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MR. VERTIGO
by Paul Auster/ペーパーバック/293頁 お薦め度:★★★★☆

主人公ウォルトの波乱万丈の生涯。
1920年代後半、親を亡くし孤児として生きていた「僕」の元に、ある日ひとりの男があらわれる。その男は「僕」に空中浮遊の才能を見出したのだった。やがて僕は「不思議少年ウォルト」としてアメリカに名を馳せはするものの、栄光の日々はそう長くは続かなかった。



作品を読み終えた今となっては、評価は4つ星ですが、読んでいる途中は2つ星程度の評価しかしていませんでした。ストーリー展開もメリハリがなく、物語が盛り上がりを見せるか?と思うと、まるで肩すかしをくわされたようにシューっと萎んでしまう。そのような場面が何度もあり、いい加減嫌になったのです。そんなこんなで、何度この本を途中で投げ出そうと思ったかしれません。恐らくこの本がオースター以外の作者によるものだったら、最初の1/3も行かないところで、読むのを諦めていたと思います。

けれど「オースターの作品なんだから、きっと何かあるに違いない」そう信じて何とか読みつづけて来ました。そうして最後の1ページを読み終えた瞬間「途中で放り出さなくて良かった!」そう思いました。ひたひたと潮が満ちるように湧いてくる静かな感動。感動の中にかすかに見え隠れする生きることの切なさと、勇気、そして夢。決してストレートなメッセージではありませんが、時として退屈なこの物語を読み終えた時、これらのすべてを感覚的に理解できたような気がしたのです。

万人にお薦めではありません。時として忍耐を強いられる物語です。それでも、もしも挑戦してみようと思った方。挑戦してみて、もしも半分まで読み進んだなら、もう少し辛抱してどうか最後まで読んでみて下さい。きっと読んで良かったと思うはずです。

(00.09.17)
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