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| 十二歳のあの頃、世界は魔法に満ちていた―1964年、アメリカ南部の小さな町。そこで暮らす少年コーリーが、ある朝殺人事件を目撃したことから始まる冒険の数々。誰もが経験しながらも、大人になって忘れてしまった少年時代のきらめく日々を、みずみずしいノスタルジーで描く成長小説の傑作。日本冒険小説協会大賞受賞作。(BOOKデータベースより) ロバート・R. マキャモンと聞いて、ホラー作家でしょ、と思う人はかなり多いのではないだろうか。事実、私もずっとそう思い続けていた。96年版「このミステリーがすごい!」で、マキャモンの「少年時代」が海外部門第2位に輝いた時にも、まったく関心を寄せなかったのはそのためだ。 このBoy's Lifeが、ひとりの作家が少年時代を懐古するという設定で描かれたものであり、ホラーというよりは、ファンタジー色の強い作品だと知ったのは、だから、つい最近のことだった。 殺人事件を目撃したところから始まるこの物語は、けれども犯人探しは二の次で、その過程で遭遇する様々な経験を少年の視点から綴っている。その綴り方が、抜群にいい。この手のノスタルジックな作品は、読み手のほうもぐうーっと感情移入をして読み進めて行くものだが、この作品に至っては、感情移入どころか、読み終えた今となっても、何だか自分自身が少年となって1964年の1年間を実際に経験し、そして幾ばくかの精神的成長を遂げたのではないかと思うほどだ。 あの頃は良かったなぁ、とついつい過去を振り返ってしまう弱気な心に、今この時を生きることの大切さ、夢や希望といったものまでをも感じさせてくれるこの作品は、数年に一度、出会えるか出会えないかといったレベルで、文句なしのお薦め。 英文自体は特に難しくはないけれど、なにせ長いので覚悟が必要。とはいえ、ひとたび物語に引き込まれてしまえば、長さはさほど関係なく思えて来る。というか、この長さにしてこの感動……なんて、後で納得してみたりもするんだな、これが(^^)(2001.08.05) |
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