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Big Fish(翻訳:ビッグ・フィッシュ)/
ダニエル・ウォレス 著 ★★★★★

病気が進行して、やがて父はただの人となった。仕事のない、話すべきこともない、ただの人となった父について、なにひとつ知らないことにぼくが気づいたのは、そのときだった。…ゆたかなアラバマの自然を背景に、父と息子の絆を描いた感動のものがたり。(C)「BOOK」データベース

どういう風に紹介したらいいのだろう。
ずっとずっと考え込んで、それでもまだ上手い言葉が見つからない。少なくとも「父と息子の絆」とか「感動」とか、そういう使い古された表現で足りるような作品でないことだけは確かだ。

死を目前にした父親。その彼の今に至るまでのエピソードを語り始める息子。
というと、かなり暗い物語をイメージするかもしれないが、この父親というのが、冗談やほら話の大好きな人で、息子の語る物語もまた、感傷に浸るどころか、奇想天外で、えぇ〜!?と思ってしまうような話の連続。

ひとりの人間が、今にも死のうかという場面で語られ始める物語だから、こちらとしてはそれなりの覚悟をして文章に臨んでいるといういうのに、いきなり肩すかしをくらわされる結果になる。

けれども、何が何だかよくわからないまま、それでも読み進んで行くと、次第、次第に父親の人となりがあぶり出されて来る。説教臭いことも、教訓めいたことも何もない。あるのは冗談とも本気ともつかないほら話ばかり。それなのにじわじわと感動が伝わって来る。じわじわと来た感動だからこそ、何かが心にずっしりと根をおろす。

またラストのまとめ方は、この上もなく上手い。
よくよく考えてみれば、決して明るい話ではないはずなのに、ある種の爽快感、生きることの素晴らしささえ感じるほどだ。ビッグ・フィッシュとは、アメリカの俗語で「大物」を表すそうだが、それとはまた別に、最後の最後に至って、タイトルの意味が明らかになる。これもまた、何だかとってもいい。

ちなみにこの作品、スピルバーグ監督によって映画化されることが決まっているそうだ(ちょっと不安……(^^;))。(2002.02.20)
追記:その後監督はティム・バートンに決定。やっほ〜(^o^)/

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