ゴミムシ類の種別採集数から環境評価をしてみよう(ID-index)!
環境指標生物として使用を試みられる昆虫群は相当の数がありますが,その一つにゴミムシ類があります。
 しかしながら,これまで総合的に指標性を研究した事例はほとんどありません。
 ゴミムシ類は攪乱に対して「攪乱回避型の種群」と「攪乱後侵入型の種群」に分けられることから,ニッチ幅を計測して,それぞれの種の生息分布度を環境指標価Iiとして算出し,総採集個体数との割合から,「環境の攪乱の程度を表す指数値」,攪乱度指数-IDを算出してみましょう
(石谷,1996)。
 そのためには,色々な環境で同じ大きさで同じ数のピットフォールトラップ法(落とし穴法)を用いて,少なくとも春〜秋まで連続して落下したゴミムシ類を回収します(少なくとも2週間に一度は見回り,回収するのがいいでしょう)。トラップには,記号をつけておき,雨よけの屋根をつけるのがベストです。
 回収したものを同定し,環境別にそれぞれ種とその個体数を記録しておきます。

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 先ず,Excelで下表を参考にマトリックスを作成します。

学名 (下段和名) および Ii
1.Campalita chinense
エゾカタビロオサムシ 1
2.Carabus dehaanii dehaanii
オオオサムシ 1
3.Carabus japonicus chugokuensis
アキオサムシ 0.96
4.Carabus yaconinus yoconinus
ヤコンオサムシ 0.45
5.Leptocarabus kyushuensis
キュウシュウクロナガオサムシ 1
6.Damaster blaptoides blaptoides
マイマイカブリ 1
7.Nebria lewisi
カワチマルクビゴミムシ 1
8.Scarites terricola pacificus
ナガヒョウタンゴミムシ 0.78
9.Craspedonatus tibialis
オサムシモドキ 1
10.Asaphidion semilucidum
メダカチビカワゴミムシ 0.41
11.Bembidion trajectum
キアシルリミスギワゴミムシ 1
12.Tachyura fuscicauda
ウスモンコミズギワゴミムシ 0.68
13.Tachyura laetifica
ヨツモンコミズギワゴミムシ 0.5
14.Archipatrobus flavipes
キアシヌレチゴミムシ 0.55
15.Lesticus magnus
オオゴミムシ 0.43
16.Pterostichus haptoderoides
japanensis
トックリナガゴミムシ 0.39
17.Pterostichus longinquus
コホソナガゴミムシ 0.5
18.Pterostichus microcephalus
コガシラナガゴミムシ 0.61
19.Pterostichus planicollis
キンナガゴミムシ 1
20.Pterostichus polygenus
ニッコウヒメナガゴミムシ 1
21.Pterostichus rotundangulus
ヒメホソナガゴミムシ 0.5
22.Trigonognatha cuprescens
アカガネオオゴミムシ 0.53
23.Agonum chalcomus
アオグロヒラタゴミムシ 0.72
24.Agonum leucopus
タンゴヒラタゴミムシ 1
25.Dolichus halensis
セアカヒラタゴミムシ 0.26
26.Platynus magnus
オオヒラタゴミムシ 1
27.Synuchus arcuaticollis
マルガタツヤヒラタゴミムシ 1
28.Synuchus congruus
ヒメクロツヤヒラタゴミムシ 1
29.Synuchus cycloderus
クロツヤヒラタゴミムシ 0.64
30.Synuchus dulcigradus
ヒメツヤヒラタゴミムシ 0.62
31.Synuchus nitidus
オオクロツヤヒラタゴミムシ 0.73
32.Amara chalcites
マルガタゴミムシ 0.33
33.Amara congrua
ニセマルガタゴミムシ 0.59
34.Amara gigantea
オオマルガタゴミムシ 1
35.Amara macronota ovalipennis
ナガマルガタゴミムシ 0.53
36.Amara macros
イグチマルガタゴミムシ 0.99
37.Amara simplicidens
コマルガタゴミムシ 0.88
38.Anisodactylus punctatipennis
ホシボシゴミムシ 0.49
39.Anisodactylus sadoensis
オオホシボシゴミムシ 0.57
40.Anisodactylus signatus
ゴミムシ 0.48
41.Anisodoctylus tricuspidatus
ヒメゴミムシ 0.83
42.Harpalus capito
オオゴモクムシ 0.45
43.Harpalus chalcentus
ツヤアオゴモクムシ 1
44.Harpalus eous
オオズケゴモクムシ 1
45.Harpalus griseus
ケウスゴモクムシ 0.68
46.Harpalus jureceki
ヒメケゴモクムシ 0.68
47.Harpalus niigatanus
クロゴモクムシ 0.4
48.Harpalus platynotus
ヒラタゴモクムシ 1
49.Harpalus sinicus
ウスアカクロゴモクムシ 0.56
50.Harpalus tinctulus
アカアシマルガタゴモクムシ 0.35
51.Harpalus tridens
コゴモクムシ 0.46
52.Oxycentrus argutoroides
クビナガゴモクムシ 1
53.Acupalpus inornatus
キイロチビゴモクムシ 0.63
54.Anoplogenius cyanescens
キベリゴモクムシ 0.68
55.Diplocheila zeelandica
オオスナハラゴミムシ 0.5
56.Stenolophus iridicolor
ツヤマメゴモクムシ 1
57.Panagaeus japonicus
ヨツボシゴミムシ 1
58.Stenolophus propinquus
ムネアカマメゴモクムシ 1
59.Chlaenius abstersus
アカガネアオゴミムシ 1
60.Chlaenius inops
ヒメキベリアオゴミムシ 0.5
61.Chlaenius micans
オオアトボシアオゴミムシ 0.34
62.Chlaenius naeviger
アトボシアオゴミムシ 0.87
63.Chlaenius pallipes
アオゴミムシ 0.52
64.Chlaenius variicornis
コガシラアオゴミムシ 0.98
65.Chlaenius virgulifer
アトワアオゴミムシ 0.5
66.Epomis nigricans
オオキベリアオゴミムシ 0.38
67.Haplochlaenius costiger
スジアオゴミムシ 0.52
68.Aephnidius adelioides
トゲアトキリゴミムシ 1
69.Planetes puncticeps
フタホシスジバネゴミムシ 1
70.Brachinus scotomedes
オオホソクビゴミムシ 1
71.Pheropsophus jessoensis
ミイデラゴミムシ 0.45
 マトリックスの表に,1行挿入し,ある環境でピットフォールトラップ法で採集したゴミムシ類の個体数Nを入れます。
 表の一番右行に1行挿入し,NとIiを掛け合わせたものを計算させます。表の最下にこのN*Iiの合計を表示させます。この表にない種はとりあえず無視しておきます。
 採集個体数総合計も表示させます。この値を,N*Iiの合計で割ったものが,ID-index,ID値です。
 別の違った環境でピットフォールトラップ法で採集したゴミムシ類でも同様にID-indexを算出してみます。
 それらの値を,下の数値と比べてみます。

市街地 3.0〜
住宅地 2.5〜3.0
畑 地 2.4〜2.5
果樹園 2.2〜2.4
河川敷 1.4〜2.2
山 林 1.2〜1.4

 それぞれの値は,どのような攪乱の度合いを示したでしょうか?貴方の調べた環境の攪乱の程度はどの程度でしたか?また年度を変えたり,あるいはもっと別の違った環境でID値を調べてみてください。
 それから,どんなことが分かるでしょうか?


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