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子供の頃はガキ大将で妖怪研究に夢中。その結果、入学試験は失敗、学校は落第、就職しても寝坊でクビ。そのうち戦争が激しくなり、兵隊として南方の最前線に送られ、片腕を失いながら九死に一生を得る。終戦後、南の島で見つけた「楽園」に魅せられながら、赤貧時代を経て「ゲゲゲの鬼太郎」を生むまでを、激動の現代史に重ね合わせつつ描く、なんだか元気が出てくる自伝的作品。(文庫裏表紙より) そんなこんなで、不安と期待を抱きながら読み始めたこの本。 バブル崩壊、デフレ、リストラ、増税……、なぁんか暗い話題ばかりの日本丸。けれど、この本を読んでいると、そういった日常生活にべったりと張り付いている重苦しさなんて、全然たいしたことないじゃん、とそう思えて来るのだ。 決して美文ではないけれど、どこか飄々とした水木しげるの語り口もまた心地よい。戦争へ行き、マラリアにかかり高熱に浮かされているときに、爆撃をうけ「目のまえがぴかっと光って、あーっといったら、腕の負傷で切断」だなんて、よくよく考えればとんでもない出来事だ。何とか終戦をむかえ、日本へ帰ってきてから後の赤貧時代。お涙頂戴調に仕立て上げようと思えば、いくらでもそうすることができたろう。でも、文章のどこにも、暗さや陰鬱さといったものはない。 というよりもむしろ、作者自身、これらの困難な体験の数々を楽しんでいたような印象すら受ける。 水木しげる……、すっごい変な人だと思う。もちろん褒め言葉だ。 私は昔から、幽霊、妖怪、怪奇現象といった類のものが苦手で、そういったものが描かれている本を家の中に置くことすらためらってしまうようなところがある。だから、水木氏のライフワークとなっている、妖怪ワールドに関心を持つことは難しいかもしれないが、水木しげるという人物その人については、大いに興味をかき立てられた。こんなに変なおじいちゃん、ちょっとやそっとでは見つからないよ、絶対。 ちなみに、今年は水木しげる生誕80周年の年にあたるんだそうで、あちらこちらから関連本やらDVDやらが発売されている。私ももう2、3冊、何か読んでみたいな、と思っている──で、トペトロとの50年―ラバウル従軍後記を先日たち読み(~_~;)(2002.08.03) |
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