戦前の雄,メルセデス・ベンツがグランプリの世界に帰ってきた. ナチスの旗のもとで,国家を背負ってグランプリの世界で大活躍していたメルセデス・ベンツが帰ってきた. 大メーカーが製造コストを度外視してマシンを作り,タイトルを獲得するのではないかと,誰もが恐れた. その考えは現実となった.
メルセデス・ベンツのデビューはフランスGPだった. メルセデス・ベンツと契約していたJ.M.ファンジオは,それまでの2戦はマセラーティに乗り連勝をしていた. そしてデビュー戦,3人のメルセデス・ベンツ・パイロットのうちH.ヘルマンはリタイアするが,J.M.ファンジオとK.クリンクが1位と2位だった. 3位のR.マンゾンを周回遅れにしての1-2フィニッシュであった.
このデビュー年,メルセデス・ベンツが参戦した6レースのうち優勝4回,ポールポジション3回,ファステストラップ2回という成績を残した. 過去2年間,選手権を圧倒的にリードしていたフェラーリをあっさりと超えてしまった.