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Dragon Boy
by Dick King-Smith

モンタギュー・ブンゼン・バーナーは、最近胃の調子がおかしくて、妻のアルバーティナから食事制限を命じられ、人間をメニューから外すことにしたドラゴン。ある日森の中で泣いている小さなみなしごの男の子・ジョンを見つけたモンタギューは、家に連れて帰った。

そんな設定で始まる物語だが、ドラゴン夫婦に娘ラッキーが誕生したり、ジョンにバートという狼の友達ができたりしながら、人間とドラゴンの生活を綴っていく。ここで終始貫かれているのは、ドラゴンでも人間でも全く同じ生き物として差別していないことだ。ドラゴンに連れていかれたジョンは、彼らを家族とみなし、ドラゴンたちは、息子同様に見ている。ドラゴンといえば、恐ろしいドラゴンが定番だが、ここでは一応人間も襲う設定にはなっているが、極めて人間的な「食事制限」というルールのために、エサであるはずの人間が、いつのまにか家族の一員となっている。

ここに描かれているドラゴンの社会は、人間社会と変わることなく、試験があったり、春の大掃除があったり、結婚式や披露宴があったりする。ジョンが教えたとはいえ、料理にハーブやソースまで使う人間らしさ?だ。休日には海水浴にも行く。ただひとつ違うところは、ドラゴンの社会では「醜い」というのが誉め言葉であるということ。間違っても「美しい」と言ってはならない。「すっごいブス」とか「とんでもないブ男」というのが、最高の誉め言葉なのだ。

とりたててすごい冒険やドキドキ、わくわくする事件もないが、そこはかとないユーモアが漂っていて、どんどん読み進んでしまう。途中で飽きさせない文章だ。作者は、映画「ベイブ」の原作者で、そこからもわかるように、擬人化がうまいのだろう。非常に上手い文章で、クスクス笑いながら、あっという間に読んでしまえた。

(00.12.07)

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