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| 中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変わるひと月あまりを、西の魔女のもとで過ごした。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女の修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも……。その後のまいの物語「渡りの一日」併録。(文庫裏表紙より) 決して美文ではない。最初のうちは文章のリズムに乗り切れなくて、ところどころにひっかかりを覚えた。何だか読みにくい作品だな、と正直思った。 けれども、読み進めて行くうちに、そんなことはもうどうでも良くなった。何かが心の真ん中にすとんと落ちて来て、暖かくて、懐かしくって、そうして優しい気持ちに満たされた。 タイトルにもある通り、おばあちゃんは死んでしまう。物語の冒頭部分でそれはすでにあかされている。となると、ちょっと暗い話なのではないかと思ったが、そんなことは全くなかった。おばあちゃんの死への旅立ち方がなんとも粋で、ある種の衝撃すら感じたほど。 もちろん、人がひとり死ぬのだから泣けた。泣けはしたけれども、不思議とその涙は爽やかで、あぁ、読んでよかったな、としみじみと思った。 まいとおばあちゃんとの田舎での生活が、これまた何とも魅力的に描かれている。野いちごを摘んで作る手作りのジャム、鶏小屋から取って来る産みたての卵、ラベンダーの上に広げて乾かしたシーツなどなど、たとえそれらが時代に取り残された古い生活様式であったとしても、この本を読んだ人なら誰でもきっと「こんな暮らしもいいかれしれない」そう思うに違いない。毎日の生活に疲れ気味の人には、間違いなくお薦めの一冊。 ちなみに「渡りの一日」はまいのその後の物語ということで、併録されたようだけれども、この短編はないほうがずっと良かった。「西の魔女が死んだ」の余韻があやうく吹っ飛ぶとこだった(^^;) もう少し配慮してくれ〜>新潮社。(2001.08.1) |
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