| 校外学習! 〜続々「再び正露丸の日々」〜 とにもかくにも心配だった部活だが、6月からは朝練習も始まった。家を出るのは6時55分。shinはすべての準備をすませて、6時54分からテレビの片隅の「6:54」の表示をにらみながら秒読みを開始し、55分きっかりに家を出て行く。おかげで彼の朝練習については、心配したことがない。心配なのは、ギリギリまで支度にかからず、6時55分になって出て行くのかと思いきや「トイレ行ってくる」とか言い出す長男の方である。長男には、Shinの几帳面さをぜひ見習って欲しいと、心の底から思う次第である。 部活動保護者会にも参加した。実際に合奏している様子を見せてもらったが、shinは隣のセンパイを見よう見まねで、スタンドに固定されたシンバルを、マレット(ばち)でジャララララララ……と叩いていた。曲に合わせてクレッシェンド(だんだん音量を大きく)していき、最後は手で押さえて響きを止める、などというワザまで見せてくれた。なかなかイッチョマエである。 さて、6月になると校外学習がある。駅に集合して、班毎に先生のチェックを受け、切符を買い、電車に乗り、それぞれの計画に従って見学やら拝観やらして、また班毎に帰ってくるというイベントだ。こういう、いつもと違う日課の時には緊張する。本人じゃなくて、オヤが。 Shinはおそらく、今までひとりで駅まで行ったことがない。ひとりで駅まで行けるか、ハハは心配なのである。でも、中学生にもなってオヤがついていくのもなんだよなあ……と思っていたら、折良く同級生の男の子から「明日の、駅の集合時間の確認です」と電話がかかってきた。「××くん、駅まで誰かと一緒に行くの?」「いや、別に」「そしたら、shinと一緒に行ってくれないかな」ということで、××くんに同行を頼んだ。 さて、班によって「お弁当組」と「外食組」があるらしい。お弁当組は2000円まで、外食組は3000円まで、お金を持っていっていいことになっている。「アンタの班はお弁当? 外食?」とshinに訊ねると「おべんとう」とキッパリ言い放った。「ほんと? お弁当持って行くのね?」「もっていく」。 というわけで、私は朝も早よから起きてお弁当を作り、お金を2000円持たせて、××くんとの待ち合わせ場所まで同行して、××くんと合流したのを見届けた。 幸いお天気にも恵まれ、夕方shinは元気に帰ってきた。「どうだった?」「たのしかった〜」「そう、それはよかったね」なんて話しながら、カバンの中のお弁当箱を出すと……ずっしりと重い。中身そのまんま。食べてない!! 「お弁当、どうしたの?」「あー、たべなかっちゃったー」(←この表現に、本人が『ちょっとマズイな』と思っているフシがうかがえる) 「じゃあ、お昼ごはんはどうしたの? なにを食べたの?」「ひやしちゅうか」。 ……どうして冷やし中華??? お金は2000円しか持たせてない。外食したなら絶対、お金足りないはずだ。焦るハハ。「冷やし中華……いくらだった?」「380えん」。 ……380円? なんだ、その激安冷やし中華は。あわてて財布の中身をチェック。すると、財布の中にはコンビニエンスストアのレシートが。「なんで冷やし中華なのよ! あんたがお弁当持ってくんだって言ったんじゃないの!!」「あー、ごめんなさい」・・・ どうしてこんなことになったのかさっぱりわからないが「冷やし中華おいしかった?」と訊くと「おいしかった〜♪」と「♪」つきの答えが返ってきた。 おそらく、shinの班は外食組だったのだろう。お店に入って食べるんじゃなくて、コンビニでお弁当買ってそのへんで食べるんだけど。お弁当持って行ったんだから、自分は持参のお弁当を食べればよさそうなものだが、班の子がみんなでコンビニのお弁当買ってるから、自分も買ったんだろう。自分の食べたいもの選んで、買って、みんなで食べて、楽しかったんだろうなあと思ったので、許した。おかあさんには悪かった、って本人も思ってたみたいだし。 それにしてもお金が足りてよかったよ〜、と思いながら、一日炎天下を旅行してきた手つかずのお弁当を泣く泣く捨てたハハなのであった。 |