![]() 皆さんの感想 ◆Sachiさん◆
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![]() ベルナール ヴェルベール (翻訳), Bernard Werber (原著), 榊原 晃三 (翻訳) 今生きているわたしたちの多くは、死を恐れながら生きている。死とは何なのか? 人間は死ぬと無になってしまうのか? 今、考え感じている「自分」というこの意識は、死んだら一体どこへ行ってしまうのか? 誰もが一度は考えることだが、これらがまったくわからないからこそ死を恐れる。 これらのことを知るためには、自分以外の誰かが一度死んで、再びこの地上にある肉体に戻ってきて、死後の世界はどうなっていたか、報告しなければならない。これ以外に死後の世界を知る方法はない。だからこそ実験を重ね、ついに死後の世界を見出してしまったという人々の話が、この小説である。 語り手であるミカエルは、子どもの頃、墓地で叔父の葬式中、少し離れた墓石の上に座っている少年を見つけた。少年はラウルと名乗り、死について語り始める。彼とはすっかり仲良くなり、生涯の友となった。大人になったミカエルは麻酔医になり、ラウルは国立学術研究センターの研究員として教授の肩書きを持つ。ミカエルは、疑問を抱きつつもラウルの研究に力を貸すことになった。 タイトルの「タナトノート」とは、ギリシャ語の「タナトス」(死)と「ナウテス」(航行者)の合成語であり、死後世界航行者のことである。この本は、ミカエルの日記で構成され、その日記の間に、神話などに出てくる死に関する記述や、その当時の社会状況を示唆する資料などが挟まれている。おかげで、この小説で起こっているさまざまな事件がかなり現実味を帯びている。 死後の世界の航行過程が非常にリアルで、本当にそうなっているのではないかと信じたくなってしまうほど。実際に見てきた人がいて、その人に話を聞いてきたかのように語られている(小説では実際に見てきたことになっているのだが)。個人的には、これを信じたいと思っている。そうすることによって、自分が今生きている意味と役割がわかるような気がして、自分としての「生」をまっとうしなくてはいけないと、生きることへの意欲が湧いてくるからだ。 4センチ弱もある670ページ分の厚さがまったく気にならなかった。これは、今のところ今年一番のお勧め本。五つ星をつけたい。どうしてこれがベストセラーにならなかったのか不思議なくらいだ。死について興味のある人は、ぜひ読んでみて欲しい。(02.10.04) |
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