「シング・シング・シング」の部屋




「シング・シング・シング」とは?
スウィング・ジャズなどとも呼ばれる、ジャズが最も大衆的な人気と注目を集めていた時代を代表する名曲。
主に1935年前後〜40年代前半に全盛を誇っていたビックバンド・ジャズの中でも、絶大な人気を得て、“キング・オブ・スイング”と呼ばれたクラリネット・プレーヤー、ベニー・グッドマンのオーケストラが演奏して大ヒット。特に、1938年に行われたカーネギー・ホールでのコンサートではトリを務め、以降グッドマン・オーケストラの重要なレパートリーに。

元々は、トランペット奏者、ルイ・プリマの作曲したもの。それを、グッドマンお抱えのアレンジャー、ジミー・マンディが編曲して一躍ヒット曲に。その際に、中間部に、グッドマンの恩人、フレッチャー・ヘンダーソンのテーマ曲である、「クリストファー・コロンバス」のテーマが織り込んである。


どんな曲なの?

といっても、説明するのは難しいのですが・・・。いちばん有名な演奏は、1937年にRCAビクターに吹き込まれたものです。この演奏はトータルで約8分半あるわけですが、当時はSP盤ですので、片面には収まりません。そこで演奏を二つに分けて、前半の合奏部(Part1)をA面に、ソロ・パート(Part2)をB面に収録しています。

曲の作りも面白く、Part1ではテーマやリフなど、いくつかのメロディーを2コーラスくらいづつ演奏し、それぞれのメロディー間をドラム・ソロで繋いでいくという形になっています。したがって、この曲で一番美味しいのはドラマーという事になります。グッドマンの演奏では、名ドラマー、ジーン・クルーパが叩いており、このクルーパのプレイに憧れてドラムを始めた人も多いと聞きます。
Part2では、主にソロがフューチャーされており、オリジナルでは、T.Sax,Tp,Clが長めのソロをとっています。メンバーは、TS:ヴィド・ムッソ、Tp:ハリー・ジェームス、Clはもちろんグッドマンです。特にハリー・ジェームスのソロが素晴らしく、他のオーケストラで演奏するときに、ジェームスのソロをそのまま演奏することもあります。

余談になりますが、作曲者自身の筆になる、歌詞もあります。まあ、大した内容ではないようですが、ノリは良いので、ヴォーカル入りの演奏も面白いと思います。


なんで「シング・シング・シング」なの?

ジャズで一番好きな演奏は?と聞かれると困ってしまいますが、一番好きな曲は?と聞かれれば、「シング・シング・シング」と直ぐに答えることが出来ます。それくらい大好きな曲です。まあ、なんで好きなのかと聞かれると、僕自身もよく判らないわけですが・・・。

もともとジャズは全然聴かなかったのですが、高校生の頃、学校の吹奏楽部で「シング〜」を無理矢理吹かされた時に、興味を持ち始めました。
とても人数の少ないバンドでしたが、トランペットとパーカッションにジャズ好きの先輩がいて、いつも二人でいろいろな曲を演奏してました。で、「シング〜」の吹奏楽版の譜面を持ち出してきたわけですが、トランペット一人で吹いても面白くありません。イントロの部分から欠けてしまいますし、中間部のリフも、誰も吹いてくれません。そこで、トロンボーン吹きの僕が引っ張っていかれて、「お前コレ吹け」なんて話になりました。
でも、へたくそな僕は、リズムを取るのも一苦労だし、そもそもジャズのノリすら判りません。しようが無いので、「ニュー・サウンズ・イン・ブラス」の模範演奏を、譜面とにらめっこしながら、ウォークマンでいつも聴いてました。

最初は仕方なく聴いているような気分でもあったのですが、何回も聴いているうちに、だんだん面白く感じるようになって来ました。そこでジャズに興味を持ち初めて、判らないながらもいろいろ聴いてみると、ビックバンドが面白そうだ、という事になりました。あとは、自然と聴くジャンルも拡がって来ました。
当時、たまにやるNHK−FMのジャズ特集(5夜連続で、油井さんと児山さんの司会)を、エア・チェックしてました。楽器別などのテーマを決めて毎日2時間、主に名盤と言われるようなディスクを中心に、いろいろな演奏のCDを流します。解説が油井さんですから、ニュー・オーリンズ、スイングからハード・バップまで、いろいろなスタイルの演奏をかけてました。最初は、ビックバンド以外は全然面白いと感じませんでした。でも、巻き戻すのも面倒だし、まあいいや、なんて聴いているうちに、これも段々と面白くなって来ます。
音楽は、一度面白いと感じればしめたもの。あとは、自然といろんな演奏を聴きたくなってきますから。

そんな訳で、「シング〜」は、僕がジャズを聴くきっかけを与えてくれた曲です。今では、聴くのはモダン以降のものが殆どですが、それでも、たまにスイング・ジャズを聴くと、やっぱり楽しいな、なんて改めて思います。


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