで浮こうとしている子、いろいろでした。
私は、お腹の上にペットボトルを置いて、それを両手で抱える方法を教えました。このような浮き方をやっていた子も何人かいたので、お手本とさせました。1分間浮き続ける練習をさせました。
あとで聞いたのですが、頭の後ろ側(首の付け根辺り)にペットボトルを置く方法を考えた子もいたそうです。この方法を見落としていたのは、私のミスでした。
4 浮いたままで、助けを呼ぶ
ペットボトルを使って、随分長く浮けるようになりました。そこで、最後の段階です。全員を集めました。
| 指示3 水に浮かんだら、大きな声で助けを呼ぶのです。「助けて」と、大きな声で叫びなさい。助 かる かどうか、先生が判定してあげます。 |
5人ずつ、一度に評定していきました。「助けて」と叫びながら、どんどん沈んでいく子、大声で最後まで叫びきる子、声を上げる間もなく沈んでいってしまう子。大事な場面なのですが、なぜか笑いもあって、楽しい雰囲気で進んでいきました。
入水している子全員が終わったので、最後に水中で着衣を全て脱ぐように指示して、着衣泳を終えました。