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Winter Frost
R. D. Wingfield (著) ★★★★☆

幼女誘拐事件に売春婦の連続殺人事件……。その他にも種々の事件が折り重なり、人員の少ないデントン署はひっちゃかめっちゃかの大騒ぎ。そんな中フロストは、少々強引とも思えるカンと偶然に頼りつつ、事件を解決していくのだが……。

シリーズ作品の期待を裏切ることなく、いつものフロストが、いつものような大活躍。いやむしろ、前作まではだらしない部分が強調されがちだったフロスト警部が、今回は更に人情味をアップさせて、素敵なオヤジに変身したという感じすらある。

海外の作品なので「刑事コロンボシリーズ」との類似を言われることが多いようだが、日本人の私の目から見ればこの作品は断然「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の両津勘吉に似ている。我らがフロストは、コロンボのようにひんねりくんねりと嫌味なヤツではないし、事件の解決にばかり目を奪われているわけではない。

もちろん。
刑事だから、事件解決のために働いている。けれど『悪を憎んで人を憎まず』ではないけれど、その視線は徹頭徹尾やさしい。そのやさしさが、読んでいるこちらの気持ちまでをもリラックスさせてくれる。

きちんとした推理小説を求める人には、やや物足りないシリーズ作品かもしれないが、すでにシリーズのファンになっている人なら、フロストと一緒に事件現場を歩きまわれるだけでも、十分に満足が行くと思う。

やや苦味の残るラストではあったけれども、それとて、フロストの優しさで、切れのいい仕上がりになっている。オススメ。(03.04.05)

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