小学校/体育・健康/5年生

               着衣水泳 2000年度の授業記録
                                              TOSS福井  村田正樹のホームページ


実施学年: 5年生(95人)
準 備 物 : 長袖シャツ(薄手)、半ズボン、ペットボトル1本(サイズは2リットルから140mlまで)、スーパーの袋、靴下
指導時間: 45分


 シャワーを浴びた子から、プールサイドで服を着させた。空は快晴だったが、朝夕の冷え込みがたたり、水温はそれほど高くはなかった。
 全員が服を着終えていたので、プールサイドに腰掛けさせ、足から順に水をかけさせていった。徐々に服が重くなっていく感覚が子どもたちにあったようだ。胸にかけ終わったら子から入水。
 まずは、プールの横を往復させた。最初は歩かせた。普通に歩かせたあと、肩までつかって歩かせた。
 次は、泳がせた。得意な泳ぎ方と2番目に得意な泳ぎ方で泳がせた。 
発問1 今度は水に浮いてみましょう。どんな格好をすると、水に浮きやすいですか。
指示1 自分で確かめてごらん。


 昨年度経験しているだけはある。背浮きをしようとする子が、圧倒的に多かった。
 背浮きをしている子の中でも、特に上手だったT君の浮き方を見させた。まわりで見ている子たちには、10秒数えるように指示した。T君は、見事に10秒間浮き続けることができた。
 背浮きのポイントとして、「あごを上げること」、「背筋を伸ばすこと」の2つを教え、3分間練習させた。
 途中,なかなか浮けないようだったので,次の発問を出した。

発問2 シャツは、ズボンの中に入れていた方が浮きやすいですか。それとも、出していた方が浮きやすいですか。

 これも自分で確かめさせた。結果、ほぼ半々に分かれた。ズボンに入れた方が、空気が漏れないため浮きやすくなると説明した。

指示2 10秒間浮いていられたら、合格です。友達とペアをつくって挑戦してごらん。

 しかし,背浮きで10秒間浮かんでいられる子はほとんどいなかった。




 全員を集めた。

指示3 何もなしで浮いているのは大変でしょ。ペットボトルを使って、長く浮かんでいられる方法を考えなさい。

 ほとんどの子は1.5リットル〜2リットルのペットボトルを使っていた。ペットボトルをお腹の上に置いて抱きかかえていたり、あごや腰の下に入れていたりしていた。服の中に入れている子もいた。
 大きなペットボトルが多い中、500mlのものを使っている子もいた。
「500mlのペットボトルで、浮くことができるでしょうか?」
 ほとんどが浮けないと考えていたが、ひざの裏に挟めば浮かんでいることが出来ることを発見していた。
指示4 自分が持っているペットボトルを使って、長く浮いていなさい。30秒間浮いている子ができたら、とりあえず合格です。

 一斉にスタートさせた。私が1秒ごとに時間経過を読み上げていった。
 シート静まりかえったプール。10秒を過ぎた辺りから、足を着いてしまう子が出てきた。15秒,20秒と経過するうちに,水面から肩が出している子の姿が目立ち始めた。30秒間浮き続けることができたのは、3分の2ほどだった。
 以下は、村田斎先生の追試である。
 全員をプールサイドに上げ、教師の側に集めた。一人を指名し、プールサイドの水際に座らせた。
指示5 もしも着衣のまま水に落ちてしまったら、慌てず助けを呼ぶことが大切です。今から「助けて」と、大きな声で助けを呼ぶ練習をします。○○君、先生が軽く押すので、水に落ちたらゆっくり浮き上がって、「助けて」と大きな声で助けを呼びなさい。

 最初にやってもらったのは、Y君。ゆっくりと浮き上がり、大きな声で「助けて」と叫ぶことができた。「上手だ」とほめた。しかし、その後まもなく沈んでいった。
 もう1人、K君にもやってもらった。「助けて」の声が弱々しかった。「それでは助からないよ」と評価した。

指示6 ペアをつくり、「助けて」と呼ぶ練習をしてきなさい。

 あわてて浮こうとするので,せっかく浮いてもすぐに沈んでしまう。3分ほど、「助けて」の大きな声がプールに響き渡っていた。
 時間も迫っていたので、プールに入ったままで全員を集めた。私から一番離れている子に、おぼれている役をさせた。

発問3 おぼれている人を見つけました。さて、どうしたらいいですか。

 「ペットボトルを投げ入れる」、「スーパーの袋を投げ入れる」等の答えがあった。予想通りだった。
 ちょうど都合のいいことに、風が吹き始めていた。私は、おぼれている役の子に向かって、ペットボトルをオーバースローで投げた。案の定、風に押されて途中で落ちてしまった。念のため、2本目も投げた。結果は同じだった。

説明1 遠く離れていると、ペットボトルでは軽くて届きません。しかし、ある工夫をすると、遠くにとばすことができるのです。

 ペットボトルの蓋をあけ、少量の水を入れた。手に重みを感じたので、今度は下から投げ入れた。風に負けることなく、おぼれている役の近くにペットボトルは落ちた。
 スーパーの袋も同様に扱った。水を含ませれば、離れていても届けることができるのだ。
説明2 おぼれている人を見つけたとき、一番いけないのは自分から助けに行くことです。自分の命をなくしてしまうからです。近くに浮きの代わりになる物があれば、それを渡してあげるのが一番いいのです。
指示7 ペアで、浮くものを届ける練習をしてきなさい。


 空中を飛び交うペットボトル、こだまする「助けて」の声。ほんとはもう一つやりたいことがあったが、寒そうにしている子がちらほら見えたので、授業を終えた。

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