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あの諸岡進也が、こともあろうに俺の糸ちゃんと朝帰りをやらかしたので! いつまでたっても帰らない二人が、あろうことかげっそりとした表情で、怪しげなホテルから出てきたのである!!――お馴染み用心犬マサの目を通して描く五つの事件。さりげなくも心温まるやりとりの中に人生のほろ苦さを滲ませ、読む者をたちどころに宮部ワールドへと誘っていく名人芸を、とくとご堪能あれ。(文庫裏表紙より) けっ、犬が主人公だなんて、それを聞いただけでもう読む気がしないよ。 で、連作短編集だ。 久しぶりにデビュー当時の宮部作品を彷彿とさせる出来だなぁ、なんて思いながら最後の初出一覧を見たら……。どれもこれもデビュー間もないころに発表された作品でありました(^^;) それでもこの短編集の中で私が一番気に入ったのは、書き下ろしの「マサ、留守番をする」だ。 奇妙な英語まじりの言葉をしゃべる(もちろん動物が理解できる言葉と言う意味でね)カラスのアインシュタイン、自分が不遇であることにすら気付かない犬のハラショウ、その他印象深い動物たちがさりげなく登場しつつ、学校のウサギ殺しを縦糸にして物語が展開していく。ラストはちょっと切ないが、そこは宮部みゆきのこと。決して、読後感は悪くない。 宮部作品を読むたびに、心に浮かぶ言葉がある。「性善説」だ。主人公のマサは賢く思いやりのあるやさしい犬だし、宮部作品そのものも、とことんやさしくそして温かい。殺伐とした世の中だからこそ、時にはこんな作品で温まりたい。(2001.09.26) |
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