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Clockwork : Or All Wound Up
by Philip Pullman/ペーパーバック/107頁 お薦め度:★★★☆☆

ゼンマイ仕掛けの時計がまだ時を刻んでいた頃のドイツでのおはなし。町の酒場でフィリッツという名の作家が、自作の物語を語り始める。やがて話に弾みがついて来た頃、酒場のドアがゆっくりと開けられて……。フリッツの物語と現実とが巧みに交差する、ちょっと不思議で恐ろしい物語。(邦題「時計はとまらない」



The Golden Compass(黄金の羅針盤)で一躍有名になったプルマンの中編作品。文字も大きく、挿し絵も多いので、さっくりと読み進めることができます。

作品自体は典型的なおとぎ話の形式と言えるでしょう。いわゆる主人公というものが定まっておらず、誰かひとりに重点を置いた物語の描き方はされていません。登場人物たちはすべて物語の駒のような感じで、次々に起こる出来事の描写に重点があるように感じました。(登場人物の心理の揺れとか、そういうものがほとんどないってことですね。私はこれが好きなんですけど(^^;))

フリッツによって語られる物語がベースとなって、現実の世界に物語が入り込んで来るあたり、とても凝った構成の作品です。当然、かなりの期待を抱いたのですが、その後のストーリー展開が紋切り型で、あれよあれよという間に平凡な着地となってしまいました。もうひとひねりもふたひねりも欲しかったところです。う〜んそう来たか!というような良い意味での裏切りも、爽快感も、残念ながら感じることは出来ませんでした。

ホラーの味付けたっぷりのストーリーなので、洋書入門にはぴったりかもしれません。

(00.12.12)
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