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| 肩胛骨は翼のなごり (原書: デイヴィッド・アーモンド著 山田順子訳/東京創元社 冬も終わりかけた日曜日の午後、ファルコナー・ロードに引っ越してきたマイケルは、古びたガレージの茶箱のうしろの暗い陰に、不可思議な生き物をみつけた。青蝿の死骸にまみれ、蜘蛛の巣だらけの彼・・・。 隣に住む女の子ミナは、普通の子のように学校へは行っていない。しかし、マイケルよりもずっと物知りだ。「絵を描くのは世界をよりよく見ること」。そう言うミナにマイケルは心を許す。 マイケルとミナの二人は、不思議な生き物を壊れかけた危険なガレージから避難させ、世話をする。その間に不思議なことが起こる。彼の肩胛骨には羽が生えていた。真夜中に踊るダンス、彼のためにエサを運ぶフクロウたち。彼は誰なのか?それとも何なのか? 主人公マイケルの、真っ直ぐな物の見方が心に残る。ともすれば斜に構え、物事を素直に受け止めることのできない人間が多いこの世の中で、マイケルのような心の持ち主はどれだけいるだろう。もしかしたら、不思議な生き物スケリグ(タイトルにもなっているこの生き物の名前)が見えたのは、真っ直ぐな心の目を持ったマイケルとミナそして純粋になった老人だけかもしれない。 この物語は児童文学とされているが、ひねくれてしまっている大人の心をも、修正してくれるかもしれない。たとえば天使や魔法使いの話に、素直に入り込めなくなってしまっている大人達の心を。目に見えることだけが真実ではなく、現実離れしていると思うことにも、真実はあるのかもしれないのだから。
(00.12.07)
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