現在ゲーム機に移植されている「きゃんきゃんバニーエクストラ」は、サターン版とPC−FX版の二種類。これらをパソコン版に対して比較しました。
●サターン版
■商品名
きゃんきゃんバニーエクストラ
■発売
株式会社キッド
■価格
六八〇〇円
■メディア
セガサターン用CD−ROM
●FX版
■商品名
きゃんきゃんバニーエクストラDX
■発売
カクテル・ソフト
■価格
八八〇〇円
■メディア
PC−FX用CD−ROM
■シナリオ
基本的にパソコン版と同じです。変更されている部分はFX版をベースにサターン版へ、という流れになっているようでどちらもほぼ同じです。具体的には以下の通りです。
冒頭で「すべての女の子と縁を結んで星のかけらを集めないと一生女縁のない生活をおくらなければいけない」といわれてしまいます。これに対するオチが、FX版では最後で「嘘だったよ〜ん」といわれてしまうという意味不明なものになっています。一方SS版では「縁は結べなかったけど北極紫微大帝が何とかしてくれる」と最後でスワティのフォローが入ります。
おそらく、主人公が女の子をくどく積極的な理由が欲しくてこういう設定を付け足したのでしょうが、エクストラの良さの一つに『単なるナンパものと思ってのんびりプレイしていたのに、終盤でこういうふうに盛り上がるとは!』という驚きがあると思うので、余分な付け足しだと思います。
さて、パソコン版とFX版はプルミエールの続きですがSS版はプルミエール2の続きということになります。が、そのフォローがプロローグの選択肢
「知ってる。プルミエールで会ったじゃん!」が「プルミエール2で……」となっただけという超アバウトなやり方になっています。しかしねぇ。プルミで彼女が出来なかったことについてはちゃんとプルミ中で説明があった(SS版のアレなオチは除く)のに対し、プルミ2では別に別れもせず上手くいっていたのに、勝手に女の子達の記憶を消してしまうとは、SS版の七福神はなんて非道な連中なんでしょう。……てめえら、人間じゃねぇ!……ってその通りか(苦笑)
で、個人的に「プルミ2あり」のSS版がこの辺をどう処理するかに注目していた私としては、あまりに頭の悪いつなぎ方にここで好感度10ポイントダウン。
・おまけシナリオ
サターン版にてプルミ2のキャラが登場するおまけシナリオはこれ独自のもので、特に突入しなくてもクリア可能です。ここで登場するのは石鍋環、東山日奈緒の2名。このシナリオに入る条件は、環の場合ははじめに雪江さんを攻略しそのあと部屋を掃除するシーンになるのでそこでテレビをクリックする、日奈緒ちゃんの場合はある程度ゲームを進めシナリオの合間に駅に行ってあたりをクリックする(千里ちゃんクリアが必須かどうかは不明)ということになっています。
これらはサブシナリオですから、内容もそれなり。原画もみつみ美里さんではなく(EDの原画にクレジットが出てない)絵の出来も甘いです。またEDはあるけどエクストラストーリーはありません。ED自体は割と良いです。
しかし、日本に帰ってたんなら会いに来い↓環 とか、そんなに会いたかったなら出てくれば?誰も反対も邪魔もしてないのに↓日奈緒
と思ってしまったのは私だけではないはずだ(苦笑)
というわけで、シリーズ通して考えるとやっぱりプルミ2って鬼子なんですね。あと、これらのシナリオだけ主人公の性格が違うのが笑えます。
・サワディの扱い
FX版ではサワディは終盤のスワティ人間化シーンで七福神の助っ人としていきなり出演、SS版では日奈緒シナリオ関連でサポートという役割なので両者でその扱いは完全に変わっています(SS版はゲームオーバー画面でも出てきます)。FX版は本筋に無理矢理絡めているのが見え見えですが、サターン版はおまけシナリオに入らなければ登場しないわけですからSS版のほうが納得できました。
■システム
FX版は画面構成も含めて基本的にパソコン版と同じ。音声が付加されていますが、これをオンオフする設定はタイトル画面のオプションでのみ可能。また音声はボタンを押しても途中キャンセルできません。この両者が合わさったため、プレイはかなりうっとおしいです。
一方SS版はかなり手を加えられています。まずタイトル画面がSS版オリジナルのロゴ(わからない人は広告ででもチェックしてください)だけが出てきます。これはかなりシンプルで、寂しいです。一応各キャラ紹介のデモもあるのですが、やっぱり寂しい。
そうそう、起動の度にセーブ場所を内蔵RAM、外付けバックアップRAM、セーブしない、から選ばせるのは面倒だからやめてほしいです。
オマケ関係は「プレゼント」を選べば入れます。BGM、CGモード(達成度は表示されないし、プレイ中見てないCGも全部出る)、ムービー(全ムービーを見ないと選択出来ない)、エクストラストーリー(6人だけで麻理ちゃんはナシ)があります。
ゲーム開始時、主人公の名前は漢字も選択できるようになっています。本編の画面構成はパソコン版のメイン画面を全画面表示にし、その中にメッセージウィンドウをオーバーラップさせた形になっていますので、かなり見栄えが良いです。なお、持ち金表示は無くなり、ゲーム中でたまに所持金をセリフで出すだけとなっています。まあ、実質的にお金の有無はゲームに影響しないのでこれでいいのでしょう。
メッセージ送りは、ウィンドウに表示されたセリフがウィンドウごとフェードアウトしてから次のセリフが出てくるようになっているので遅いです。
さて、一番変化したのがコマンドの選択方式。画面内にカーソルが表示され、それで対象物をクリックすることによりゲームが進行します。口のところにカーソルを持っていけば会話するし、顔に持っていけば見るというふうに進めるわけですね(全部がHシーンのシステムになったといったほうがわかりやすいか(笑))。
しかし、マウスではなくパッドが標準コントローラーのサターンでこのシステムはよくわかりません。ひょっとして、窓版発売を見越してこういうシステムにしたのか?まあ、カーソルの移動速度はちょうど良いし、微妙なクリックポイントもあまりないのでプレイ自体には支障はないです。
ただし、このシステムで会話するとちょっと変な部分が出てきます。パソコン版では「聞く」とき、Aという話題Bという話題のウィンドウが出てそれぞれに選んだ場合のリアクションが用意されているわけですが、SS版では複数の話題がリニアにつながっているのです。そのため、Aの話をしていたキャラクターが、なんの前置きもなく無関係なBの話をはじめてしまい違和感を感じました。
音声やBGMの音量調整やセーブ・ロードはメッセージが表示されていないときにBボタンを押すとできます。セーブデータは5個で他機種版と変わりありませんがセーブ日時が記録されるようになったのはありがたいです。
■CG
FX版は基本的にパソコン版と同じです。ただ、画面の解像度が低い(らしい)ので全体的にボケたように見え、結果的にパソコン版より落ちます。また、新しく描きおこされた部分はレベルが低く、はっきり言って見られたものじゃありません(爆)
SS版は全画面表示であり、しかも16色しか使っていないパソコン版よりずっと色数が使えるので非常にキレイです。この新しく塗り直されたCGを見ているだけで、新鮮な気分でプレイできました。
とはいえ、一部に変なところはあるもので、たとえば噴水に浸かっている春菜ちゃんは口元がゆがんでいて不気味。またプルミ2キャラ用シナリオは当然新CGだったりその他付け足されている部分で描き起こしグラフィックがあります。これらは、絵柄こそ違いますが出来自体はそんなに悪くないです。
■BGM
パソコン版担当はMUSEで、なおかつ98版とTOWNS版では曲が全然違うということで話題になりましたが、FX版は担当がVALENCIA(プルミ2と同じ)となっており、パソコン版とはさらに違う曲となっています。曲自体はADVゲームのBGMと考えるとごく普通な出来で、特に不満はないのですがもとのパソコン版が良いので比べるとどうしても聞き劣りします。で、「燃えろエクスト」なんですが、歌詞も曲も変わってボーカル付きになっています。これについては特に感想は無し(苦笑)
一方SS版のBGM担当は後藤樹里となってますが、「燃えろエクスト」がFX版と同じ歌なのでやはりVALENCIAの人かな?こちらは各キャラにテーマ曲をつけるなどで、曲数が30曲以上に増えています。しかし、音楽自体は平板でただ鳴っているだけというものが多いように思えます。実際EDではこの曲のため全然感動できませんでした。あくまで個人的感想ですが、BGMに関してはSS版は各機種中最低の出来といっても良いでしょう。サターンなら音源性能自体はFXや98FM音源に対して悪くないはずなんですけどねぇ……
■アニメーション
FX版では、プロローグにあるオープニング(みたいなもの)や、女の子とHしたときに抜け出る星のかけらのシーン、EDのスタッフロール前のエピローグ部分がアニメーションになっています。が、はっきり言ってゲームで使用されたCGを拡大縮小スクロールさせたり、新たに作画された部分が素人の落書きみたいでドヘタだったり、ほとんど動かなかったりと、とてもじゃないが見られたものではないです。
SS版はFX版から流用……ではなく入っている場所が違うし当然作画も違います。作画自体はわりと良いと思います。ただスワティEDで回り込みを3回ぐらいリピートする演出はマヌケだから勘弁して欲しかったです(苦笑)
あとOVA版を作ったスタッフが描いたのか、全体的に油っこいというか、くどい絵柄です。これらはシネパック形式で収録されていますので、窓上で閲覧できるツールを持っている人ならゲームをクリアしなくても見ることができますね。それはともかく、これらはシネパックの割にあまりノイズが感じられない出来になっています。このへんの取り込みに関する技術力は素直に賞賛しちゃいます。
でも、実はSS版で感心したのはこれら取り込みアニメじゃなくて、バーで雪江さんと別れるとき雪江さんが足を組み替えるシーンだったりします(笑)。どうせなら、こういうメイン画面のCGパターンを増やす方向で内容を充実させて欲しかったと思うのは私だけでしょうか。そう……たとえばクラブで香織ちゃんと美沙生が口論するシーン。踊っているCGのまま口論するので二人はそっぽ向いたままですが、ここでCG描き足したりするとかで補完してくれれば嬉しかったんですけどね。
■音声
FX版ではメインキャラが音声付きです。ただ全部のセリフをしゃべるわけではなく、出会ったときと最後のほうにだけ音声がつけられています。また主人公も声つきで、アニメシーンでしゃべりますがかなり情けない声です。声優さんたちの演技力はまあ普通かな。
SS版はメインの女性キャラと北極紫微大帝、邪霊が全セリフをしゃべります。セリフ中の主人公の名前の部分だけ空白になるのは違和感を感じますが、男なら本名で勝負する(笑)のがこのシリーズの特色ですからしかたないか?
また、細かいところですがメッセージがループするようになったとき、同じセリフを音声つきで延々しゃべるのは止めて欲しいです(もろにコンピュータを相手にフラグをたてている気分になってしまい、感情移入の点でよろしくない)。同じセリフは2回目から文字出力のみにすればいいのでは?
■エンディング
エピローグの部分ですが、先にも述べたようにFX版ではアニメーションになっておりしかもセンスが悪い。SS版はパソコン版の止め絵で、そのあとに新作画のCGがもう1〜2枚プラスされていて、これは似てはいないがCGレベルとしては悪くないです。
エンディングは、FX版はパソコン版のスタッフロールが流れエクストラストーリークリア後に移植版のスタッフロールが出るという仕様になっています。移植版スタッフロールのバックには新作画のCGも出ますが……あまりに下手すぎてコメントしたくないです(爆)。また、スワティEDのあの仕掛けがなくなりスタッフロールは1回だけです。スワティにはエクストラストーリーがありませんのでこのときのバックに新作画のCGが出ますが(以下同文)。
SS版ではEDでオリジナルと移植版のスタッフ両方が出ます。このときゲーム中で使われたり、ボツになったCGも表示されます。これ自体はわりとセンスがいいのですが、先にも書いたようにBGMが情けないので全然感動できませんでした。いっそのことここではTVのボリュームを絞ってパソコン版の曲を流したほうが良いかもしれません。また、こちらではスワティEDの仕掛けは健在ですのでご安心を。ちなみにスワティ女子高生モードには、最初からなぜか髪飾りつきです。なぜだろう?
■年齢制限による変更点
FX版は18禁、SS版は18歳以上推奨。したがってFX版は基本的にパソコン版をそのまま移植です。ただし、「謎の液体(笑)」の描写はNGみたいで千里ちゃんと春菜ちゃんのCGからその部分は削除されています。また、年齢制限かどうかは知りませんが女体盛りもまずいらしく、綾さんは裸でテーブルの上に載っているだけになっています。
SS版では裸になるシーンでも下着を着けたままに変更されています。メッセージのほうはだいたいそのままなので、なんか違和感ありますね。また大股開きもまずいらしく、足を閉じているか下半身をフレームの外に出すという方法で対処しています。ちなみに綾さんの女体盛りはやっぱり無しです(笑)。また、未成年とナニするというのはまずいらしく(SS版プルミエールでも年齢が変更されてたり3話はそっくり入れ替えられてたなぁ)千里ちゃんと美沙生はパソコン版における全画面表示モードに入る前でプッツリ切れて終わってしまいます。
■エクストラストーリー
エクストラストーリーの内容はどちらも基本的に98版のままです。せっかくだから内容充実のTOWNS版から移植すれば良いのにと思うのは私だけでしょうか?
そうそう、SS版の千里・美沙生両名は時期が数年後という設定なので、サービスシーンはありです。このとき美沙生は大学に進学しているのですが、パソコン版の「受験生に予備校のCMとは縁起が悪い」という意味の会話が「大学の試験も近いのに縁起が悪い……」「おまえ、まだ単位残ってるのか〜……」というセリフに変更されています。でも、これだとなんか話題がかみ合ってないんですけど?(苦笑) それに大学入ってるんだから、縁起が良いも悪いも関係ないんと違うか?
またSS版では麻理ちゃんがカットされています。あまりにアレ方面の内容だったのでフォローしようがなく切られてしまったのか?あと、プルミ2キャラには用意されていません。
■諸般の事情によると思われる変更点
パソコン版に対しFX版・SS版ともに以下の点が変更されています。
・春菜シナリオで神父が守護父に、シスターが巫女に、十字架のペンダントが水晶に、礼拝堂が聖堂になった。
・戦艦榛名が張那になったり世界大戦が世界戦争になっている。
どうやらキリスト教を出したり、戦争関係のネタはまずいみたいですね。しかし、宗教関係でどうみてもシスター姿なのに巫女という呼びかただと響きがとっても怪しいと思うのは私だけでしょうか。まあ、戦争関係については「本当にこんなことがあったのか」と作中のエピソードを素直に信じてしまう人がいるかもしれないので、変更も仕方ないかもしれません。
またSS版では、リポーター志望の雪江さんが日本にきた理由について、他機種版での「外国ではリポーターになるにはどうしても差別がある」といった趣旨のセリフが「発音に日本語のなまりがあるので外国ではなれない」といった趣旨のセリフに書き換えられてます。差別関係の話にもずいぶん気を使ってるみたいですね。
■その他気がついたこと
・SS版では麻里ちゃんとのサービスシーンに突入しませんが、CGモードには下着つきながら存在しています。なぜ?
・FX版のプロローグで「知らない!初めて会うよ!」を選ぶとプルミエールのエピソードをかなり丁寧に画像付きで解説してくれます。ここで魅奈先生、奈美恵ちゃん、麻衣ちゃんが出てきているということは、FX版はあくまでもパソコン版プルミの続編であってSS版は無関係というワケですね(笑)。
あと両方ともメッセージの禁則処理がちゃんとされていないのが気になりました。
■評価
FX版はウリである付加されたアニメーションの出来があまりよろしくない、CGの質が低い、完全音声対応ではない、という問題があるためパソコン版をプレイ済みの人にはあえてお勧めはしません。
SS版はBGMが劣る、システム変更がプレイし易さにつながっていないなどの問題点があります。しかしCGの出来は一見の価値があると思いますし、それに声優さんの演技力もなかなかなので経験者も再プレイに損はないと思います。少なくとも私は十分満足できましたので。
(ブルカニロ)
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