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![]() 伊坂 幸太郎/東京創元社★★★☆☆ 「一緒に本屋を襲わないか」 引っ越してきた途端、悪魔めいた長身の美青年から強盗計画を持ち掛けられた僕。標的は…たった一冊の広辞苑!? 清冽なミステリ。(C)「MARC」データベース この作品、読もうかどうしようか迷っているのだけれども……。 そう言われたなら「読んだほうがいいよ」と間違いなく答えるだろう。現在と過去が交差する中で物語は綴られていく。細やかに仕掛けられた伏線、後半部分のあっと驚くどんでん返し、一気に収束していく結末部分。どれひとつをとっても、かなりの出来だ。文章そのものも読みやすい。キャラクターたちの個性も際立っている。 だから、読む人が読めばこれはきっと素晴らしい作品なのだ。 けれど、私の評価はやはり★3つ。 好みのタイプの作品ではないのだ。いや、作品の90パーセントは好みなんだけど、残る10パーセントがダメなのだ。 まず、暴力シーンがダメ。 そうして、もうひとつ。ラストがダメなのだ。 他の方の書評を見ると、爽やかさがいいとか、本当はハッピーじゃないけれど、でもハッピーエンドな感じがいいとか、そういった感想ばかりが目につく。そうなのか?本当にそうなのか?私の受け取り方が人とは違うのかな、と思いつつも、それでもやはり、心の底に沈みこんだ澱のようなものを、耳掻きでひと混ぜされたかのような、そんな胸苦しさがいまだに私の内にある。 ものすごくいい作品なのに、相性が悪い……。私だけ置いてけぼりをくらったかのようで、ちょっとだけ寂しい。(04.07.24) |
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