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『緋色の記憶』『死の記憶』と並ぶ記憶三部作シリーズの第二作目です。とはいえこの「記憶シリーズ」という呼称は、どうやら日本だけのようで、特に三作品に関連があるわけではないようです。(主人公はすべて一人称で、過去を回想するというスタイルは共通のようですが) さて、肝心の感想のほうなんですが。ひとことで言うならば、暗い、重い、やるせない。誰もが一度は経験するであろう高校時代の恋心の描写は、とても丁寧で素晴らしいのですが、いつまで経っても恋心を打ち明けることの出来ないベン少年の行動が、どうにも耐え難いものがありました。このあたり、男性の方なら自分自身のほろ苦い思い出とベン少年を重ね合わせて、一気に感情移入できる所なのかもしれませんが、私にはただただじれったく、それゆえ上手く物語に入り込めないままに終わってしまいました。 少年時代に抱え込んでしまった癒すことの出来ない傷、残酷な思い出。そのようなものを上手く浮かび上がらせているとは思うものの、結局のところベン少年がもっと毅然とした行動でケリーに接していれば、そもそもこの事件そのものを防ぐことが出来たのではないか、更には、周囲の人々の人生さえももっと豊かで実りあるものになっていたのではないか、そう考えてしまうともうダメです。 「2000年版このミステリーがすごい!」海外編第3位を獲得した秀作ですから、本当はもっと評価してしかるべきなのでしょうが、いかんせん私との相性が悪すぎました。「爽快感」「生きる勇気」「幸福感」などを読書に求める私には、ちょっと無理があったのかもしれません。特に驚愕のラストシーンは、驚きを通り越して、読んでいて気分すら悪くなって来てしまいました。なんであんなシーンを付け加えたかなぁ。
(00.08.20)
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