このコーナーでは、僕が通勤途上で聴いたCDを、新旧取り混ぜて、3〜5行程度で紹介します。第一印象重視でいきます。詳細は省きますが、質問が多ければ「お気に入りのCD」にアップするか、落書き帳でお答えいたします。単純な良し悪しは書けませんが、好き嫌いはなるべく書こうと思っています。異論がありましたら、バリバリ落書き帳へ!
2009. 5.17 Paul Sanchez / John Boutte ; Stew Called New Orleans ; THREADHEAD no number
2009. 5.16 Lattimore Brown ; Little Box Of Tricks ; AIM 1507 CD多分2009年リリースです。ジョン・ブッテとポール・サンチェスはここのところ一緒にアルバムを出すことが多いですが、これもその一枚。まずジョン・ブッテの歌はいつも通りの素晴らしさで、ゴスペル・テイストを感じさせるニュアンスの豊かさがたまりません。ポール・サイモンの「アメリカン・チューン」のディープな解釈などまさにお見事!一方サンチェスはタイトル通りのコード進行にジャジーなギターワークが冴える「トゥー・ファイヴ・ワン」がまずいかしてます。でもこのアルバムで一番気に入ったのは「アン・エンプティ・チェア」、分かれの時の切ない男心を、穏やかな中に深い悲しみを感じさせるように歌います。これはもう絶品ですね。
2009. 5.15 Zigaboo Modelliste & Gaboon's Gang ; Funk Me Hard - Live ; JZM 20091960年代後半のナッシュヴィル、メンフィス、そしてマッスル・ショールズでの録音集です。多くはSOUND STAGE 7から出されたようですが、詳細は調べていません。冒頭の「アイヴ・ゴット・エヴリシング」からちょっとしゃがれたタフな声で飛ばします。アップナンバーからは特にオーティス・レディングからの影響を感じますが、それは追悼歌「オーティス・イズ・ゴーン」なんてのをやってるのからも明らかですね。一方「ブレス・ユア・ハート・アイ・ラヴ・ユー」のようなバラードではストレートな歌い方で、なかなか伸びやかに歌っています。メンフィスのこってり感とナッシュヴィルのちょっとさらっとした感じを上手く使い分けているように思いました。
2009. 5.14 Henry Gray & The Cats ; Times Are Gettin' Hard ; LUCKY CAT LC10052009年リリース。タイトル通りのファンク・ナンバーを集めたライヴなんですが、ジガブー、昔ほどのリズムのためや切れが感じられません。なんだか普通のドラマーになっちゃったなっていうのがこのアルバムの印象です。ニック・ダニエルズやアイヴァン・ネヴィルなどが参加していますけど、ぐぐっと来るうねリを感じないんですよね。やっぱりピークを過ぎちゃったのかなぁ。後はジョージ・ポーター・ジュニアのベースの凄さを違ったところで再確認したって面もあります。
2009. 5.13 J. Paul Jr. & The Zydeco Nubreeds ; Stronger ; J.PAUL JR no number2009年の新譜です。グレイじいさん、元気ですね!しっかりしたピアノの弾き語りで、いきなりフルソンの「トラブル・トラブル」の熱唱を聴けたのがまず嬉しい驚き。曲はオリジナル中心で、ピアノを全面に出しながら、ザ・キャッツがシカゴ・テイストたっぷりのバックをつけています。しゃがれ声を振り絞るようにして唄う歌は、さすがの年齢を感じさせますが、老いているというよりははつらつとしたエネルギーを感じました。「カトリーナ・カトリーナ」や「バラク・オバマ・ブギ」など時事ネタもあり、その創作意欲の高さにも脱帽です。快作ですね!
2009. 5.12 Shane Theriot's Dirty Fingers ; E.P. ; SHOSE no number2009年リリース。相変わらず快調なペースでアルバムを出し続けています。でも一時ほどヒップホップ的な手法をどぎつくせずに、ボタン・アコーディオンのビート感をいかしたタイトなリズムの曲が多いのがいい感じですね。ザディコらしさが前に出ています。バラード系はなかなか色っぽくて、当地で人気が高いのも頷けます。「クウィーン」などのようにお洒落なナンバーを挟むのも上手いやり方ですね。ボーナストラックにはよりヒップホップした作品が収録されていて、これと本編を聴き比べると、その「ザディコ回帰路線」を強く感じることができます。
2009. 5.11 Honey Island Swamp Band ; Wishing Well ; HONEYISRANDSWAMPBAND no number2009年リリースのミニアルバムですが、これ、豪華です。全編ファンクネスあふれるギター・インストなんですけど、ドラムがなんとジガブーにジム・ケルトナーにダグ・ベローテを使い分けてるんです。それぞれの味わいが出ていますが、ジガブーは昔より普通のドラマーになってますね。さらにキーボードのディヴィッド・トカノフスキーが素晴らしいサポートを聴かせますし、ホーンもいい味出してます。このテンションでフルアルバム出さないかなぁ。
2009. 5.10 Hustlers Brass Band ; Second Line Soul ; MARDI GRAS MG 11192009年リリースですが、「ソフィスティケィテッド・ママ」は1993年の演奏がベースのようです。このスワンプ・ロック・バンド、とにかく気持ちいいんです。ヴォーカルはジェイムズ・テイラーとかを思わせる感じで、どちらかというとカントリー系なんですけど、女性コーラスの絡み方、ブラスの使い方、そしてハーモニカやらスライドギターやらといった僕の大好きなアイテムが満載で、ついつい聴き入ってしまいます。ソウルフルな「キリング・ミー」、アコースティックでちょっとセカンドラインした「ティル・ザ・マネーズ・ゴーン」なんて好きだなぁ。「ユー・ドント・ミス・ユア・ウォーター」のスワンピーなアレンジも格好いいです。歌は軽いけどね。
2009. 5. 9 Cyril Neville ; Brand New Blues ; M.C. MC00642009年リリース。ニューオーリンズのブラスバンドには目がなくて、新譜が出ると手当たり次第聴いてしまうんですが、これは楽しいです。いきなりのっけから「セカンド・ライン」で乗せてくれます。リーダーのラマー・ルブランのスネアが跳ね回る「スノウ・ボール」、ハンドクラッピンに乗せられちゃう「ムーヴィン・オン・アップ」、軽快なアレンジの「セント・ジェイムズ病院」、どっしりした「シスコ・キッド」があるかと思えば、ノリノリの「マルディ・グラ・イン・ニューオーリンズ」と、季節ものらしい選曲が光ります。ラストの「ビッグ・レッグド・ウーマン」、ブラスバンドらしいアレンジでまとめてます。こんなのがごろごろしているニューオーリンズ、憧れます。
2009. 5. 8 Marc Stone ; EP-3 The Homebrew Sessions ; TULIP/THREADHEAD no number2009年リリース。いやいや、驚きました!シリルがブルース・アルバムを出すなんて。もちろんニューオーリンズ・テイストやファンクネスはたっぷり感じるんですが、でもこれはまごうことのないブルースです。特に「ミーン・ボス・ブルース」はかなり重厚な出来映え。かっこいいギターだなと思ったらタブ・ベノアで、ハーモニカはジョニー・サンソンでした。その他のバックトラックはプロデューサーのブライアン・Jが担当していますが、ちょっと無機的なところもありますが上手くサウンドをまとめています。そして尻ルの歌がいつもよりくぐもりのあるディープな感じ。彼の別の魅力を見せてくれたかな。
2009. 5. 7 The Young Tuxedo Brass Band ; Jazz Begins ; COLLECTABLES COL-CD-69212009年リリースのミニアルバムです。表のラップスティールや裏ジャケのメタルボディを見たらブルース系のアルバムかなと思ったら、けっこう泥臭さのあるロックでした。メンバーにはカーク・ジョゼフやジョー・クラウンの名前も。ラストナンバーがザ・バンドの「ザ・シェイプ・アイム・イン」で、これが仲々いい感じでした。フルアルバムを聴いてみたいですね。
2009. 5. 6 Billy Preston ; Billys Bag ; VEE-JAY/SHOUT! 2312007年リリース。ニューオーリンズに数あるブラスバンドのひとつですが、比較的オーソドックスなサウンドを聴かせます。このアルバムのユニークな点は、葬送の様子を再現していることで、前半は埋葬に向かうもの悲しげな曲を集め、後半はそこから戻る陽気なナンバーを集めているところです。いわゆるセカンドラインですね。前半は「エターナル・プレイス」などまさに葬儀曲をメドレー入りで3曲、後半は「ジャスト・ア・クローザー・ウォーク・ウィズ・ギー」から始まり「バーボン・ストリート・パレード」や「パナマ」などダンサブルな曲へ。葬送の現場にいるような錯覚に陥りました。
2009. 5. 5 Little Joe Washington ; Texas Fire Line ; DIALTONE/P-VINE PCD-250941963〜66年のファンキーなインスト・ナンバーを集めたものです。短いイントロから「ソウル・ダービー」というワルツで始まります。いわゆるオルガン・ジャズ的な曲もありますけど、もっとR&B感覚が強く、ポップな味付けがあるのがビリーらしいところです。特に「ショットガン」はジュニア・ウォーカーのいいところをみんないただいちゃったといったアレンジでかっこいい!こうした活動のあと、ビートルズやストーンズといったロック勢に引っ張りだこになり、人気者になっていくんですね。
2009. 5. 4 Allen Toussaint ; The Bright Mississippi ; NONESUCH/WARNER WPCR-133362009年リリース。待望の新作が出ましたが、まず選曲に驚きました。いきなりジェイムズ・ブラウンの「アイル・ゴー・クレイジー」なんだもん。今回はホーンセクションを加えてよりゴージャスなサウンド作りで、アール・キングの「ゾーズ・ロンリー・ロンリー・ナイト」やロスコ・ゴードンの「ジャスト・ア・リトル・ビット」などけっこうかっちり仕上げています。でもリトル・ジョーのアバンギャルドな魅力は当然どこでも全開で、ハービー・ハンコックの「カメレオン」に至っては確かにそうかなぁって位奔放にやってます。とにかく随所にあのえぐいギターとヴォーカルが登場する、リトル・ジョーならではのアルバム!また来日して欲しいですね。
2009. 5. 3 v.a. ; Mighty Super Funk Volume 6 ; BGP CDBGPD 1962009年リリース。アラン・トゥーサンの新譜はオールド・スタイルなジャズ・アルバムです。クラリネットにドン・バイロン、トランペットにはニコラス・ペイトンを迎え、「セント・ジェイムズ病院」「ウエスト・エンド・ブルース」「ジャスト・ア・クローザー・ウォーク・ウィズ・ジー」などニューオーリンズではおなじみのナンバーに、セロニアス・モンクやデューク・エリントンの曲も交え、ゆったりと落ち着いた演奏をしています。こういうの、好きだなぁ。で、ピアノのフレーズの端々にアランらしさがはみ出してくるのがさすがというか。ドクター・ジョンとはまた違ったアプローチで、アランならではの余裕を感じました。
2009. 5. 2 Shemekia Copeland ; Never Going Back ; TELARC CD-836921967年〜1976年くらいの、ファンクが生まれ育った時期の、それこそレアアイテムをこれでもかと詰め込んだシリーズの6作目です。今回は女性ヴォーカルものが前半に並んでいて、ドロッとしたファンクネストは一味違う感じになってます。中盤はフィリップス・ブラザーズの「フー・ストール・マイ・クッキー」、ロス・アフリカーノズのインスト版「イッツ・ユア・シング」、ジェイムズ・カーペンターの「パーティ・タイム」とにぎやかな感じの曲が並びます。映画の主題歌「ニュー・ディ」あり、ファジーなギターが時代を感じさせるアドルフ・ジェイコブズの「ドゥ・イット」ありと、通して聴くとファンクの多彩さが洪水のように押し寄せてきます。やっぱり腰を揺すりながら聴くのが一番ですね。
2009. 5. 1 Candi Staton ; Who's Hurting Now? ; HONEST JONS HJRCD372009年リリース。レーベルを移って、サウンドは少ししっとり気味になりました。でもサウンドはスティーヴ・クロッパーがプロデュースした前作よりまたロック路線に近づいた感じ。アコースティックな色合いを出したり、ジョニ・ミッチェルの「ブラック・クロウ」をジャジーにアレンジしたりと変化を出してはいますが、伸び伸び歌う「ボーン・ア・ペニー」みたいな曲が僕は好きですね。ちょっとファンキーな「リヴァーズ・インヴィティション」も悪くないけど、もっと抜いた歌い方が似合う曲だと思います。ラストの父親作「サーカムスタンシズ」、アコースティックなサウンドに乗ってじっくり歌ってますが、こうしたソウルフルな歌の上手さをアルバムとしてもっと生かせないのかなって思いました。
2009. 4.30 Ella Washington ; He Called Me Baby ; SOUND STAGE 7 SSCD 70142009年リリース。バラードにしてもミディアムにしても、全体に内省的な歌い方で、じっくりと歌い込んでいる印象があります。その分印象は暗いんですが、これも彼女の持ち味なんでしょうね。背景にはゴスペルの味わいがたっぷりで、特に「ゲット・ユア・ハンド・ダーティ」「「ダスト・オン・マイ・ピロウ」あたりからはそうしたものを強く感じました。僕はどうしてもFAME時代のイメージから抜けられないんで、もう少し他の作品を聴いてみたいと思います。
2009. 4.29 Willie Hutch ; Soul Portrait ; SHOUT! 521967〜71年のSOUND STAGE 7録音が集められています。最後の方の8曲は未発表とかでも音源だと思います。同レーベル発録音の「アイ・キャント・アフォード・トゥ・ルーズ・ヒム」はメンフィスの・チップス・モーマンのところで録られましたが、後はナッシュヴィル録音のようです。いかにもサザン・ソウルといったバックに乗ったバラードは彼女の力を上手く引き出していますし、ちょっとファンキーなアップナンバーも、アリサほどはこってリとしていませんが、張りのある伸びやかな声が魅力的です。全体にあまりコテコテではなくややすっきりした印象がありますね。この辺がレーベルの狙い線かもしれません。
2009. 4.28 Muddy Waters ; Live / Fillmore Auditorium San Francisco 11/04-06/1966 GEFFEN/CHESS B0012650-021969年のデビューアルバムのストレート・リイシューです。サム・クックに似た伸びやかなハイトーンの声、時にはちょっとカーティス・メイフィールドを思わせるファルセットを交え、とにかく溌剌と歌っています。サウンドはこの時代の音の割にはMOTOWN臭を感じさせないもので、ゴージャスなブラスと女性コーラスがハッチの歌を盛り上げます。乗りのいいミディアムが中心で、ファンキーさとポップさが程よくミックスされたサウンドは魅力的!さすがに名盤の誉れ高い作品ですね。
2009. 4.27 Suemarr ; Winter Song SUEMARR no number2009年リリースでおそらく発掘ものでしょう。ジョージ・スミスのハープ、ルーサー・ジョンソンにサミー・ロウホーンのギター、フランシス・クレイのドラムと当時のマディのツアーバンドによる演奏は、とても熱くて気合いを感じます。別の日のセットをそのまま収録しているようで、「40デイズ&40ナイツ」「フーチー・クーチー・マン」など重複する曲もありますが、それぞれ表情が微妙に異なっていて面白いです。しかしマディのギターの音がえぐいなぁ。さすが御大の存在感は抜群です。でも「公認のブートレグ」って何でしょね。
2009. 4.26 Suemarr ; Songs Of Hopeless Hope ; SUEMARR no number2008年リリース。たった2曲ですが、それだけで心が満たされる作品です。タイトル曲、数々のアコースティック弦楽器で複雑に織りなされるサウンドが、実に「冬」そのものなんです。外の寒さの中の暖かさとか、雪模様とかを感じるんです。そしてユキさんの描くブックレットの絵がまた素晴らしく、暖かい気持ちになるんですよ。音楽と絵のコラボ、不思議だけど素晴らしい作品だと思いました。
2009. 4.25 Zydeco Kicks ; Trailride ; ZYDECO KICKS no number2009年の作品です。ライヴを見に来てくださったご本人が、「ロー・クウォリティだけど」と言ってくださったものなんですけど、いやいやどうして、聴き所の多い作品です。多分自宅での録音だと思うんですが、楽器の息遣いが聞えるようなサウンドは、やはり弾き手の技量の高さならでは。またゆったりとレイドバックした歌からは、どこか高田渡に通じる雰囲気すら感じました。
2009. 4.24 Johnny Winter ; Live In America 1978 ; THE STORE FOR MUSIC SFMCD0462009年リリース。関東で唯一といっていい本格的なザディコ・バンドがアルバムを作りました。ブーズー・チェイヴィスやボージョック、クリフトン・シェニエの曲に日本語で詞を乗っけて、2枚のラブボードが煽りまくる、ドライヴ感たっぷりの演奏をぶちかますライヴ同様の楽しいアルバムになっています。オリジナル曲も収録してバンドとしてのまとまりも増していますね。このユニットの面白いところはもともとケイジャンをやっていたメンバーがいるため、ザディコと言ってもどこかのどかな風味が漂うところです。でもザディコならではのダンサブルなサウンドでいっぱい!楽しいですよ。
2009. 4.23 Kelly Joe Phelps ; Western Bell ; BLACK HEN BHCD-0053ちょうど『White, Hot & Blue』を出した頃でしょうか?「イーズィー・ライダー」なんて曲が入ってるんでそうかなと思ってます。ライヴの曲目はおなじみのものが多く、勢いのあるギターはジョニーならではです。でも例えば『狂乱のライヴ』ほどのアルバムとしての完成度がないので、どうも「音源垂れ流し」的に感じちゃうんですよね。ライヴ記録としては貴重で、それなりに興奮するんですが、この人あたりになるとやっぱり作品として練り上げられたものを期待してしまいます。
2009. 4.22 Hubert Sumlin ; Healing Feeling ; BLACK TOP/P-VINE PCD-931582009年リリース。これはびっくりしました。いきなり不協和音の塊のような現代音楽なんだもの。ケリーがジャズ・サークルの出身で、それもかなり実験的な音楽をやっていたことを思えば、このアプローチも理解はできますが、う〜ん、僕にはちょっと難解すぎました。時折耳を奪われる楽器の響きもあるにはあるんですけどねぇ。
2009. 4.21 Chase The Sun ; Chase The Sun ; P-VINE PCD-931941989年録音。ロニー・アールのブロードキャスターズがバックをつけ、ジェイムズ・デイヴィスとバンドのハーモニカ担当ダレル・ナリッシュがヴォーカルを取っています。聴き所はまず何といってもサムリンのギターで、例のシャリンとしたサウンドで縦横無尽に駆け回るスタイルは健在です。選曲はオリジナル中心ですが、スローブルースとしてフレディ・キングの「プレイ・イット・クール」を選んでいるのが面白いです。サムリン、気持ちよく弾きまくっていますね。興味深いのは「ダウン・ザ・ダスティ・ロード」で、サムリンがソロの弾き語りを柔らかくやっています。何でも休憩時間に遊んでたものをそのまま曲にしちゃったみたいで、その確かな腕前を満喫できます。
2009. 4.20 Matt Walker & Ashley Davies ; Catch That Plane ; STOVEPIPE/P-VINE PCD-932332007年リリース。それを最近オーストラリアに目のないP-VINEがボーナスにライヴ音源を1曲くっつけて出しました。のっけから気持ちのいいリゾネイタの響き!ドラムやベースが入っても、基本はアコースティック・ギターで、はやいフィンがリングとかスライドとか、ジェフ・ラングとはまた違った、でもどこか通じるアプローチをしています。唄はジョニー・ラングを思い出しました。「イン・マイ・ハンズ」は最初の歌い方がちょっとジェイムズ・テイラーを彷彿させたり。こういうのをオルタナって言うのかな。ジャンルで説明した気になるのが嫌いなんで、どうでもいいことですが。とにかくアコースティック・ギターでロックやるとこうなるって感じでしょうか。ベン・ハーパーとかを思い出しました。
2009. 4.19 Joe Bonamassa ; The Ballad Of John Henry ; J & R ADVENTURES PRAR916461997年から2005年にかけて出されたアルバムからのベストのようです。オーストラリアのギタリストとドラマーという異色のデュオですが、まずアシュリーのドラムが格好いい!変に控えめになることなく、ビートをきっちり刻み出しています。スネアのゴーストの切れとか、凄くグルーヴィーです。その上に乗ったマットのギターと歌、それにハーモニカ、どれを取ってもリズム感が抜群で、その上まっすぐに迫ってくるものがあります。アコースティック・ギターでのハードなプレイ、エレキを使ったサウンド、いずれも存在感があります。そして歌はみずみずしさがあります。サニー・ランドレスの歌を思い起こしました。
2009. 4.18 v.a. ; Jugs Across America - A Modern Jug Band Compilation ; WHISKEY FOR BREAKFAST WFB0022009年リリース。タイトル通り伝説の人物ジョン・ヘンリーを題材とした組曲になっています。いつも通りディストーしょんの効いたギターをギュンギュンいわせ、張りのある声で歌っていますが、「ジョッキー・フル・オヴ・バーボン」のイントロなどに工夫はあるものの、組曲という割にはドラマティックな感じは少ないです。「ロンサム・ロード・ブルース」や「ファンカー・ザン・ア・モスキーツ・ツウィーター」はZZトップを思わせるような曲で、ギターも駆け回っていて格好いいですね。後者はブラスも入っています。ラスト2曲でリゾネイタを生かした曲が出てきますが、もっとアコースティックなサウンドを混ぜたら劇的な感じになったんじゃないでしょうか。
2009. 4.17 v.a. ; Stompin' 8 ; STOMPIN ST30821世紀になって出されたアメリカのジャグバンド集です。ジャグ・フェスとタイアップしてのリリースかな。キャロライナ・チョコレート・ドロップスのようなブルーグラス・タッチのバンドもありますが、全体的にはオールドジャズっぽいサウンドが多いですね。アコースティック・ギター、バンジョー、フィドル、アコーディオンなど様々な楽器が活躍し、みんなでワイワイ楽しそうに演奏していますが、これぞまさにジャグ・バンドの楽しみ方って感じです。ジャッジメント・ジャグ・バンドとなるとクリーンなエレキのサウンドを交えて一味違った雰囲気。ランブリン・ジャグ・ストンパーズの古〜い雰囲気もまた良しです。とにかく20バンド、それぞれ個性的で飽きることなく楽しめました。
2009. 4.16 v.a. ; Stompin' 7 ; STOMPIN ST307ルイス・ジョーンズのボビー・ブランド「アイ・キャント・ターン・ユー・ルーズ」風「カム・オン・ホーム」からスタート。ノヴェルティなアーティ・ウィルソンの「ターザン」、パーチ・ウェルチの「ナーシー・ライム・ロック」なんてのが前半を飾ります。ピアノ・スリムってありがちな名前の「ロット・オヴ・シェイキン・ロット・オヴ・ジャイヴィン」は例に漏れずリトル・リチャード・マナーだけどちょっといなたい感じ。ギターはジミー・スプルーイルみたいです。ビッグ・エイモスはご機嫌なサザン・ビートに乗ったハーモニカ・ロッキン・ブルースを歌ってます。エディ・ダニエルズはプレスリーのフォロアーかな。フィル・フラワーズの「ツイスティン・ビート」はチャビー・チェッカーをかなり意識してると思います。大好きなフロイド・ディクソンを挟んで最後はその名もヴォルケイノズ!ラテン系のノリで「オー・オー・モジョ」を軽く決めちゃってます。
2009. 4.15 v.a. ; Stompin' 6 ; STOMPIN ST306おっといきなりサックス・カリの「チョコレート・フィズ」なんてご機嫌な曲からスタートします。どっかで聴いたようなギターのイントロがおかしいハンク・ムーアの「ノック・ニード・ルースター」はドゥーワップ風コーラス付き。モジョ・ワトソンの「ルック・ゼア」、アルバート・ワシントン「ランブル」ともにギターの切れのいい曲です。ロード・ベリーの「カルドニア」は隠し芸的なノリが楽しいし、ジョン・バラードの「メアリ・ルー」もジャンプな感じがたまりません。ハーモニカ・ファッツはその生音のハープと対称的ながなり系のヴォーカルがけっこうガツンと来ますね。ジャッキー・ブレンストンの「トラブル・アップ・ザ・ロード」、うしろで強烈なギターを弾いてるのはアイクかしら。この他あいもかわらずご機嫌なチューンが目白押しです。
2009. 4.14 v.a. ; Stompin' 5 ; STOMPIN ST305いやはや、よくネタが尽きないもんです。豪快にシャウトするスライ・フォックス、「マイ・フォー・ウィメン」は「フィーリン・グッド」風のブギをバックにわめきまくりですし、ルーファス・ブラウンの「キープ・ア・ノッキン」は本家以上のパワフルなヴォーカルが聴きもの。途中ホームシック・ジェイムズのダウンホームなブルースも入ってたりするんですが、ファニー・モーの「シェイク・ザット・シング」もかなり強烈。ジョン・フレッド&ザ・プレイボーイズの「ブギ・チレン」はロカビリー調でのちのブリティッシュ勢の演奏と比べると面白そう。もっと面白いのがボー・デュドリー(!)の「ショットガン・ライダー」で、うしろで暴れるスチールギターは間違いなくフレッド・ルーレットです。こういう中シャイ・ガイ・ダグラスの「モンキー・ドゥイン・ウーマン」みたいな知ってる曲が出てくるとなんか和みます。
2009. 4.13 館野公一 ; 語り歌の継承 Vol.2 ; TATENO KOUICHI no numberいくらでも続く感じのこのシリーズ。第5集になってもちっとも衰えません。ライモン・ダーネルが「メイベリーン」のアンサーソングを歌えば、サニー・ボーイ・ウィリアムスという何とも紛らわしい人がけっこういかしたロッキン・ブルースをやってたりします。タイ・タング・ハンレイの「ユー・ゴット・マイ・ノイズ・ワイド・オープン」はどことなくジャイヴ感覚のある曲。ビッグ・ボーイ・グローヴズの「アイ・ガッタ・ニュー・カー」は良くある「アイ・ドント・ノウ」タイプの曲だけどブラスがえぐいです。ロッキン・ブラッドレイがリトル・リチャードばりの歌を披露すれば、アール・ギリアムはB.B.キングのように朗々と歌います。クライ・ベイビー・カーティスの「アイ・ワナ」はジェイムズ・ブラウンの「プリーズ・プリーズ・プリーズ」を意識してるんですが、歌詞をややこしくしすぎていまひとつな感じ。ラストのモジョ・ワトソンまで相も変わらずご機嫌な曲の連発です。
2009. 4.12 館野公一 ; 語り歌の継承 Vol.1 ; TATENO KOUICHI no number公一さん2作目はボブ・ディランの「ハリケーン」の訳詞版を含む4曲。こちらも「じゃぱゆきくんの冒険」など社会性の高い作品が入っていますが、一番嬉しかったのは「箪笥」です。公一さんとの出会いもこの歌でしたし。この歌の滑稽さを支えているのは、聴いていて目の前に情景が浮かんでしまうその公一さんの卓越したスタイルによるもので、おそらく文字で詞を読んでも面白さはあまりないでしょうね。ここに語り歌の真髄があると思いました。
2009. 4.11 v.a. ; Stompin' 4 ; STOMPIN ST304社会派フォークを歌う公一さんのライヴを記録したアルバムです。このアルバムに入っている曲はたったの4曲ですが、1曲が長くて面白い。もちろん「DU」(劣化ウラン)や「見えない光の矢」(臨界事故)など、テーマは重たく、それぞれぐっと来るんですけど、ドロドロに重く歌うのではなく、軽妙な語り口でどんどん聞き手をその世界に引き込んじゃうんです。「豚のご飯〜富士見が丘ストーリー」は2曲合体ですが、これまたいろいろ考えさせられました。でもハッピーエンドなんですよね。是非ライヴを体験してもらいたい人のひとりです。
2009. 4.10 v.a. ; Stompin' 3 ; STOMPIN ST303第4集はぐっとジャンプ・ブルースっぽい曲が増えています。オースティン・ライトなどけっこう重厚。でもHボム・ファーガソンはけっこう軽快なロケンロールだったりします。エディ・リフはギターが思いっ切りチャック・ベリーしてて歌などもかなり意識してるのが分かります。ロイ・ゲインズの「ラウド・マウス・ルーシー」は「アイ・ドント・ノウ」系の曲ですが、さすが名手!合いの手のギターが秀逸です。ギター・クラッシャーは強烈な名前ですが演奏はそれほどでもないブルームダスター調でした。この他ホンキーなロイ・パーキンスとか、車の擬音が格好いいルイス・ペイン・オーケストラとか、相も変わらずオブスキュアな人たちがてんこ盛りになってます。
2009. 4. 9 v.a. ; Stompin' 2 ; STOMPIN ST302シリーズ第3弾はガブリエル&ヒズ・トランペットのポップな「ドント・ステイ・アウト・オール・ナイト」からスタート。ギターがけっこうえぐいです。「アイム・ガブリエル」の方はファッツ・ドミノの「リーリン&ロッキン」のパクリですね。ストレートなトランペットがユニークです。ベニー・シャープのオーケストラ「セント・ルイス・サンセット・トウィスト」、これ、ギターはアイク・ターナーですよね。聴いたことあるなぁ。笑えるのがロールス・ロイス&ホウィールズでバンド名もいかがわしいですが、曲が「トップレス」!男女が大声で「トップレス」と叫ぶってのが凄いです。プリンス・チャールズも全く無名ですが、「カム・オン・ホーム」のギター、ウェイン・ベネットみたいに格好いいです。知ってる名前はビリー・ライトとかラヴァーン・ベイカー、キャロル・フラン(「アイム・ゴナ・トライ」って60年代末くらいの音に聞こえます)の名前もありますが、ポルカ・ドット・スリムなんてレアものも出てきます。で、一番嬉しかったのがロニー・ブルックスの「ミスター・ホット・ショット」!大好きな曲でLPでは音源持っているんですが、CD出ないかなと探し回っていたらこんなところに入ってました。だからコンピ集めは止められないんです。
2009. 4. 8 Koji & Satoshi ; 生存確認出張料 ; BORDERLINE BLRN-401詳細は分かりませんが、1950年代後半から60年代にかけてのご機嫌なB級R&Bやブルース、ロックンロールを集めたコンピです。第1集は入手できていません。まずマッキンレィ・ミッチェルの「ロック・エヴリバディ・ロック」というご機嫌なギター・ブギからスタート。ほとんど名前も聞いたことのない人が並んでいますが、いかした曲ばっかりです。テーブル・トッパーズの「トーク・トゥ・ミー・ベイビー」は、ヴェンチャーズのようなギターと「ハイ・ヨー・シルヴァー」の連呼が何ともこの時代らしいです。ジョン・グリアはさすがに名前を知ってましたが、ギターがとにかく格好いいです。ビッグ・ブラウンとギャンブラーズの「マイ・テスタメント」はドライヴするロケンロール。おっと、チャールズ・クラークの「ヒドゥン・チャームズ」はCOBRAだっけ?そんな中にフルソンの「ストップ&シンク」が入ってたりするんです。これもレアですね。メイベル・フランクリンて言うのはビッグ・メイベルかな。「レッツ・ドゥ・ザ・ウィグル」、ギターの暴れ方が半端じゃありません。ジミー・マクラックリンの「サヴォイズ・ジャンプ」はもろ「チキン・シャック・ブギ」ですね。で、ラファエット・トーマスの「コックローチ・ラン」、ゴキブリが走るんですよ!ああ楽しい!
2009. 4. 7 遠峰あこ ; 横浜ほーらい節 ; 遠峰組 T-0022009年リリース。コージ&サトシは横浜を中心に活躍するユニットで、根っこにブルースを持ったオリジナル曲を中心にやっています。ヴォーカルのコージが書く詞は、シュールさと生々しさが微妙なバランスで絡み合っていて、それを芝居がかった歌い方でうなるスタイルは唯一無二と言ってもいいでしょう。サトシの地味だけどきっちりとしたギターに支えられ、コージが指先まで神経を通わせて歌う姿が目に浮かびます。パーカッシヴでファンキーな「予感」と静けさをたたえた「盲目の羊」、でもそこに通底するのがコージの哲学。そのどろりとした感じがたまりません。
2009. 4. 6 The Derek Trucks Band ; Already Free ; SONY MUSIC JAPAN SICP 21602009年リリースです。今や野毛はおろか横浜中の人気者になったあこちゃんの第2弾は、横浜開港150周年を記念して、横浜の民謡を作っちゃおうというものです。タイトル曲がそれで、その他4部作の「野毛の心意気」や「日ノ出大明神音頭」など、ご当地を歌い込んだ創作民謡がたっぷり詰まっています。これをアコーディオンに津軽三味線、さらにたかっちゃんのサックスまで加えてやるんですからもう大にぎわい!とっても楽しいアルバムになりました。
2009. 4. 5 Otis Rush ; Chicago Blues Festival 2001 ; P-VINE PCD-242222009年リリース。いきなりボブ・ディランの曲をデレク独特のスライドで彩ってカヴァーしてみせる演奏にはびっくりしました。その音楽的な幅の広さはデビュー当時からありましたが、何でもやってみようという感じから、自分の好きな、自分に似合う音楽を突き詰めていく感じになってきたと思います。しかもじっくりとスタジオで腰を据えて音作りした様子が伝わってきます。ダミ声のマイク・マティソンの他、より若々しく張りのある声で歌うドイル・ブラマールという色合いの異なるヴォーカルを起用したことによって、より音楽的な幅も広がっています。「バック・ホエア・アイ・スターテド」では奥方のスーザン・テデスキもすばらしい歌を披露。南部のロック魂とソウルが見事に融合した作品となっています。
2009. 4. 4 The Fumes ; Sundancer ; P-VINE PCD-93219マーティン・スコセッシのブルースのシリーズの最後にライヴ映像集がありましたが、その中にとらえられていたラッシュがたぶんこれです。まだ倒れる前の演奏で、「ロックス」のリフを使った「アイ・ガット・マイ・モジョ・ワーキング」からスタート。以下お得意のナンバーをこれでもかと演奏していきます。ギターの粘り腰はさすがという他はなく、ヴォーカルは必ずしもベストとは言えませんが、「ソー・メニー・ローズ」など一瞬息を飲むようなところもありました。決してベストのライヴ盤とは言えないけど、貴重な記録だと思います。
2009. 4. 3 v.a. ; Black Tootsie Roll ; STILL SLCD 11602009年リリース。オーストラリアのブルース・ロック・バンドの新譜です。プロデュースをデトロイトのジム・ダイアモンドが担当し、ギター一辺倒ではなくピアノやアコースティックな感じをうまく取り入れて幅のあるサウンドに仕立て上げました。タイトル曲などどこかライ・クーダーを思わせるサウンド。でももちろん彼らの魅力はその押しまくるギター・サウンドで、ひずんだギターでスライドをかませながらドライヴする「スレイ・ザ・ライヤー」や「フー・ドゥ・ユー・ラヴ」などは爽快。まあこの辺は好みの分かれるところでしょうが、前作より大きく前進したなという印象です。
2009. 4. 2 The Headhunters ; On Top - Live In Europe ; N.U.M.M. 1001-Cこれまたおそらく1950年代終盤から60年代初頭の録音だと思います。まあよくここまでマイナーレーベルのご機嫌なロッキンナンバーを集めたもんです。ディーン&ジーンのノリノリの「オー・イェー」からスタート。ピアノでロッキンするものあり、サックスがぶりぶり行くものありと、怒涛のダンス大会。ボビー・マーティンの「トゥートシー・ロール」なんて興奮がこっちに伝わってきます。一方L>D.ルディーの同名異曲はリトル・リチャード・マナー。キスしまくるビーヴェリー・ライト・ライトの「キッシン・ブギ」なんてお色気ものもあったり、ちょっとレイジーなローレン・エイトケンの「ブギ・イン・ザ・ボーンズ」なんてのがあったり、知ってる名前はデイヴ・バーソロミューとガス・ジェンキンズくらいなんですが、とにかく楽しめました。
2009. 4. 1 Truckstop Honeymoon ; Great Big Family ; SQUIRREL 1054 CD2007年のヨーロッパ・ツアーの模様です。バンド名はもちろんビル・サマーズが参加して生み出されたハービー・ハンコックの名作からとったもので、「スライ」や「ウォーターメロン・マン」などどうアルバムからの曲も収録されています。演奏の要はマイク・クラークのドラムで、マーク・シムのサックスがいい味を出しています。「バタフライ」ではドナルド・ハリソンがサックスを吹いています。さすが名人級のリズム隊ですからそのファンク度の高さは言うまでもありません。ジャズでありながら肉体的でアフリカンな雰囲気がたっぷり。楽しめました。
2009. 3.31 v.a. ; Black Shippin' Rhythm ; STILL SLCD 11682008年リリース。冒頭の「マルディ・グラ・イン・カンザス」のややセカンドラインした感じから、タイトル曲のオールド・タイミーなジャズの香りなど、ヴォーカルを聴く限り下地はカントリーやブルーグラスにあるんですが、その範疇にとどまらないサウンド作りをしています。バンジョーやマンドリンなども達者に操り、ケイティとマイクが交互に歌っていく感じですが、アコースティックの良さを存分に生かしていて、なんだかほっとできる音になっています。
2009. 3.30 v.a. ; Black Huchia Cuthia ; STILL SLCD 1169これも1960年前後の録音でしょう。サザンビートがご機嫌なビリー・レインスフォードの「マグノリア」あたりがまずはガツンと来ました。ベン・ヒューズの「クレイジー・マン」や獣の鳴き声が笑えるウェイリング・ベサの「ロッキン・イン・ザ・ジャングル」はタイトル通りのノヴェルティさ。トミー・マローンはピアノ・ブギの名作を「カウ・カウ・シェイク」として楽しくやってます。エディ・C.キャンベルの「オール・ナイト」はかっこいいギター・インスト。でも何でパート2しか入ってないのかしら。ボビー・コルキーの「ミリオン・ダラー・プレイ・ガール」は「アイ・ワンダー・ホワイ」と同じイントロからスタート。トゥルトーンズの「ダウン・ビロウ」はツイスト時代ならではのご機嫌なインスト。ルイーズ・ブラウンの「サン・イン・ロウ」は「マザー・イン・ロウ」のアンサーかと思ったらそうでもなく、バックのギターがやけにかっこいいのでした。
2009. 3.29 v.a. ; Shake That Thing ; STILL SLCD 1161これも1060年前後の音でしょう。まあいくらでも出てくるって感じですね。スピーディなウィリアム・ウォーカーの「パーティ・タイム」、これは2ヴァージョン収録されてます。ちょっとジャジーな「マンハッタン・リズム・ボーイズの「フェザーウェイト・ママ」、ギターのかっこいいレオ・プライスの「クウィック・ドロウ」など前半からB級度抜群のロッキン・ナンバーが目白押しです。クリフォード・キングの「チキン・シャック・ブギ」はなんとハーモニカによるもの。ギター・トミー・ムーアはまるでロバート・ワードみたいなトレモロサウンドで、とぼけた感じの「アイ・エイント・バザリン・ノーバディ」を歌います。リトル・リチャードの影を感じるのはハニーボーイ・ブライアントの「ファニー・ルッキング・シング」。とにかく面白いもののてんこ盛りです。
2009. 3.28 v.a. ; Group Harmony & Jump - The Legendary DIG Masters Volume 5 ; ACE CDCHD 759このシリーズは正確な録音データとかはないんですが、おそらく1950年代後半から1960年代初頭の、オブスキュアな録音を集めたものです。相変わらずご機嫌にロッキンするB級サウンドがこれでもかと詰め込まれています。聴いたことがあるのはヘンリー・ヘイズくらいかなぁ。注目曲をピックアップすると、ボブ・リードのインスト「マリブ」がまず仲々かっこいいロッキン・ギターです。レッド・ミラーの「メアリ・ジョー」はオリジナルより軽快な感じ。ザ・ドッツの「ウルフ・コール」はやっぱり「ハウンド・ドッグ」の影響なんでしょうか。エヴェレット・ジョンスンの「ブギ・ウギ」はどっしりしたピアノブギでガツンと来ました。ローカルシーンの奥深さを感じさせる1枚。
2009. 3.27 v.a. ; Great Black Cooga-Mooga ; STILL SLCD 11631956〜61年の録音。ジョニー・オーティスのDIGレーベルに残されたコーラスを中心とした録音集ですが、その多くは当時未発表だったものです。リリースされたトニー・アレン、リトル・ジュリアン・ヘレーラなどはゆったりしたポップ・バラードといった曲調で、この辺がヒットを狙えそうな曲と考えられていたようです。未発表のファントムズ、ヴァイデルズ、クリック・クラックスになると、けっこうノリのいいアップテンポの曲もあるんですが、東海岸やシカゴのものに比べる都全体に軽めで明るい感じですね。これがカリフォルニアってことなんでしょうか。「ドント・エヴェー・リーヴ・ミー」という曲はシュガー・パイ・デサントとピー・ウィー・クレイトンのデュオでしょうか?歌だけではちょっと分かりませんでしたが、ギターは確かにピー・ウィーかも。
2009. 3.26 v.a. ; All Color Weird Rhythm ; STILL SLCD 11661950年代終わりから60年代初めくらいの音源集でしょう。STILLのこのシリーズ、安っぽいジャケットにレーベルの写真を貼り付けたインレイとほとんど芸はないんですが、25曲無名のご機嫌なナンバーが詰まっています。まず冒頭のチャック・マン「リトル・ミス・ルフェット」、ギターがご機嫌ですね。チャールズ・ウォーカーの「イット・エイント・ライト」と「チャールズ・ウォーカー・スロップ」はどっかで聴いたことがあるかも。ジェイ・ミラーのセッションのような気がします。ジョニー・ジョンソンの「グレート・クーガ・ムーガ」はノヴェルティな感じ。こんな中にひょこっとジミー・スプルーイルの「スクラッチン」や「カントリー・ボーイ」なんてのが出てくると嬉しいですね。ロイ・ブラウンの「ヤング・ブラッド・ツイスト」は初めて聴くかも。こういう発見があるから楽しいんです。
2009. 3.25 v.a. ; Dark Rhythm Hokus Pokus ; STILL SLCD 11581960年前後の録音でしょう。まず一番の目玉はジョニー・ウィンターかな。「ザッツ・ワット・ラヴ・ダズ」、まるでEXELLOかGOLDOBANDみたいなロッキンナンバーです。ギターは面影がありますが歌は若々しくてまっすぐ。またロジャー・カルキンスの「ディンプルズ」もいかにもハイスクール・バンドといったサウンドで微笑ましいです。どうやらタイトル通り白黒関係なくダンス・チューンを集めてあるみたいで、声が若くて軽い感じのものが多いですね。
2009. 3.24 v.a. ; Screaming Black ; STILL SLCD 11621960年前後の録音でしょう。冒頭のロニー・グッデの「ホークス・ポークス」、もろリトル・リチャードですね。のんびりしたハーモニカがユニークなアンディ・ベルヴィンの「トラヴェリン・ムード」もちろんウィリー・ウェインの代表曲ですけど、のどかで気に入りました。ビッグ・バッド&リネの「クードゥル&クー」はジャイヴ感覚たっぷりで楽しい曲です。コンチネンタル5のその名も「キング・オヴ・ロック&ロール」、かっこいいギターに「ヤケティ・ヤック」の替え歌みたいな歌がB級の王道って感じです。ハル・ペイジは「シュガー・ベイブ」という「マイ・ベイブ」の替え歌やってますが、サックスソロはさすがって感じです。T-バーズの「フル・ハウス」はかっこいいインスト。ロニー・ヤングブラッドの「ヤングブラッド・フィーリング」もかっこいいギター・インスト。全体に幅広い選曲が光ります。最後は水爆ファーガソン「ノー・サッキー・サック」にどっかんと締めてもらいましょう!
2009. 3.23 Clarence Carter ; Patches ; ATLANTIC/WARNER MUSIC JAPAN WPCR-252391950年代後半〜60年代初頭のロッキン・R&B集です。冒頭のハロルド・ワードのジャンプ・ナンバー「ハウ・ワイルド・キャン・ア・ウーマン・ビ」からまずかっこいいですね。リチャード・ワイルはちょっとマイナーなピアノのイントロからマーヴェレッツの「マネー」を歌います。ちなみにレーベルはMOTOWN。続くクリス・ケナーのブルージーな「ドント・レット・ハー・ピン・ザット・チャージ・オン・ミー」「グランドマズ・ハウス」は初めて聴く掘り出し物でした。同じケナーの「ドント・メイク・ノー・ノイズ」は楽しいノヴェルティ・ソング。ジャガーズの「ジニー・ジニー」はもろ「ジェニー・ジェニー」のパクリ。アーニー・ウィリアムズの「マイ・プリティ・ベイビー」はサックスがかっこいいです。レックス・ガーヴィンの「オー・イェイ!」は豪快なロックンロール。ロイド・プライスの「ライト・カインド・オヴ・ガール」なんて曲も入ってました。全体にギターのかっこいい曲が多く、楽しめる1枚です。
2009. 3.22 v.a. ; The Best Of ENRICA & RAE COX Vol.2 ; EAGLE EA-R 904211970年リリース。もちろんフェイム・スタジオ録音です。このスタジオのちょっと明るめのサウンドとクラーレンスの歌声はよくマッチしています。タイトル曲は「レイニー・ナイト・イン・ジョージア」にちょっと通じるような印象的な曲調のナンバーで、歌の由来の語りから入ります。いかにも70年代といったメロディとサウンドを持っており、もう少し運が良かったらポップチャートの上位に食い込んでも不思議のない曲ですね。この他ゆったりとした「レット・イット・ビー」やブルースものもありますが、やはり彼の魅力は「アイ・キャント・リーヴ・ユア・ラヴ・アローン」や「イッツ・オール・イン・ユア・マインド」で聴かれるリズムものだと思います。
2009. 3.21 Eddie Taylor ; Live In Japan 1977 Deluxe Edition ; P-VINE PCD-28007/81960年前後の録音でしょう。第2弾ですからますますレアものが中心になります。目玉はスクリーミン・ジェイ・ホウキンスの3曲で、例によってお化け屋敷のようにおどろおどろしくやってます。この他はシャロウズ、サンセッツ、シンフォニックス、オーヴァートーンズ、セレナデッツなど無名のコーラス・グループが中心です。そんな中ポピュラー・ファイヴがコーズの「シブーム」やロニー・ジョンスンの「トゥモロー・ナイト」などのヒットをカヴァーしているのが耳に残りました。またフェンダー・ギター・スリムなる謎の人物のギター、かなりユニークでかっこいいです。クローヴァートーンズのバックではエスキューリータがピアノを弾いてます。
2009. 3.20 Johnny J & The Hitmen ; Louisiana Rockabilly ; BLUE VIPER BV004以前出ていたアルバムに、未収録だった音源を加えて、当時の様子を再現した特別盤2枚組です。一応エディがメイン・アクトということになっていますが、ルイス・マイヤーズのハープや歌もかなりフューチャーされており、また「ノヴェルティ・サイド」としてオディ・ぺインの「アイ・ドント・ノウ」や「ハンバーガー・0-1-8-1-2」、さらにディヴ・マイヤーズのヴォーカルも収録、当時のライヴがエディの単独公演というよりはシカゴ・ブルース・パッケージのようになっていたことがはっきり伺えます。それぞれ質の高い演奏で、エディの「ホイ・ホイ」などはいつ聴いてもかっこいいと思うんですが、同時にこのメンバーがベストだったのかなという気もします。特にエディに対するルイスの対抗心が随所に見られ、ちょっと不穏なものも感じるんですが。
2009. 3.19 Roscoe Robinson ; Why Must It End ; SOULSCAPE SSCD 70152008年リリース。タイトル通りのアルバムです。ルイジアナのロカビリー・プレイヤーがテレキャスターをかき鳴らしながらこれでもかとロカビリーを披露。グリッティなギターサウンドはそれなりにかっこいいし、張りのある歌、ノリのある演奏とベテランらしい安定感を感じますが、でもそれだけなんですよね。それ以上にぐっと来る魅力を僕は感じませんでした。
2009. 3.18 v.a. ; The Answer To Everything - Girl Answer Songs Of The 60s ; ACE CDCHD 11661965〜69年の録音集です。伸びやかなテナーを生かした歌声はすばらしいものがあり、ヒットしたジャンプ・ナンバーの「ザッツ・イナフ」やぐっとファンキーなヒット曲「オー・ウィー・ベイビー・アイ・ラヴ・ユー」を収録。「フォックス・ハンティング・オン・ア・ウィークエンド」なんて意味深な曲はどうやら「ストーミー・マンディ」をちょっとモチーフに使ってるみたいです。新しい録音になるにつれてファンキーな曲が増えていきますが、根っこのゴスペル・テイストがずっと生き続けているのが彼の魅力だと思います。「ホワイ・マスト・イット・エンド」なんてバラッドはぐっと来ますね。
2009. 3.17 ジェロ ; 約束 ; VICTOR VICL-632531959〜66年に出された、ヒット曲に対する主にガール・グループによるアンサー・ソング集で、さすがACEといった仕事です。タイトルの後ろに元のヒット曲がちゃんと書いてあるのも親切。しかし「シェリー」のアンサーが「ジェリー」ってのには笑いました。「今夜はひとりかい?」に「ええ、あたしはひとりよ」って歌うドディー・スティーヴンスみたいな分かりやすいのもありますし。有名どころではエスター・フィリップスが「女が男を愛するとき」と答えたり、カーラ・トーマスが「ブリング・イット・オン・ホーム・トゥ・ミー」に「アイル・ブリング・イット・オン・ユー・ベイビー」と答えたりしてます。ほぼ女性のアンサーなんですが、そこに男性のバーテル・ダッチェなんて人が入ると、ちょっとびっくりです。英語の勉強になるアルバムです。
2009. 3.16 Jimmy Carpenter : Toiling In Obscurity ; JIMMY CARPENTER no number2009年リリース。ヒット曲「海雪」を含むアルバムで、阿木&宇崎の他クレイジー・ケンやつんくが曲を提供し、秋元康の詞など、まあ豪華なメンバーの楽曲を、ストレートで見事な歌唱力でジェロは歌い上げています。本当にうまいなぁと思うんですが、演歌なのか歌謡曲なのかちょっと半端な感じもしました。その原因は歌詞なんです。これはジェロの問題というより、作詞する人たちが、巧みに言葉を使おうとしているんですが、結局「演歌を作ってみました」という感じで、言葉に情が乗り移っていないんです。ジェロもそこに自分の情を込められるほどの力はないので、なんだか上っついた感じになっているように思いました。むしろ古い演歌名曲集を歌ったものの方が面白いんじゃないかなと思っちゃいました。
2009. 3.15 Dennis Gruenling ; I Just Keep Lovin' Him ; BACKBENDER BBR7082008年リリース。いきなりラテンフレイヴァーたっぷりの曲からスタートしますが、基本はブラック・ミュージックにあると思います。時にはジャジー、、時にはファンキーな曲をバックに、ジミーの黒々としたサックスが鳴り渡ります。でもやっぱりニューオーリンズらしいブラスバンド風味の「バック・バイ・ザ・リヴァー」が好きだなぁ。クレイグ・クレインが参加してます。ストーンズのバラード「シャイン・ア・ライト」を歌ったりしてますが、ヴォーカルはちょっと線が細いか。
2009. 3.14 Bharath & His Rhythm Four ; Friday Night Fatty ; B.RAJAKUMAR no number2008年リリース。タイトルから分かるようにリトル・ウォルターに心酔したハーピストのアルバムで、ギターにラスティ・ジンやハーモニカになんとキム・ウィルソンも参加しています。そのキムの他リック・エストリン、スティーヴ・ガイガーがハーモニカとヴォーカルで参加し、ダブルハープを披露しています。またジーナ・フォックスという女性も歌っていますが、この人の歌は僕はちょっと苦手です。全体にシカゴ・スタイル、特にリトル・ウォルターのスタイルを再現しようという意欲を感じ、ある程度成功していると思いますが、ゲストが多彩すぎて、本人がちょっとかすんだかも。うまいハーピストなんですけどね。
2009. 3.13 Carlos Johnson ; Encore! Live At B.L.U.E.S. On Halsted ; P-VINE PCD-250922007年リリース。この人はカナダのハーピストのようです。ギターにジュニア・ワトソンが参加していて、こってりとしたシカゴ・ブルース・サウンドを再現しています。アンプリファイドされたハープはかなり達者で、リトル・ウォルターの影がくっきり。一方マディばりのスライドをバックにした「ルイジアナ・ブルース」では生ハープを巧みに吹いていますし、「ボーン・ブラインド」などではまるでサニーボーイ・ウィリアムソンがよみがえったような演奏を聴かせます。ヴォーカルはちょっとダミ声ですが、割合味わいがあります。シカゴ・ブルース好きが昔の良き演奏を今に蘇らせようとした感じのアルバムで、そういう企画と考えれば好感がもてますね。
2009. 3.12 Fred Hughes ; And His Groups ; VELTONE #10012006年のライヴ録音で、以前出たアルバムに未収録の音源を集めたものですが、内容は決して聴き劣りしません。DVDとも重複が少なく、とても良心的な編集です。カルロスのギターの調子はもちろんいいんですが、やはり達者なバックがつくとより映えますね。ジョニー・ギター・ワトソンの「リアル・マザー・フォー・ヤ」は後半ボビー・ブランドの「ターン・オン・ユア・ラヴライト」に転じてかっこよく盛り上がりますし、何より嬉しかったのが「マーシー・マーシー・マーシー」。来日の時物足りない感じだったんですがこちらはすばらしく盛り上がります。ジミー・リードのメドレーなどシカゴらしさを出しながら、カルロスらしいモダンなセンスのギターがふんだんにつまったアルバムです。
2009. 3.11 Bobby Jones ; Comin' Back Hard ; DELTA GROOVE DGPCD129詳細なクレジットはありませんが、マーキーツ、シンバルズ、バラーズ、ミュージック・シティ・ソウル・ブラザーズといったコーラスバンド時代とWANDのアルバム、それに大ヒットした「センド・マイ・ベイビー・バック」などが集録されています。フレッドはVEE-JAYでの活躍が知られていますが、ここでとらえられる彼のハイトーンのヴォーカルは力強く、WANDの60年代終盤を思わせるサウンドにのり適度なファンクを得て歌う歌は伸びやかです。もっと注目されていい人だと思いました。
2009. 3.10 John Scofield ; Piety Street ; EMARCY/UNIVERSAL UCCM-11682009年リリース。ボビーはベテラン・ブルース・シンガーですがアルバムには恵まれてこなかった人。ここに来てマニッシュ・ボーイズの面々がすばらしいサポートをつけて彼の歌の良さを十二分に引き出しています。西海岸のバンドながら、カーク・フレッチャー、フランク・ゴールドワッサー、キッド・ラモスといった名手の奏でるギターは、どこかシカゴに対するあこがれのようなものも感じます。アイク・ターナーの曲を2曲やっていますが見事にはまりますね。この他乗りのいい「ミステリー・トレイン」は歌の良さもありますが、バンドの充実ぶりを伺わせます。好盤です。
2009. 3. 9 Stanton Moore ; Take It To The Street (The Music) BUFFALO BUF-5112009年リリース。まずメンバーがめちゃめちゃ豪華です。ヴォーカルとキーボードがジョン・クリアリーでサブのヴォーカルにジョン・ブッテ、ベースにジョージ・ポーター・ジュニア、ドラムはビーチ・ボーイズのリッキー・ファッターと来れば、出てくる音が期待外れになるわけがありません。ニューオーリンズらしい跳ねるリズムに乗って、一瞬クラリネットかと思わせるようなジョンのギターフレーズは唯一無二のもので、とてもユニーク。でもそれがちっとも浮き上がらないのがこのメンバーらしい仕事です。「マザーレス・チャイルド」「アイル・フライ・アウェイ」など、曲のほとんどはゴスペルで、そこに伝えたいメッセージがあるのではと感じました。
2009. 3. 8 Luther Kent ; The Bobby Brand Songbook ; VCC no number2008年リリース。元々はドラムの教則音源なんだそうですが、ニューオーリンズを代表する曲、例えば「アイル・フライ・アウェイ」「ハンダ・ワンダ」「ジャンコ・パートナー」「ジャスト・ア・クローザー・ウォーク・ウィズ・ジー」などを、ダズンズの面々やカーク・ジョゼフ、さらにはジョージ・ポーター・ジュニアやアイヴァン・ネヴィルなどとやっているんですから、内容が悪かろうはずはありません。多様なリズムを見事な手数でこなすんですが、それがちっとも耳につかず、音楽として溶け込んでいるのがこの人の凄いところ。こうしたトラディッショナルなスタイルでも抜群の腕前を持っていることが分かる1枚です。
2009. 3. 7 Brotherhood Of Groove ; Live ; BRANDON TARRICONE'S BROTHERHOOD OF GROOVE no number2009年リリース。ルーサー・ケントらしいトリビュート・アルバムです。アレンジとバンド指揮にワーデル・ケゼルグを迎え、ゴージャスなサウンドをバックに、大好きなボビー・ブランドの歌を熱唱しています。曲も「アイ・ピティ・ザ・フール」「ストーミー・マンディ」「クライ、クライ、クライ」「セント・ジェイムズ病院」と、DUKEのボビー全盛期のゆったり目のものを中心にセレクトし、ケントの豪快な歌を上手く活かしています。奇をてらわない好盤だと思います。
2009. 3. 6 Spencer Bohren ; Live At The Tube Temple ; VALVE #90872006年のツアーの模様です。このユニットはギターとサックスをフロントにしたカルテットで、どっしりと落ち着いたリズム隊を土台に、ブリブリのサックスと切れのいいギターが交互にソロを取ります。ライヴならではのノリのいい演奏で、JBズの「ギミ・サム・モア」でスタート。ミーターズの「ファンキー・ミラクル」なんて圧巻です。またマーヴィン・ゲイの「インナー・シティ・ブルース」のインタープレイも格好いい!後半になると歌ものも出てきますが、結構いけます。全体に乗りがよくて心地良いアルバムです。
2009. 3. 5 Steve Gardner, Washboard Chaz & The Jake Leg Stompers & Friends ; Walkin' The Dog ; BUFFALO/HOO-DOO no number2007年、いつもレコーディングしているゾーリンゲンの寺院でのライヴです。ボーレンは相当ここの響きが気に入っているようで、彼のスライドとのマッチングも抜群ですね。曲はいつになくブルージーで、スライドだけでなく、フォーク調のブルースやラグタイムも披露しています。またエレキ・スライドも使い、独特の響きが場内に拡がる様子がよく分かります。パーカッシヴな「ダークネス」なんて格好いいですね。最近になく「動」なボーレンだと思います。
2009. 3. 4 Preservation Hall Jazz Band ; The Best Of Preservation Hall Jazz Band ; MAMBITO MR 0212008年夏の録音です。日本在住のブルースマンで写真家でもあるスティーヴ・ガードナーがアメリカに里帰りしたときに作ったアルバムだと思いますが、何とびっくりなのがウォッシュボード・チャズが参加してることです。ガードナーさんはプリミティヴなブルースのスタイルを好み、メタルボディのリゾネイタをスライダーでかき鳴らしながら歌いますが、バックの面々のサウンドが見事にマッチしています。冒頭の「ウォーキン・ザ・ドッグ」からガードナー節は全開で、ジミー・リードやリトル・ウォルターの曲も自分の世界に持ってっちゃいます。ルンバ調の「ミッドナイト・スペシャル」も楽しいし。チャズも3曲歌っていますが、「フレイト・トレイン」でのひなびた感じが抜群です。ラストの「グローリー・グローリー・ハレルヤ」、メロディは「ウィル・ザ・サークル・ビ・アンブロークン」で、最後を締めるのになかなか素敵な計らいです。
2009. 3. 3 Batiste Brothers Band ; New Orleans Music ; ARTANG BBB101ジャケットに記載がありませんが、比較的新しい録音集だと思います。幾多の名手を輩出したバンドの現在進行形を捉えたもので、古いスタイルに依拠しながら、リラックスした演奏を聴かせます。特にヴォーカルの緩さが抜群で、聴いていてほっとします。曲も「バーボン・ストリート・パレード」や「ゴー・トゥ・マルディ・グラ」、さらには「セント・ジェイムズ病院」などお馴染みの曲が多く、ブラスバンドにも通じるサウンドは楽しいです。欲を言えば詳しいクレジットとかは欲しかったな。
2009. 3. 2 v.a. ; Sounds Of New Orleans ; STORYVILLE 103 61022009年リリース。ラッセル・バティステ親子を軸に、兄弟が一堂に会して作ったアルバムです。ニューオーリンズのファンクとポップ、それにジャズの香りが随所にちりばめられていますが、家族ならではの暖かさや柔らかさを感じ、なかなか好感が持てました。でもネヴィルズのような家族ならではのグルーヴがガツンと全面に出る感じではありませんね。やはりミュージシャンとしてのスタンスの差が音に現れているんでしょう。
2009. 2.28 The Gumbo Brothers ; Funky Freedom ; THE GUMBO BROTHERS no number1945〜54年録音。キッド・オリーやジョージ・ルイスといった大御所が演奏する、典型的なニューオーリンズ・ジャズの名演集です。「ハイ・ソサエティ」は3テイク、「バーボン・ストリート・パレード」や「ベイスン・ストリート・ブルース」が2テイクなど重複がありますが、演奏者による趣の違いや、ライヴならではの臨場感などもあって、全然気になりませんでした。こうした演奏が現在のブラスバンドにしっかり引き継がれていることも感じられ、改めてニューオーリンズの懐の深さを感じました。
2009. 2.27 木村充揮, 近藤房之助 ; 男歌 - 昭和讃歩 ; ZAIN ZACL 90162005年録音。ニューオーリンズのファンクバンドはたくさんありますが、このバンドは70年代前半の香りを残した、どこかB級な雰囲気のある演奏をします。インストだけでなく歌ものもあるんですが、ミディアムなテンポを上手くこなして、ザラッとした肌触りの曲に仕上げています。ご多分に漏れずミーターズの影響は大きく、「ピープル・セイ」を唯一のカヴァーとして取り上げているほか、「ゲット・ユア・フリーク・オン」などはJOSIE時代のミーターズそっくり、特にギターはレオのコピーと言ってもいいくらいです。でもこの手の曲をやるとリズム隊の実力差がはっきり出ちゃいますけどね。
2009. 2.26 Guy Davis ; Sweetheart Lile You ; RED HOUSE RHR CD 2112007年リリース。こんなの出てたんですね。気付きませんでした。最近流行の昭和歌謡ですが、ご両人が交互にヴォーカルを取る形で歌っています。木村さんはさすがの雰囲気で、全部自分の世界にもっ照っちゃうから凄いですね。でも房之助さんの方は、ある意味歌がまっとうすぎて、なんだかいまひとつしっくり来ませんでした。アルバムの最初と最後に入っているブルースのジャムセッション風景が一番馴染んだのは、やはり先入観のせいかしらね。
2009. 2.25 Groovesect ; On The Brim ; GROOVESECT no number2009年リリース。タジ・マハルから影響を受けたアコースティック・ブルースマンはかなりいると思いますが、この人もそのひとりだと思います。ギター、バンジョーなどを巧みにこなし、渋いヴォーカルとハーモニカを入れたサウンドは、ライヴではワンマンバンド・スタイルでやってるのかななんてことまで想像してしまいます。今回はぐっとブルース色が強くなっています。特にマディの「フーチー・クーチー・マン」はエレキを入れたバンド演奏で、ライヴ感がありますし、ライヴ演奏でヴァンジョーでやった「キャント・ビ・サティスファイド」なんてのも収録。スライドの「ベイビー・プリーズ・ドント・ゴー」もいい感じのブルースに仕上がっています。一方「エンジェル・アー・コーリング」なんてゴスペルもやってたりして。ガイの魅力がよく出た好盤だと思います。
2009. 2.24 Boo Boo Davis ; Name Of The Game ; BLACK & TAN CD B&T0332007年リリース。冒頭の「スペース・ドッグ」、JB'ズにちょっとフュージョン的な味付けをした曲だなぁと思ってクレジットを見たら、なんとフレッド・ウェズリーが参加していました。「タッチアップ・イット・アップ」にも参加していてやっぱりJB'ズの香りが。たった一人で凄いなぁ。ゴリゴリのファンクというよりは、かなりフュージョン寄りで、演奏力とアンサンブルの良さで勝負している感じです。僕にはちょっと上品すぎるなぁ。
2009. 2.23 Oliver Naylor ; 1924-1925 RETRIEVAL RTR790082008年録音。ガレージっぽい歪んでワウの利いたギターとドラムをバックに、不釣り合いなほどクリーンなヴォーカルと、その間を取ったようなハーモニカが鳴り響きます。曲によってはヴォーカルもわざとチープなマイクを通して歪ませていますが、やはりFAT POSSUMのサウンドを意識しているのでしょうか。ブーブーの歌はちょっと投げやりなところもありますがフィーリングがありますし、ハーモニカもなかなか達者です。このコラボレートはそれなりに成功していて魅力もありますが、「ステイ・フロム・ザ・カジノ」のようなオーソドックスなバックでの演奏もかなりいけますね。なかなか面白いアルバムです。
2009. 2.22 The Flamingos Meet The Moonglows ; On The Dusty Road Of Hits ; VEE-JAY/FUNHOUSE 30YD-1059それこそアーリー・ニューオーリンズ・ジャズがたっぷり詰まった一枚です。「ハイ・ソサエティ」から始まり、「スウィート・ジョージア・ブラウン」あたりで締めてありますが、どれもバンジョーの刻むリズムにバシャンというシンバルのアクセントが利いたバックに、管楽器が自在に絡む演奏。どちらかというと印象はジャグバンドに通じていきます。昔のディズニー・アニメのバックで流れている曲を思い出しました。
2009. 2.21 Muddy Waters Chicago Blues Band ; The Bluesmen Of The Muddy Waters Chicago Blues Band Vol.2 ; P-VINE PCD-932091953〜54年、両グループがCHANCEに残した録音をまとめたものです。まず印象としては、ドゥーワップとしてはぐっとR&B色が強いということ。コーラスもグルーヴ感の強いリズムが打ち出されています。もちろん「セプテンバー・ソング」などのバラッドでは甘さも出ていますが、もっとポップかなと思っていたので嬉しい誤算でした。どちらかというとムーングロウズの方がよりR&B的に感じましたが、バックのサウンドとヴォーカルの声質の違いからでしょうか。
2009. 2.20 Leroy Thomas ; The People's Favorites Of Leroy Thomas ; ZYDECOROADRUNNERS no number1968年のアルバムにボーナスを4曲加えたものです。前作と同様極めてセッション的なアルバムで、冒頭のインストからオーティス・スパン、サミー・ローホーン、ルーサー・ジョンソン、ピー・ウィー・マディソン等が交互にヴォーカルを取って演奏を続けていく様子を収録したんじゃないかなって感じです。計算された演奏というより、出たとこ勝負のサウンドだと思うんですが、流石当代一のブルースバンドだけあって、バッチリまとまっちゃうのが凄いですね。ピー・ウィー・マディソンの初ヴォーカル録音とされているリトル・ウォルターの「ラスト・ナイト」がぐっと来ました。びっくりなのは「ファンキー・ブロードウェイ」。ベースのリトル・サニー・ウィンブレイが歌うんですが、演奏がどことなくドタバタしているあたりがさすがブルースバンドでしょうか。
2009. 2.19 Jessie Fuller ; San Francisco Bay Blues ; GOOD TIME JAZZ OBCCD-537-22008年リリース。かなり達者なボタン・アコーディオンと割合モダンでポップな曲で気持ち良く踊らせてくれるアルバムです。リズムはトゥーステップとワルツの伝統に乗っ取っていて、「ホワイ・ユー・ワナ・メイク・ミー・クライ」など典型的な2コードのザディコなんですけど、リズムや音使いのせいで抜けたような明るさを感じさせます。ボー・ジョックの影響が結構あるんじゃないかな。「ライト・ナウ・イズ・プライムタイム」あたりはリズム処理も新しく、ヌーヴォー・ザディコの香りも感じますが、コーラスなどがポップ寄りなので印象が異なります。なかなか良くまとまった好盤だと思います。
2009. 2.18 Roosevelt Sykes ; Boot That Thing 1929-1941 ; ACROBAT ADDCD30191963年、当時のフォーク・ブームに乗ってのアルバムでしょう。タイトル曲はELKOから出した頃の素朴な演奏とは異なり、しっかりした構成を持っています。多くのカヴァーを生んでいったのが分かりますね。その他「ミッドナイト・スペシャル」や「ジョン・ヘンリー」といった伝承曲を取り上げているのも時代の要請でしょうか。でもワンマンバンドのスタイルというイメージが強かったんですが、達者なスライドギターなど、かなり演奏力が高いなぁという印象を持ちました。
2009. 2.17 The Jodimars ; Well Now, Dig This! ; ACROBAT ACMCD40532枚組で、2ヴァージョン収められている代表曲の「44ブルース」からこれまた2ヴァージョン入っている「ザ・ナイト・タイム・イズ・ザ・ライト・タイム」、「リトル&ロウ」、ジャイヴィな「ダーティ・マザー・フォー・ユー」、テーマ曲と言っても良い「ザ・ハニー・ドリッパー」など、ゆったりしたブルースからブギウギまで、達者なピアノとタフでちょっと投げやりな感じのブルース・ヴォーカルといったサイクスの魅力が満載です。こうして戦前ものを通して聴いていくと、サイクスの演奏力の高さはもちろんですが、ソングライターとしての才能が素晴らしいことをいやというほど感じました。毎夜のようにクラブでピアノの前に座って、大声でブルースを産み出していたのかななんて想像がたくましくなります。
2009. 2.16 v.a. Groovy Guitars ; AUDIBOOK AB1191955〜57年の録音にボーナス・トラックが入っています。まさにロケンロール時代真っただ中のバンドですね。コーラスによるヴォーカルにグリッティなギターが鳴り渡る感じはややB級の香りも漂っていて、ビル・ヘイリーのバンドとはまた違った味を出しています。軽妙な「ラトルスネイキン・ダディ」なんてのも入ってて面白いです。ブライアン・セッツァーとか好きな人にはお薦めですね。
2009. 2.15 v.a. Jumpin & Jivin' Guitarists Vol.3 - Blastin' Blues Guitars ; P-VINE NONSTOP PVCP-81401929〜71年録音。中村とうよう氏が選盤した、えぐいギターを集めたコンピで、丁寧な解説も載っていて購入した当時随分勉強しました。ミッキー・ベイカー、T-ボーン・ウォーカーのATLANTIC時代など、渋いところに目をつけていて、そんな中にテディ・バンやロニー・ジョンスン、さらにジョニー・オーティス楽団にいたピート・ルイスやジミー・ノーランといった名手をちりばめてあります。今はなかなか手に入りにくいと思いますが、見つけたら買いだと思います。
2009. 2.14 Tony Owens ; I Got Soul ; GRAPEVINE GVCD 30221940年代末〜1960年くらいまでの録音。ピー・ウィー・クレイトンから始まり、T-ボーンがバックをつけたロイ・ホーキンスやハダ・ブルックスのバックで弾くテディ・バンなど、渋いところに目をつけています。強烈なゴリー・カーターもあれば、里帰りをしたような1960年のロニー・ジョンソンの「セント・ルイス・ブルース」まで、かなり雑多な選曲ですが、ギター好きにはたまりませんね。
2009. 2.13 v.a. ; Roy Milton's MILTONE Records Story ; ACROBAT ADDCD30161966〜1990録音。GRAPEVINEらしい素晴らしいコンピです。トニーはニューオーリンズ・ベースのソウル・シンガーで、文屋さんがDJ会で回したのを聴いて興味を持ちました。まずは冒頭のタイトル曲。ゆったりとしたソウル・ナンバーで、ハイトーンだけどタフなヴォーカルが魅力的です。やや跳ねるリズムの曲にニューオーリンズらしさを感じる一方で、歌はむしろディープでサザン・ソウルといった趣。ベースにゴスペルとブルースがあるのがしっかり感じられます。「ウィッシング・ウェイティング・ホーピング」なんてぐっと来るバラードです。時代を追うごとにファンク度が増していき、「アイ・キャン・ヒア・ミュージック」になると70年代の香りがくっきり。これが1976年のISLANDあたりになると随分ソフトになりますね。1990年のものになるとちょっと作りすぎだよなって感じ。やっぱりストレートに歌うだけじゃダメってことなんでしょうかね。もったいない気がしました。
2009. 2.12 Jimmy Witherspoon ; I'll Be Right On You ; ACE CDCHD 11821946〜48年録音。ミルトンがSPECIALTYと契約する前の時期に、ROY MILTONやMILTONEといった自身のレーベルで出した音源を集めた2枚組です。ソリッド・センダーズ関連の録音では、ヒットのカヴァー「ニュー・R.M.ブルース」やスタンダードの「サニーサイド・オヴ・ザ・ストリート」など、どれも粒ぞろいの作品。この他ロイ・ブラウンやアーニー・ローリーをフロントに立てたポール・ゲイトン楽団など、ジャンプ系が中心ですが、歌姫リトル・ミス・コーンシャックや、ぐっとダウンホームなジェシー・トーマスなども入っており、この時代の西海岸の美味しいところがぎゅっと詰め込まれている感じです。有名曲がなくても十分楽しめました。それからブックレットなどに掲載されたレーベルのイラストが楽しいです。
2009. 2.11 Mitsuyoshi Azuma & The Swinging Boppers ; Sweatin' Ballroom ; HOT RIVER HOTRCD-0011949〜53年にMODERNに残された作品とアウトテイク集です。ジミーの最も油の乗った時期ですから、今までのアルバムに未収録だとしても、どれも水準が高いです。マックスウェル・ディヴィスのバンドを従えたライヴ「ダディ・ピノキオ」など格好いいし、「ジャンプ・チルドレン」(「グッド・ロッキン・トゥナイト」の歌詞違いといっていい)や「フーズ・ビーン・ジャイヴィン・ユー」のアウトテイクも充実の出来栄えです。マニア向けのアルバムであることは間違いないですけど、やっぱりこういうの、大好きです。
2009. 2.10 Ruthie Foster ; Truth ; BUFFALO BUF-1422007年秋、鴬谷の東京キネマ倶楽部でのライヴです。ゲストに藤井康一、松竹谷清らを迎え、にぎやかな雰囲気の楽しい演奏を聴かせています。いわゆる「プロ」とは違い、普段別の仕事を持っている面々がこうして大きなライヴを打ち、レコーディングするってことが凄いことだと思います。吾妻さんの声はちょっと荒れ気味でしたけど、ギターの切れはいつも通り。また岡地さんのドラムがいいビートを出してます。ただ選曲がちょっとオヤジですね。特に前半。後半アタマの「道徳ホップ」も歌詞に遊びが少なくなったなぁと思いました。これじゃただ飲み屋でクダ巻いてるオヤジの戯言だなぁ。吾妻さん、もっとユーモアある歌詞がいいと思いますよ。
2009. 2. 9 Susan Tedeschi ; Back To The River ; VERVE FORCAST 06025177557722009年リリース。前作あたりから歌の上手さに磨きがかかってきたんですが、それを見事に生かした作品になりました。以前のちょっと田舎っぽいフォーキーな感じは影を潜め、ぐっとソウルフルでファンクネスを感じるバックに支えられ、ルーシーは伸びやかに歌います。もちろん持ち前のゴスペル・テイストはしっかり生きていますし、洗練されたといっても、ヒップホップなどとは一線を画す、「南部の地方都市のちょっと懐かしいソウル」って感じでしょうか。でもこれがストライクゾーンのど真ん中といっていいと思います。クリス・ゴールドスミスのプロデュースがはまったわけですね。「女医・オン・ジ・アザー・サイド」ではリゾネイタをバックにアコースティックな面もしっかり出してますし。早くもことしのBEST10入りかな。快作です。春に来日するそうで、ライヴも楽しみですね。
2009. 2. 8 Chris Duarte & Bluestone Co. ; 396 ; P-VINE PCD-242132008年リリース。この人、歌が凄く上手くなりましたね。冒頭の「トーキング・アバウト」、まるでジャニスの「ムーヴ・オーヴァー」みたいなイントロですが、歌もジャニスばり。タイトル曲もタフな歌い方で、ガツンと来ました。一方アコースティックな曲ではやや甘い感じでも歌ってますし、抑えて歌ってもしっかり気持ちが届いてきます。一方ギターはちょっと「普通」になっちゃったかな。あの大股具合が好きだったんですが。もちろんデレク・トラックスもスライドで参加、無駄に長い曲がないのでアッという間に聴き終わったなって印象です。今後も楽しみですね。
2009. 2. 7 Wolf Mail ; Live Blues In Red Square ; Z K S 080808AU-ZKSMEDIA2009年リリース。ブルーストーン・カンパニーは前作にもクリス・デュアーテが参加していましたが、今回は全面的にフロントに押し立てています。とにかくスピード感があって気持ちのいい演奏ですね。バンドのノリは相当なもので、言ってみればブルースロックのあるべき姿ってこういう感じなんじゃないでしょうか。オリジナルの格好いいインスト「ファンキー・ママ」以外はクリスが歌を書いているのも意欲を感じます。クリス自身の名義のものより僕は好きです。
2009. 2. 6 Cedric Burnside & Lightnin' Malcom ; 2 Man Wrecking Crew ; DELTA GROOVE DGPCD-1272007年秋のモスクワ公演の模様です。エンハンストでDVDも付いているようですが見ていません。バックのメンバーはロシア調達だそうで、なかなか達者な演奏でした。ウルフはアルバート・コリンズが好きなんでしょうか。テレキャスターを使い、彼の持ち歌の「ハニー・ハッシュ」(原曲はローウェル・フルソンの「トーキン・ウーマン」)を取り上げています。でもギターはどちらかというとジミ・ヘンドリクスからの影響を感じました。「ブルー・ローズ」は根っこに「リトル・ウィング」がいますね。「ハロー」はまるで「ドント・レット・ミー・ダウン」。ロック色が強いですが、ギターの音色は柔らかく、ギラギラしていないので気持ちいいです。ただ惜しむらくは歌。やっぱり弱いよねぇ。
2009. 2. 5 三上寛 ; ベスト・アルバム ; COLUMBIA COCA 116112008年リリース。いきなり自分の祖父を歌う「R.L.バーンサイド」から、ヒル・カントリーのサウンドが溢れてきます。ギターはジャキッとした感じで、ロックやファンクもしっかり吸収しながら、ビヤンビヤンと響き渡る音はやはり彼の地の音ですね。ふたりとも元ドラマーだけあってリズムがうねっていて、心地良いです。歌はセドリックの方がいいなぁ。マルコムはちょっと線が細く、無理にがなろうとするとどこか力みがあってややわざとらしい感じです。「シー・ゴット・サムシン・オン・ミー」はアコースティックなスライドの響きに女性コーラスがかぶったちょっと不思議な印象の曲。こういう曲がもっと増えて来ると面白いと思いました。
2009. 2. 4 Mike Dowling ; The Blues Ain't News ; WIND RIVER GUITAR WRG-061971年の「三上寛の世界」に曲を加えたお徳用盤です。日本のフォークについて書かれた本に必ず登場するので聴いてみましたが、いやいや強烈ですね。青森出身の庶民の怨念を感じさせる歌は、津軽三味線を交えた実に演歌調のバックにマッチします。怨歌というのがぴったり。ささくれ立った歌詞とおどろおどろしささえ感じさせる歌い回し、演じて歌っているのがはっきり。後に役者として活躍するのも当然でしょう。ラストの方には「ギターを抱いた渡り鳥」「船頭小唄」など、演歌のスタンダードもあります。でもねぇ、個人的には、つらいものをつらいと歌っても、どうなんでしょうか。やっぱり高田渡の飄としたスタイルの方がぐっと来ます。
2009. 2. 3 Motor City Josh ; Forty For - A Tribute To Howlin' Wolf ; FORD MUSIC no number2008年リリース。ソロの弾き語りの他、曲によってはベースやハーモニカを入れて、オリジナリティ溢れるアレンジでミシシッピ・ジョン・ハートなどのブルースをやっています。全体に上品な音使いで、ロニー・ジョンソンの「トラブルズ・エイント・ナッシング・バット・ザ・ブルース」あたりになると、ハーモニカとの絡み方がブラウニー・マギーとサニー・テリーのコンビみたいな感じです。全体にイーストコースト系のサウンドで、ターヒール・スリムの「ナンバー9・トレイン」なんて嬉しい曲も。ロニーの「トゥモロー・ナイト」も柔らかくていい感じです。ギターのテクニックをひけらかすのではなく、歌をしっかり支えていて、しかもやさしげな歌がなかなか癒してくれます。
2009. 2. 2 Freddie Slack ; Mr. Freddie's Boogie (1940-1947) ; GREAT VICES OF THE CENTURY GVC 1002クレジットはないけど多分2008年の新譜だと思います。ジョッシュの声は割合ダミ声で、ウルフのトリビュートにはうってつけかもしれません。ロック的な解釈を施した曲もありますけど、ウルフの原曲の良さをよく生かしながら、ジョッシュの巧みなギターの技も随所に織り込まれていて、聴き所の多いアルバムです。「44」から「ゴーイン・ダウン・スロー」まで、ウルフが愛した曲13曲をジョッシュが蘇らせています。入手しづらいアルバムですが探してみてください。
2009. 2. 1 Shinji Shiotsugu ; Live Collection Do.1 ; OFFICE FLOW no numberブギウギの名手でバンド・リーダーとしてもヒットを出した人の集大成です。まずはエイモス・ミルバーンで有名な「ダウン・ザ・ロード・ア・ピース」、こちらの方が多分早い時期の録音なんでしょうね。見事な指さばきです。またエラ・メイ・モーズをヴォーカルにフィーチュアして大ヒットした「ミスター・ファイヴ・バイ・ファイヴ」に「カウ・カウ・ブギ」、T-ボーン・ウォーカーの「ミーン・オールド・ワールド」なども入っていて、ウエスト・コーストで重要な位置にいたことが分かります。こうしてまとめて聴けるのが嬉しいです。
2009. 1.31 Motor City Josh & The Big 3 ; Covered Up ; COOK no number2001年頃のライヴ音源です。絶版だったんですが再発されたようなので聴いてみました。ヴォーカルに小林エミと永井隆を迎えたライヴですが、伸ちゃんの職人芸ギターが見事です。ブルースが根っこにしっかりあるのに、多彩なフレーズ、コードワーク、複弦弾きなど次から次へと技が出てきます。でもそれが出しゃばらずに、フロントを立ててるんですよね。手慣れた永井隆も悪くはないんですが、小林エミのジャジーでディープな歌、いいですね。生で聴いてみたい。
2009. 1.30 The Derek Trucks Band ; Out Of The Madness ; SONY SICP 1641プロモーション専用の非売品なんて書いてありますが、しっかり売ってました。ジョッシュは何枚かライヴを出していますが、デトロイトを出てジョージアに移ってからの演奏だと思います。「ボーン・アンダー・ア・バッド・サイン」から始まり、途中「ジェシカ」の見事なカヴァーとか、軽快に乗る「ハニー・ハッシュ」を挟んで、出てきた曲は「ザ・リトル・ドラマー・ボーイ」。アナウンスなどからしてもクリスマス頃の演奏のようです。粘っこいジョッシュとよりさらっとしたサウンドのジョニー・ローズのギターのコントラスト、オールマン・ブラザーズを思わせました。来日して欲しい人です。
2009. 1.29 高田渡 ; 旅の記録 上 ; ALTAMIRA AM-009/0101998年リリースのセカンド・アルバム。いきなりスライドが唸る「プリーチン・ブルース」がガツンと来ました。こうして聴くと全盛期のオールマン・ブラザーズに凄く近いアプローチをしているなと思いました。特に「グッド・モーニング・リトル・スクール・ガール」や「44」はブルース・ロックの良質な形ですね。一方オリジナルの「オーライとト」のスライド・プレイの向こう側にははっきりとデュエインの姿が。そんな中に「ルッカ・パイ・パイ」が出てくるのが彼のセンスの良さでしょう。後半になるとジャジーなアレンジの曲が出てきますが、これもオールマンズの得意とした曲調。「デス・レター」と「デルタラーガ」のリゾネイタがアルバムのいいスパイスになっています。
2009. 1.28 Merrill E. Moore ; The House Of Blue Lights ; ACROBAT ACMCD40511969年から2002年に録音された、元々リリースする予定のなかった高田渡の遺品の中からセレクトされたライヴ音源集で、歌だけでなく、ライヴ中の何気ない会話とか、メンバー紹介なども挿入されていて、彼の人柄の一端を垣間見ることができます。白鶴などのコマーシャルソングも入っていて面白かったんですが、「金貸しと政府広報のコマーシャルだけはやりたくない」という台詞が彼の思想をよく表しています。しかもそれを言った直後に「ギャラによっては考えるけど」と付け加えるあたりも。「夜汽車のブルース」に始まり、「夜行列車のブルース〜ホーム・スウィート・ホーム」で終わる編集は、小品を多く収録し、彼のライヴの様子を上手く再現しているのではと思います。そんな中、「あきらめ節」や「鮪に鰯」などを聴いていると、その社会に対する眼、庶民に対する愛情と、権力に対する反発心のようなものが垣間見れて、やっぱりフォークソングを体現している人だなぁと思いました。
2009. 1.27 Josh White ; Blues & Ballads ; ACROBAT ACRCD 1661952〜57年録音。メリル・ムーアはサンディエゴで活動したカントリー・ミュージシャンで、ウェスタン・スウィングやブギウギを得意とするピアニストです。いきなりフィドルが響き渡る思いっ切りカントリーな「コリーヌ・コリーナ」がのどかに響きますが、左手のストライドが格好いいピアノのスタイルはかなりいけます。鍵盤のかなり高いところを使ったブギウギが軽快な感じで、この辺はジェリー・リー・ルイスに影響を与えたかもしれません。曲も「ハウス・オヴ・ブルー・ライツ」とか「カウ・カウ・ブギ」「ダウン・ザ・ロード・アピース」など、R&Bチャートをにぎあわせた曲を取り上げていて馴染みやすいです。こういう曲にペダル・スチールが絡むってのもなかなかいいですね。
2009. 1.26 v.a. ; Bob Geddins' IRMA Records Story ; ACROBAT ACMCD4038この頃のACROBATは詳しいディスコグラフィとか載せてない盤もあるんで、詳細が分かりませんが、多分1945年あたりの録音でしょう。「ジョン・ヘンリー」「コットン・アイド・ジョー」「ケアレス・ラヴ」「マザーレス・チャイルド」など、トラディッショナルな曲を、達者なギターと口当たりのいいヴォーカルで演奏します。レッドベリーよりもフォークっぽくって聴きやすいので、ソングスタとして白人には受けが良かったかもしれませんね。あっさりした「セント・ジェイムズ病院」などを聴くと彼の味が良く分かります。嬉しかったのは「ワルツィング・マチルダ」。オーストラリア第二の国歌として知られる歌ですが、なかなかフォーキーでいい感じでした。
2009. 1.25 Mich Karshmar ; Live At Labatt ; DELTA GROOVE DGPCD1281956〜57年にボブ・ゲディンズが興したIRMAのコンピは、かつてWOLFからも出ていましたが、こちらの方が音質、曲数とも満足のいく内容になっています。冒頭を飾るジューク・ボーイ・ボナーの2曲がまず格好いいです。いろんなコンピで紹介されてたと思いますが、ダウンホームなんですがどこか軽さもあり、彼の代表作といってもいいくらい。そしてこのアルバムの目玉はジミー・マクラックリン。8曲連発で聴くといよいよ勢いが出てきた彼の演奏を満喫できます。「フェア・ウェル」の歌い方はフルソンからの影響がはっきり。一方「サヴォイズ・ジャンプ」はジミー版「チキン・シャック・ブギ」ですね。「テイク・ア・チャンス」の切れのいいギターはラファイェット・トーマスかなぁ。この他タフなビッグ・ママ・ソーントン、ちょっとポップなジョニー・フラー、これまた多分ラファイェット・トーマスのギターをバックにしたジミー・ウィルソンと美味しいところが並んでます。後半はジャジーなコーラス・グループやドゥーワップが入っていて、時代の音楽を俯瞰することもできます。ラスト2曲はゴールデン・キーズのゴスペル。ぐっと来ました。
2009. 1.24 Cadillac Pete & The Heat ; Steamroller ; CPR no number2007年カナダでのライヴです。ミッチはマニッシュ・ボーイズなどでその腕前を知られた人で、最近はウォーにも参加しているようです。その彼のライヴは実にウエストコーストなブルースに溢れています。個人的には現在のブルース・シーンはウエスト・コーストが一番こなれているんじゃないかと思っているんですが、ミッチを初め白人が多いせいかちょっと敬遠されてるかもしれません。でも50年代シカゴのダウンホームな雰囲気を、上手く今に蘇らせているのはむしろ西海岸のこうしたブルースマン達だと思うんです。「ダーティ・ディール」「シューガー・スウィート」「ユーア・ザ・ワン」など、往年のシカゴに通じるサウンドで心地良いです。一方「イーヴィル・マン・ブルース」のようなファンキーなものからロイ・ブラウンの「ロリポップ・ママ」、アル・シアーズの「キャッスル・ロック」と多彩。楽しめるライヴです。
2009. 1.23 Shinji Shiotsugu ; Cookin' With B-3 - Shinji Shiotugu Blue-Vy Meetin' ; VIVID VSCD-31162008年リリース。如何にもベテランといった風情でジャケット写真に納まってる5人組、演奏は手堅く、オリジナルのブルースもよくまとまっています。前に聴いたアルバムよりちょっと重心が下がったかな。フロント3人が歌えるっていうのも変化が出ていいですね。スライドありアコースティックありで変化に富んでいて聴き飽きません。でもいまひとつガツンと来ないんですよね。曲のせいかなぁ。
2009. 1.22 Donna Angelle & The Zydeco Posse' ; Guaranteed Lover ; MDM 77511993年リリース。山崎よしきプロデュースで、伸ちゃんのギターにふたりのベテランB-3プレイヤーをかませています。ひとりはチャーリー・イーランド、もうひとりは酒井潮。どちらも達者なプレイヤーですが意外と控え目。むしろ目立つのは藤井康一の歌だったりします。だって得意の「チェリー・レッド」に「ルート66」なんだもん。伸ちゃんのギターはグラント・グリーンなどに通じるぐっと抑えた、ジャジーな中にもブルージーさが溢れてくるもので、彼をメインにしたのがよく分かります。かえすがえすも惜しい人を亡くしました。
2009. 1.21 Muddy Waters Chicago Blues Band ; The Bluesmen Of The Muddy Waters Chicago Blues Band ; P-VINE PCD-932062008年の新譜です。いきなりマイナーのトゥーステップ「ザディコ・トレイン」から始まりますが、アコーディオンだけでなくシンセサイザーも使ってちょっと雰囲気が違います。続く「ザディコ・サウンド」はスティーヴィー・ワンダーの「マスター・ブラスター」ですね。この他テンプスの「ジャスト・マイ・イマジネーション」を取り上げたり、この人どんどんソウルやファンク色を強めているみたいです。歌がソウルフルなので結構似合ってますけど、せっかくだからシンセサイザーじゃなくてアコーディオンで攻めてもらいたかったな。明るい「キス・ミー・ライク・ユー・ミス・ミー」みたいなザディコ、結構いいと思うんだけどなぁ。
2009. 1.20 Cadillac Pete & The Heat ; Turn Up The Heat ; CPR no number1966年ヴィクトリア・スピヴィのレーベルから出されたものに2曲加えたもの。メンバーは当時のマディ・バンドで、オーティス・スパン、サミー・ローホーン、ジョージ・スミス、ルーサー・スネークボーイ・ジョンソン、フランシス・クレイといったそうそうたる面々。スピヴィーの歌も交え、メンバーが交互に歌っているセッションといった感じです。若干ギターのチューニングが甘かったりしますが、スパンがオルガンを弾きながら歌う「ユー・ダーン・ロスト・ユア・グッド・シング・ナウ」などはエモーショナルでぐっと来ました。スピヴィの歌はさすがの貫禄。上手いですねぇ。
2009. 1.19 Bill Withers ; Live At Carnegie Hall ; COLUMBIA/LEGACY CK-654312002年リリース。冒頭の「トーク・トゥ・ユア・ドーター」、J.B.ルノアの曲ではない、ご機嫌なロッキン・ブルースです。キャデラックはハーモニカ拭きで、サード・ポジションを上手く使ったプレイが印象的。曲もアップテンポにした「ブローク&ハングリー」や軽やかな「ライディン・イン・ザ・ムーンライト」、スピード感のある「ユー・ビロング・トゥ・ミー」など、なかなか良くこなれたカヴァーにオリジナルを混ぜるなど、ちょっとしたロカビリー風味の楽しいアルバムです。
2009. 1.18 v.a. ; The Golden Age Of American Popular Music - The Folk Hits ; ACE CDCHD 11751972年秋のライヴ録音です。この頃のビルは冒頭でもやっている「ユーズ・ミー」や中盤のハイライト「リーン・オン・ミー」を大ヒットさせて油の乗りきった時期で、レイ・ジャクソンやジェイムズ・ギャドソンといった名うてのミュージシャンをバックに、アコースティックギターを弾きながら歌っています。スタジオ盤に比べ声がややしゃがれ気味ですが、それだけ気合いが入ってるってことでしょうか。基本的に詞を聴かせる人だと思うので、英語が分からない僕にはちょっと乗りきれないところもありますが、バックの演奏がいいので気持ち良く身を任せることができました。
2009. 1.17 中川イサト with 武蔵野レビュー ; あの日の風 ; SEALS SEAL-0331958〜68年の、アメリカのフォークの代表曲を集大成したアルバムです。とにかく懐かしいの一言。ルーフトップ・シンガーズの「ウォーク・ライト・イン」から始まって、「天使のハンマー」「花はどこへ行った」「グリーン・グリーン」ですからね。だんだん聴き慣れない曲も増えていくんですが、「漕げよマイケル」「コットンフィールズ」のハイウェイメンは嬉しかったし、ピート・シーガーの「リトル・ボクシズ」なんて曲も入っていて、暫しノスタルジアに浸ってしまいました。
2009. 1.16 西岡恭蔵 ; ディランにて ; BELLWOOD/KING FJSP-82006年リリース。高田渡と吉祥寺への想いを込めたアルバムだそうで、僕は「ウィリン」や「ザ・ウェイト」のカヴァーに興味を持って買ってみました。まずは冒頭の「吉祥寺1972」、イサトさんの歌って味がありますね。ギターが上手いのは承知の上なんですけれど、歌に魅力を感じました。ただ、カヴァー曲の日本語訳、もろ直訳の「ウィリン」はともかく、意訳の「ザ・ウェイト」などで何でこんなに字余りにしちゃうんでしょうね。この辺がどうも苦手なところ。曲ってリズムが大切だと思うので、言葉のリズムももう少し考えて欲しかったな。でも「生活の柄」など、味わい深い歌も多く、なかなか素敵なアルバムだと思います。
2009. 1.15 友部正人 ; 大阪へやって来た ; URC/AVEX IOCD-400881972年リリース。大塚まさじらとザ・ディランをやっていた西岡恭蔵は、何といっても「プカプカ」で有名ですが、その他「サーカスにはピエロが」「僕の女王様」など、印象的な曲が多く入った素敵なアルバムです。ドラムも入っていますが、基本はフォーク。もちろんボブ・ディランからの影響も感じますが、西岡の場合はよりストレートな歌い回しと表現で、妙にこねくり回していないところが好きです。まああんまりブルースは感じないんですけどね。
2009. 1.14 ザ・ディランU ; ラストアルバム「この世を悲しむ風来坊に捧ぐ」 ; BELLWOOD/KING OFL-281972年リリースのデビューアルバム。ボブ・ディランからの影響を強く感じさせる語り調の歌と、かき鳴らすようなギターは、かなりインパクトがあります。特にタイトル曲はどこかパンクな感じすらします。高田渡との共通点も感じますが、より投げやりな雰囲気で、詩も私的な色合いが強いですね。昔聴いた頃よりも苦手意識は減ってますけど、やっぱりこれには僕はのめり込めません。
2009. 1.13 Leo's Five ; Direct From Blue Note Club, East St. Louis ; ACE CDCHD 11871974年リリース。大塚まさじと永井洋のユニットですが、レコーディングには石田長生や有山淳司など関西ブルース・シーンの重要人物も参加しています。「僕の女王様」でエモーショナルなギターを弾くのは塩次伸二。このユニットは関西フォークのひとつの象徴と言ってもいいんですが、この頃になるとどこかはっぴぃえんど的なアプローチになってますね。まさじの歌はストレートなフォークといっていいんですが。その分どこか中途半端な感じもあります。やっぱり過渡期の音なんでしょうかね。
2009. 1.12 Sonny Boy Williamson ; Sonny Boy Williamson Sings Down And Out Blues ; CESS/MCA/UNIVERSAL UICY-32071963〜64年録音。レオ・ゴードンはセント・ルイスのハモンド奏者でバンドリーダー。で冒頭の「ホールド・イット」、あれ?聞こえてくるギター、アルバート・キングじゃないですか。それもそのはず、アルバートのCOUN-TREE録音のバックは彼のバンドなんです。で、当然アルバートのC.O.D.なども収録。ジャミー・ロスの「レッツ・ドゥ・ザ・キャット」などもアルバートが弾いてるみたいです。一方LG録音では「ハイ・ヒール・スニーカーズ」や「サムシング・ユー・ガット」、「オール・マン・リヴァー」などもインストとしてプレイ。その大股なフレージングと熱いサウンドはソウル・ジャズとはまた少し違った演奏で、ハモンド・オルガンの魅力を弾き出しています。
2009. 1.11 Elmore James & Eddie Taylor ; South Side Blues ; P-VINE PCD-14101955〜57年録音。乞食のジャケットが有名で、サニーボーイの代表的な作品が集められたアルバムです。まずはトップの「ドント・スタート・ミー・トゥー・トーキン」、サニーボーイ最大のヒット曲で、バックのマディ・ウォーターズのギターも印象的です。「99」「レット・ミー・エクスプレイン」のようなノリのいい曲もいいんですが、このアルバムの中の最高傑作は「クロス・マイ・ハート」でしょう。ロックウッドの職人技ギターに支えられ、むせぶようなハーモニカとヴォーカルが絡み合うスローブルース。こんな演奏はサニーボーイ以外にはできません。
2009. 1.10 Little Willie John ; 1966: The Axelrod / H B Barnum Sessions ; KENT CDKEND 3051957年CHIEFに残されたエルモアの録音と、エディ・テイラーの1955〜64年のVEE-JAY、VIVID録音をカップリングしたものです。まずはエディ・テイラー。VEE-JAY時代はジミー・リードのバックで切れのいいシャッフルを刻んでいたんですが、自己名義でも素晴らしい録音を残しています。特にジョニー・ジョーンズの「ビッグ・タウン・プレイボーイ」やオリジナルの「バッド・ボーイ」、このリズムにやられた人は多いでしょう。「ドント・ノック・アット・マイ・ドア」はフルソンの「ギター・シャッフル」の改作で、この件はフルソンのページに書いたことがあります。1965年のヒューバート・サムリンの絡んだセッションもなかなかです。一方のエルモアですが、これがえぐいんですよ。「カミング・ホーム」のサウンドの強烈さはシカゴのナイトクラブそのものってイメージですね。この他タンパ・レッドをカヴァーした「イット・ハーツ・ミー・トゥー」も強烈。あとは「ザ・12イヤーズ・オールド・ボーイ」「ノッキング・アット・ユア・ドア」の単弦弾きのギターソロの格好良さ。ウェイン・ベネット説もあるけど、エルモア自身もかなりの弾き手ですからさてどちらなんでしょうね。
2009. 1. 9 Elmore James & John Brim ; Whose Muddy Shoes ; CHESS/MCA VICTOR MVCM-220291964年に人を刺して投獄されていたリトル・ウィリーが、一時的に保釈されて行われた彼の最後のセッションです。CAPITOLのために録音されましたが、KINGとの契約があったためリリースされなかったといういわく付きで、アウトテイクを含めたっぷり公開されました。まず驚いたのはその声の野太さ。リトル・ウィリーと言えば、少年のような伸びやかで甘さのある声が魅力だったんですが、ここで聴かれる声はボビー・ブランドに通じるようなややハスキーでソウルフルなもの。歌の上手さは申し分なく、バックもアール・パーマーのドラムをはじめ素晴らしいメンバーで固められており、こうして聴けるだけで幸せってもんです。「ウェルカム・トゥ・ザ・クラブ」なんてぐっと来ますねぇ。彼が2年後に死んだとき、ジェイムズ・ブラウンが嘆いたのも頷けます。
2009. 1. 8 Daboa ; From The Gekko ; TRIPLE EARTH TRECD 115エルモアがCHESSに残した1953年と1960年の録音に、ジョン・ブリムの1953〜54年の曲をカップリングしたアルバムです。まずは何といってもジョン・ブリムの「タフ・タイムズ」。元々はPARROTに録音した曲で、50年代シカゴブルースの隠れた名曲です。この他ロックウッドのギターが冴えまくってノリのいい「ビ・ケアフル」や、ヴァン・ヘイレンのカヴァーで一躍有名になった「アイスクリーム・マン」など、ブリムの代表曲が収められています。エルモアの方は53年録音はランサム・ノウリングのベースも入り、いつものメンバーとシカゴ・スタイルでじっくりやったって感じ。タイトル曲のむせび泣くJ.T.ブラウンのサックスがたまりません。一方60年録音はFIRE録音に通じる雰囲気で、よりエコーを効かせ、サウンドにも迫力があります。「サン・イズ・シャイニング」は「スカイ・イズ・クライング」と対になるような曲。この他強烈なスライドの「ストーミー・マンディ」や、ブルームダスター調が聴かれる「トーク・トゥ・ミー・ベイビー」など、豪快な曲が多いです。
2009. 1. 7 T-Broussard & The Zydeco Steppers ; Super T ; TBROUSSARD no number1997年リリース。ダボアとは蛇のことだそうで、ゲッコーはハワイなどにいるヤモリのことかな。ジャケットのワニといい、爬虫類から想像される熱帯的な雰囲気に満ち溢れたアルバムです。冒頭の曲のリズム、演奏携帯は違うけど、ハービー・ハンコックの「Head Hunters」に入ってる「ウォーターメロン・マン」を思い出しました。仕掛人はフランク・ハリスというアメリカ人。ヴォーカルはブラジルの歌姫マリア・マルケスで透明感のある声が魅力的。アフリカともラテンともつかないリズムと演奏は何度も聴いていると癖になりそうです。
2009. 1. 6 Marc Broussard ; Keep Coming Back ; ATLANTIC 512257-22008年リリース。これまた明るいノリのザディコ・アルバムです。T・ブルッサーは特に歌が上手いって訳でもないんですけど、軽快なノリと明るめのキーボードの音で、何ともB級的下世話さのある軽やかなサウンドがすごく魅力的。タイトル曲も今風なたたずまいだけどどこか微笑ましい感じなんです。スティーヴィー・ワンダーの「イズント・シー・ラヴリー」やらケニー・ロギンズの「フットルース」、さらにはマーヴィン・ゲイの「レッツ・ゲット・イット・オン」をパクってみたり、「ノック・ノック」だってボブ・ディランからもらってますねぇ。このどこか脳天気な明るさ、楽しくていいです。変にこねくり回してない分ストレートなダンス・ミュージックとして身体が揺れてきました。
2009. 1. 5 Fats Domino ; Sentimental Journey ; SPV 97852 CD2008年リリース。前作でソウルフルな歌をたっぷり聴かせてくれたブルッサーが、何とATLANTICから新譜を出しました。この人は本当に歌が上手く、じっくり練り込まれたアレンジに乗って快調に飛ばします。特にハイ・サウンドを意識したような曲は軽快なノリが心地良いですし、スティーヴィー・ワンダーっぽい曲もあったりします。良くできたアルバムですね。でも、前作のようなインパクトが逆になくなっちゃいました。ポップになりすぎちゃった気もするんですよね。この辺のバランスって本当に難しいです。
2009. 1. 4 v.a. ; The DELTA Records Story ; SPV 42772 CD1987年のニューオーリンズ大学でのライヴを収めた2枚組です。もちろん彼の大ヒットがてんこ盛りです。ピアノの切れとかは明らかに衰えていますが、余裕のある歌いっぷりはさすがの一言。興味深かったのは1枚目ラストの「ジャンバラヤ」での多分リー・アレンのソロ。強烈な吹きまくりでこれだけでこのCDを聴いて良かったって気にさせる熱演です。2枚目の「レット・ザ・フォー・ウィンド・ブロウ」あたりでも長尺のソロを聴くことができます。こちらの盤の方がややマイナーな曲が多いかな。「ローズマリー」やタイトル曲がインストで入っています。前者は得意の三連の連打が来ますねぇ。後者は「マルディグラ・イン・ニューオーリンズ」「聖者が街にやってくる」とカーニヴァルムードたっぷりの後で、結構ゴージャスな雰囲気でしめてます。ファッツの三連をバックにギターが大暴れ。誰が弾いてるんでしょうか。
2009. 1. 3 Osaka Monaurail ; Eyewitness To The... ; SHOUT!-RD RDR-1043多分1950年代前半くらいの録音だと思います。DELTAというナッシュヴィルのレーベルで、BULLETと近い関係にあるようです。冒頭を飾るルイス・キャンベルのいなたいブルースがまずぐっと来ますね。フェアフィールド・フォーのぐっと来るゴスペルに続いて、「ザ・シング」を出す前のギター・スリムことエディ・ジョーンズの2曲が、まだどことなく青臭さがあって面白いです。続くウォルター・スミス、ちょっとロスコ・ゴードンに似た雰囲気があり、「ハイ・トーン・ママ」はエディ・ヴィンスンの「キドゥニー・シチュー」からしっかり歌詞をパクってます。バリトン・サックスの音が格好いいレッド・カルホーンのバンド、結構イカしたクレネスト・ギャントはR&Bの香りがたっぷり。キャンドルライターズとシャドウズという好対照な名前のコーラス・グループは時がドゥー・ワップやロケンロール全盛期だってことを彷彿させます。つかみ所はないけどいろいろ発見のあるコンピです。
2009. 1. 2 v.a. ; We Shall Not Be Moved ; WESHALLNOTBEMOVED no number2005年春、大阪でのライヴを収めた盤です。「JB'sばりの演奏をするバンド」としてBSR誌などにも紹介され、実際ここで聴かれる音は実にファンキーで心地良いサウンドです。スピード感、ブラス・アンサンブルの格好良さ、リズムのうねり、どれを取っても日本でトップクラスの実力であることに間違いはないでしょう。でも、僕、このバンド、少なくともこのライヴ盤はダメでした。その理由は一言、ヴォーカルです。この声が苦手なんです。歌にもグルーヴ感はあるとは思いますし、上手いとは思います。でもこの声はどうも違和感があるんです。何ででしょうね。わざとらしく感じちゃうんです。スタジオ盤でどうなってるか聴いてみようと思っています。
2009. 1. 1 Sleepy John Estes ; On 80 Highway ; ADELMARK/P-VINE PCD-931952008年リリース。ニューオーリンズを決して離れないと決意したミュージシャンたちが作ったヴィデオの音源です。タイトル曲はちょうど「ウィー・アー・ザー・ワイルド」のような形でみんなで歌い継いでいて、テイクも3テイクあります。実はこういうのはあんまり好きじゃないんですが、思いは伝わりますね。ピンでやっているのでは、ジョン・ブッテのファンキーな「トレメ・ソング」、トプシー・チャップマン&ソリッド・ハーモニーの美しい「スウィング・ロウ・スウィート・チャリオット」、チャック・パーキンスのブラスバンドな「リトル・ライザ・ジェイン」、リロイ・ジョーンズのもの悲しいペットの響きが心に染みる「ルイズ・ラメント」などが良かったです。クラシカルなメアリー&ジョー・エイキンの「アヴェ・マリア」などもあり、彼の地の音楽の幅の広さも感じることが出来ました。
2008.12.31 Fay Simmons ; R&B Mystery Woman ; JORDAN #10011974年来日直前の未発表録音が発掘されました。ハミー・ニクソンがハーモニカやカズーで彩りを添え、コーラスをつけ、「ポテト・ディギン・マン」などでは自らヴォーカルもとっています。エステスは例の「泣き節」で切々とブルースを歌いますが、そこにはある種の美しさすら感じます。中には「聖者が街にやってくる」「コリーヌ・コリーナ」などのトラッドもあったり、「サムディ・ベイビー」風のケネディ大統領を歌ったブルースも2テイク入っています。セッション中のほのぼのした語りも入っていますし、ラストの「ブラウンズヴィル・ブルース」、染みますねぇ。正月早々ぐっと来ました。
2008.12.30 Othar Turner & The Rising Star Fife & Drum Band ; Everybody Hollerin' Goat ; BIRDMAN/P-VINE PCD-5487タイトル通りかなりオブスキュアな女性の1954〜1965年までの作品を集めたものです。クレジットもしっかりしていないので、どういう曲順か分からないんですが、収録順なのかなぁ。「ラヴァー・マン」というバラードは結構スタンダード的な響きでジャズからの影響も感じますし、「ウィム・ワム・ウォップ」はご機嫌なロッキンナンバー。「カモン・レッツ・ストロール」はファッツ・ドミノみたい。「ユー・ヒット・ミー・ベイビー・ライク・アン・アトム・ボム」はタイトルから想像するよりはぐっと小洒落たナンバー。「エヴリバディズ・ドゥーイン・ザ・ポニー」はツイストブームの頃の柳の下狙いでしょうからおそらく1960年頃。後半になるとお世辞にも上手いとは言えないバンドをバックにジャンプ・ナンバーからルンバ調の「嘘は罪」までやってます。声に癖があり、歌も結構いけるんですが、運がなかったんでしょうね。結構面白かったです。
2008.12.29 Hambert Hambert ; For Handreds Of Children ; MIDI MXCA 10811992〜97年のフィールド・レコーディングで、ドラムの生みだすポリリズミックなうねりに、ファンキーなファイフのかん高い響きが絡む、独特のプリミティヴな音楽が、子供の声などを交えて記録されています。北ミシシッピのヒル・カントリーに残るバンドだそうですが、FAT POSSUMが捉えたブルースマン達とどこか共通する、商業主義に染まっていないサウンドが麻薬のよう迫ってきます。3テイク入った代表曲の「シミー・ザ・ウォブル」のトランスに導かれるようなサウンドはある意味ファンクそのもの。また「マイ・ベイブ」のようなブルースのヒットをやったりしてます。またR.L.ボイスが歌う「ブギ・チレン」「ロール&タンブル」「ハウ・メニー・モアーイヤーズ」なんてのも入っていて、これはまさにヒル・カントリーのブルースそのもの。現地の様子を伝える興味深いアルバムです。
2008.12.28 v.a. ; R&B Jukebox Hits 1942 ; ACROBAT ACMCD 41862001年リリースのハンバート・ハンバートのデビュー・アルバムです。ギターの佐藤良成が書いた歌を、佐野遊穂が透明感のあるストレートな声で歌うのが基本パターン。アメリカン・ロックとフォークをたっぷりと吸収し、日常を身の丈で歌う歌詞がぽーんと耳に飛び込んで来ます。歌のテーマはごく私的なラヴソングと言った風情なんですけど、いわゆる四畳半フォークのような女々しさはありません。ただ後期の作品に比べて、ボサノヴァとかの音の下敷きがはっきりしていて、分かり易い分面白みは足らないかな。良成の声は脱力系で好きですけど。このアルバムに最初出会っていたら、こんなに聴こうとは思わなかったかな。
2008.12.27 Hambert Hambert ; 道はつづく ; MIDI MDCL-1475これ聴いたら日本が太平洋戦争に勝てるわけがないってのがよく分かります。後に「トレイン・ケプト・ア・ローリン」につながるフレディ・スラックの「カウ・カウ・ブギ」の他、ラッキー・ミリンダー、アンディ・カーク、アール・ハインズ、アースキン・ホウキンス、そしてデューク・エリントンといったビッグ・バンドが次々とヒットを飛ばし、ルイ・ジョーダンも活躍、オルガンを弾くファッツ・ウォーラー、ブルース系ではリル・グリーンやちょっとエッチに「レット・ミー・プレイ・ユア・プードル」を歌うタンパ・レッド、小洒落たナット・キング・コールに柔らかいコーラスを響かせるインク・スポッツと、本当に戦争してたのって思うくらいの余裕綽々の音楽の数々。この辺の音楽の好きなものにはたまらない選曲です。
2008.12.26 Hambert Hambert ; まっくらやみのにらめっこ ; MIDI MDCL 14892006年リリース。通算4枚目になるのでしょうか。佐藤良成の一人称の曲を佐野遊穂が歌うというこのデュオのスタイルは崩れようがないんですが、だんだん音楽的に面白くなって来ています。特に「もったいないけど」の笛とバンジョーのサウンドなど、手触りのよい木綿生地のような肌合いで、佐野の歌声が実に生きています。「合奏は楽しい」ではちょっとケイジャンのトゥーステップを意識したようなフィドルとピアニカにウォッシュタブ・ベースによるサウンドが、このユニットのルーツを垣間見せてくれるようです。「おかえりなさい」という悲しい歌を真っすぐ歌う良成、でもこの歌は主語が女性を思わせる「私」なのよね。このユニットのどこか不思議な感じは、こうした主語の錯綜にあるのかもしれません。
2008.12.25 Jessie Mae Hamphill ; She-Wolf ; HIGH WATER/P-VINE PCD-54742008年リリースの新譜です。まず印象として「強さ」を感じました。「バビロン」のニール・ヤングあたりを思わせるロック・サウンドもですが、葬送の曲である「大宴会」での佐野遊穂の歌はいつになく力が入っていて、天に声を届けようという意思を感じました。荒神、鬼といったどこか伝承的な香りのする歌も腰の据わった歌になっています。ラヴソングの「おいらの船」もガツンとしたインパクトがあります。もうひとつ、歌詞がドンドン社会的になっていますね。どこかコミカルに歌う「国語」カントリー調の「街の灯」あたりは社会批評的だし、「静かな家」「透明人間」は自分とかかわる他者を歌うっていう意味で社会性が感じられます。そして遊穂が愛らしさのある声で歌う「はつ恋」、この倒錯感がこのユニットの大きな魅力になっています。
2008.12.24 Hambert Hambert ; 焚日 ; MIDI MDCL-14471979年録音に1997年のものを加えて出されたアルバムです。ヒル・カントリーの伝統を受け継ぐ彼女のスタイルは、ハウリン・ウルフからの影響がくっきり出ているんですが、面白いのはその歌い方。すごく自然なんです。ハウリン・ウルフって言うとあのうなり声な訳で、ここでもそういうものが出ても不思議はないんですけど、どちらかというとさらっとした歌い方です。決して上手いとは言えない歌なんですが、なんか自然な感じでいいですね。ギターの方はかなり達者で、79年録音ではタンバリンだけをバックにしてます。中には1弦のディドリー・ボウを奏でる曲もあり、まるで鋸をこすってるみたい。チャーミングなルックスと、実に田舎臭い演奏のミスマッチ、生で見てみたかったな。
2008.12.23 Hambert Hambert ; 11のみじかい話 ; MIDI MDCL 14692003年リリース。サウンド的にはいろんな要素を感じさせる作品になって来ています。例えば「逃げ水」や「山火事」、どこか不安げなサウンドは、佐藤良成のノーギミックな歌と強いナチュラルエコーの効いたドラムと合わせて、なんともざらついた感じで、佐野遊穂の歌う曲と好対照をなしています。全体的にロックの要素を強く出そうとしているようですが、果たしてそれがこのユニットにとって当たりだったのか。やっぱり「窓」とかフランス風童謡的な「コックと作家」、フォークな「迷子」の方がしっくり来るんですよね。
2008.12.22 v.a. ; Jump, Jive & Swing ; ACE CDCHK 7212005年リリース。六角橋のカフェ・ド・ヤガヴァンで食事をしているとき、耳にしたのがこのアルバムの「虹」でした。C.C.R.の歌の中でも大好きなバラード「すべての人に歌を」を日本語化したこの曲でいっぺんにこのユニットに興味を持ちました。男女デュオってことで自分のやってる「美女と野獣」のことも頭にありましたし。で、アルバムを片っ端から聴いてみることに。「虹」は元の歌の社会性を全部消し去り、リフレインの巧みな訳詞を生かしたラヴソングになってます。それよりさらしの麻のような肌触りの「桜の木の下で」、童歌を思わせる不思議なメロディと言葉遊びの「からたちの木」や「てまりうた」のヨーロッパ・テイストと和の混じり合ったようなサウンド、何といっても佐野遊穂の凛とした声が魅力的でした。アコースティックな響きに溢れる、何とも癒されるアルバムです。
2008.12.21 The Dukes Of Dixieland / The Olympia Brass Band ; Soirit Of New Orleans ; SHERIDAN SQUARE 76991988〜1998年にリリースされたイギリスのジャンプ/ジャイヴ・バンドのコンピレーションです。収録されているのはシュヴァリエ・ブラザーズ、レイ・ゲラント・ジャイアンツ、ダナ・ギレスピー、シュガー・レイズ・フライング・フォートレス、ビッグ・タウン・プレイボーイズ、タイロン・ホブズ&ザ・ヒップシェイカーズ。と書いてもほとんど知られていないと思います。まあ極論で例えれば、イギリスのスウィンギン・バッパーズ大集合という感じのアルバムです。どのバンドも演奏力はかなりあり、十分楽しめますが、でも生で見るバンドのような気もします。総じて歌が弱いなぁ。あとはバッパーズ並みの遊びがあるかどうか、歌詞が分かればその辺も分かるんですが。
2008.12.20 v.a. ; Jumpin' & Jivin' ; ACE CDCHD 6542008年リリース。ニューオーリンズ現役のディキシーランド・スタイルのバンドと、トラディショナルなブラスバンドが、ニューオーリンズゆかりの名曲を中心にやっちゃうって内容のアルバムです。前半9曲がデューク・オヴ・ディクシーランドで、楽しいディクシーランド・チューンからしっとりした「ドゥー・ユー・ノウ・ワット・イット・ミーンズ・トゥ・ミス・ニューオーリンズ」や「ベイシン・ストリート・ブルース」、そして楽しい「タイガー・ラグ」と王道を行く選曲。一方オリンピア・ブラス・バンドの方はフェスの「マルディ・グラ・イン・ニューオーリンズ」や「ニュー・セカンド・ライン」「マイ・ブルー・ヘヴン」といった、よりカーニヴァル的な選曲で、同じホーン中心の演奏でも、スタイルの違いが上手く出ていました。どちらも味わいがあり面白いアルバムです。
2008.12.19 New Orleans Jazz Vipers ; New Orleans Jazz Vipers ; NEW ORLEANS JAZZ VIPERS NOJV 0011947〜1955年の、主にSPECIALTYとPRESTIGEに残されたジャンプ・ミュージックのコンピです。ロイ・ミルトンのご機嫌なグルーヴが軸になって、スピード感のあるレオ・パーカー、キング・プレージュアの「レッド・トップ」、エイモス・ミルバーンの「チキン・シャック・ブギ」をゆったりさせたようなフロイド・ディクソンの「ホール・イン・ザ・ウォール」、さらにはバンブル・ビー・スリムのご機嫌なブギなんてのも入ってます。この時代の曲って本当に外れが少ないですね。
2008.12.18 Goo Punch! ; Goo Punch! ; MARIMO MR0042002年スタジオとライヴ録音が混ざってます。これがこのバンドのデビュー作でしょうか。古いスタイルのジャズを演奏しているんですが、どことなくザラッとしたところがあって、それがいい感じの生々しさになっています。「ディガディガ・ドゥ」って、「買い物ブギ」の元歌みたいですね。有名な「ザ・ムーチ」、ガツンとした感じの演奏です。このバンド、ギターの切れがすごくいいんですよ。ホーンのちょっと野太くてダーティな感じの音をびっと締めてる感じです。まだまろやかさはちゃんと出ていませんけどね。
2008.12.17 Leon Chavis & The Zydeco Flames ; Holla @ Me ; LEON CHAVIS no number2004年リリース。いやいや、こういう音楽との出会いってあるんですよね。夏にライヴで一緒になったSAPPORO FUNK ORGANIZATIONが東京に来たのでそれを見に行ったときにゲストでフルートを吹いていたのがこのグー・パンチのテディ熊谷さんで、S.F.O.のリーダーがしきりにこのバンドを褒めるので興味を持ったんです。で聴いてみたら、こりゃ腰が抜けるほど格好いいファンクバンドですよ!ジャズの下地は感じますけど、完全肉体派のサウンドで、リズム隊はファット!サックスの暴れ具合も強烈で、インスト・ナンバーなのにぐいぐい引き込まれました。ヒップホップの手法を取り入れた曲もありますが、安直な感じはなく、結局はギターのカッティングとかベースのうねりにもっていかれちゃいます。オルガンの切れも素晴らしく、とにかくこの怒涛のファンクの洪水にアッという間に溺れちゃったって感じです。横浜でも時々ライヴやっているようなので、今度機会を捉えて絶対見に行ってやります。最高!
2008.12.16 New Orleans Jazz Vipers ; Live On Frenchmen Street ; NEW ORLEANS JAZZ VIPERS NOJV 002多分2008年のリリースです。ブーズーの孫レオンがやってくれました!とってもタイトなリズム、「クウォリティ・タイム」などの親しみやすいメロディ、切れのいいボタンアコの音色、新世代ザディコなんですがどこか暖かみのある歌と、彼の個性によくマッチした素晴らしいアルバムに仕上がっていると思います。ヒップホップの感覚などを取り入れていても、根っこにはしっかりトゥーステップ魂が息づいていて、最近のクリス・アルドワンのようにちょっと行きすぎちゃったんじゃないのかといった感じもなく、とても自然に聴くことが出来ました。そのクリスはタイトル曲のリミックス・ヴァージョンに参加してますけど。「プレイ・ウィズ・ユア・プードル」はブルースの曲とは同名異曲ですがテーマは多分一緒でしょう。犬の鳴き声やら口笛やら入った楽しい演奏になっています。ことしのザディコのアルバムで一番気に入りました。
2008.12.15 Keith Frank ; Loved. Feared. Respected. ; SOUL WOOD SWR0112004年リリース。ニューオーリンズはスポッテッド・キャットというところでのライヴ録音です。ジョー・ブラウンをはじめとしたメンバーが、オールド・ジャズを演奏しながらとっかえひっかえ歌っていきます。ジョーはサッチモを意識したようなしゃがれ声なのに対し、ギターのジョン・ロドリは若々しいハイトーンで歌います。曲も「ダイナ」「セントルイス・ブルース」「ゴースト・オヴ・ア・チャンス」「ロンサム・ミー」といった古いスタンダードな曲が中心で、肩のこらない演奏は聴いていて気楽に楽しめる感じです。でもチャーリー・ファロデラのトランペットの音色はさすがニューオーリンズといった張りのあるもので、切れのいいリズムといい、このバンドの実力を存分に発揮した作品です。
2008.12.14 J.J. Cailler ; The Zydeco Knockout ; CAILLER CD 50082008年リリース。例によってジェニファーらフランク一族のバンドによる演奏は安定感抜群。抑え気味だけどしっかり要所は押さえたアコーディオンはさすがです。新世代ザディコの要素をたっぷり取り入れながらも、タイトなリズムのトゥーステップは奇をてらうことのないダンス・チューンで、ラフィエで一番のライヴ・バンドの面目躍如と言ったところでしょう。ファンキーなタイトル曲、ちょこっとレゲエの香りのする「トレイル・ライド」、伝統的な「ザディコ・ソン・パ・セール」など、懐の深い選曲で17曲聴いていて飽きませんでした。
2008.12.13 New Orleans Jazz Vipers ; Hope You're Comin' Back ; NEW ORLEANS JAZZ VIPERS NOJV 0032008年リリース。新世代ザディコらしい実にクールな演奏で、アコーディオンもバックの演奏もぐっと抑えた感じ。ちょっとしゃがれた声でソウルフルに歌います。でもこの人、やっぱり少しヴォーカルが弱いかな。ギターはケント・オーガスト。途中ゲストにJ・ポール・ジュニアが参加した曲もありますが、少なくともこのスタジオ録音を聴く限りでは、タイトルのようにガツンと来るほどのインパクトはなかったです。ライヴを見てみたいですね。
2008.12.12 Nocentelli ; Say Na Hey ; PECUKY MUSIC no number2006年録音。まずはオリジナルのタイトル曲「ホープ・ユーア・カミン・バック・トゥ・ニューオーリンズ」が印象的です。ちょっと「ドゥ・ユー・ノウ・ホワット・イット・ミーンズ・ミス・ニューオーリンズ」に似たメロディで、サッチモっぽいヴォーカルが入ってきます。この他全体的にオールド・ジャズのスタイルで、クラリネット、フィドルなどを交えたちょっとザラッとしてますが暖かい演奏です。曲も「インディアン・サマー」古いジャズ・ナンバーが多いようですが、よく知らない曲ばかりなのでかえって新鮮でした。
2008.12.11 Porter Batiste Stoltz feat. Page McConnell ; Moodoo ; HIGHSTEPPIN' HSP-1012008年リリース。2曲入りのCD-Rです。ギターのカッティングが心地良いミディアムのタイトル曲はライヴ録音かもしれません。レオ自身のヴォーカルを多重に被せたんでしょうね。何ともチープなヴォーカルですが独特のグルーヴ感があります。一方「ザ・ハイプ」の方は打ち込みのリズムとシンセサイザーをバックに、ちょっと80年代のディヴィッド・ボウイとかプリンスを思わせるようなギター・リフ。すごく面白いって訳じゃないですけど麻薬的なノリがあります。
2008.12.10 Johnny Chauvin & The Mojo Band ; With A Little Help From My Friends ; DIATONIC DPCD 121572008年リリース。このメンバーでセカンドライン・ファンクをやればそれは間違いないといった顔ぶれですね。ファンキー・ミーターズでの活動もあり、息はぴったりです。当然のようにミーターズナンバーが登場しますが、全体的にはブライアン・ストルツのジミ・ヘンドリックス・フリークなギターが炸裂しています。キーボードにペイジ・マッコネルが参加するとぐっとファンク度も増す感じ。ボトムをどっしりと出すジョージのベースのせいもあってか、バティステのドラムのグルーヴ感が以前より増したように思います。まあとにかく格好いいの一言です。
2008.12. 9 Uncle Funkenstein ; Together Again ; JAZZMAN JMANCD 023多分2008年の盤です。写真とかを見るとプレイヤーの多くは白人のようですが、ポップなザディコバンドといった演奏ですね。トップのタイトル曲とラストナンバーがビートルズで、スタンダードの「ブルームーン」やサム・クックの「キューピッド」などを軽快なタッチでやっています。歌もスムースで聴きやすいです。確かな演奏力をもったパーティバンドといった印象ですね。
2008.12. 8 Willie Nelson & Leon Russell ; One For The Road ; COLUMBIA CGK 360641983年リリース。インディアナポリスのラッセル・ウェブスターというサックス奏者のアルバムです。冒頭ウッドベースの響きから一転、ファンキーなドラムに乗ってブリブリと展開されるサックスはまさにジャズ・ファンク!3ヴァージョン収録されていますがどれもなかなかの迫力です。4曲名こうはむしろ正統派ジャズっていった演奏で、ちょっと期待外れ。6曲目以降は録音も古いようで、ちょっとポップな歌ものだったり、フルートをフューチャーしたバンドものだったりと、意外な感じでした。これは僕の趣味とは違いますね。
2008.12. 7 Roiki ; Delta Boy ; SOUTHSIDE SSBC-0081979年リリース。レオン・ラッセルは自らハンク・ウィルソンを名乗ってアルバムを作っちゃうくらいカントリー好きなんですけれど、ちょうどその頃にウィリー・ネルソンとのコラボを出していました。前半10曲はウィリーとレオンがふたりでカントリーのスタンダードを歌うって趣向で、「アイ・ソウ・ザ・ライト」から「ユー・アー・マイ・サンシャイン」なんて曲からアップテンポな「ハートブレイク・ホテル」、それに「トラブル・イン・マインド」なんてブルースもやってます。一方後半の10曲はレオンがキーボードやシンセでバックのサウンドを作り、そこにウィリーの歌を乗せてあります。ゲストにマリア・マルダーやボニー・レイットの名前も。こちらはゆったりした曲が多く、「ダニー・ボーイ」「サマータイム」「ラッキー・オールド・サン」「ストーミー・ウェザー」などのバラードを、ウィリーが優しさ溢れる声で歌い上げています。
2008.12. 6 The Zydepunks ; Finisterre ; NINE MILE NMR 01122001年録音。最近ライヴでご一緒するロイキさんのデビュー盤です。ライヴでもお馴染みのレパートリーが8曲詰まっています。メタルボディのリゾネイタを独特の味のあるスライドプレイでかき鳴らしながら、ちょっとかん高いタフな声でブルースを唸ります。英語で歌う歌も表情があり、誰かの物真似では決してないロイキさんならではのサウンドになっているのが流石ですね。ウィリー・ウェインの「ジャンコ・パートナー」を下敷きに全然違う歌詞で日本語化した「ジュンコの亭主」、エッチなエッチな「ゼイ・アー・レッド・ホット」、そしてアカペラで歌う「ホワット・アイ・ウォント・ドゥ・サムシング・フォー・ユー」、この後半がすごく好きです。
2008.12. 5 有山じゅんじと上田正樹 ; ぼちぼちいこか'08 フューチャリング くいだおれ太郎 ; 風知空知 FUCHI001多分2008年の新譜です。毎度お馴染みのクレズマー風楽曲を、ザディコ風味のアコーディオンで彩っているんですが、確かにどこかパンキーな感じが増してきました。バタバタするドラムはますます派手になっている気がしますし、スピード感も増しているようです。曲によってはロシア民謡のようであったり、フランス語で歌っていてもどこか普通のケイジャンやザディコとは違うんですよね。そんな中やけに普通のフォークソングっぽい「ディア・モリー」なんて曲が出てくるとホッとしちゃったりします。でも歌詞の意味が分かるときっともっと面白いんだろうなって、この世の果てに航海する船のイラストを見て思いました。
2008.12. 4 Jozeph "Zig" Modeliste ; O-B-A-M-A, Obama ; JZM no number2008年リリース。あの名盤の中から「俺の借金全部でなんぼや」「梅田からナンパまで」「あこがれの北新地」「買い物でもいきまへんか」「あこがれの道頓堀」と、素敵なナンバーを選りすぐって再録したものです。ドラムに正木五郎、ベースにバン・バン・バザールの黒川修、コーラスには金子マリを迎え、万全の態勢で臨んだ再録は、あの名盤の雰囲気そのままに、見事に現代に蘇らせました。唯一録りおろしの「ぼちぼちいこか」だけが、実に上田正樹節なのが笑っちゃいましたけどね。
2008.12. 3 Lawrence Sieberth ; New New Orleans ; MUSIK BLOC no number2008年リリース。ジガブーの名前があったんで買ったんですが、なんとオバマ宣伝用のシングルでした。リズミックな演奏をバックに、「オバマ」を連呼するテーマ。でも歌の部分はなかなかねちっこいニューオーリンズ節でちょっと安心。こんなのもあるんですね。
2008.12. 2 "Mr. Mardi Gras" Allen Toussaint ; I Love A Carnival Ball ; 504 CDS1032008年リリース。この人はよく知らなかったんですが、ゲイトマウス・ブラウンとたびたびセッションしているので実は聴いたことがあったようです。アルバムには「新しい」とありますが、どちらかというとオーソドックスなオールド・ジャズ・ピアノ・スタイルで、「セントルイス・ブルース」から「ドゥ・ユー・ノウ・ホワット・イット・ミーンズ・ミス・ニューオーリンズ」、そして「サニーサイド・オヴ・ザ・ストリート」までやっています。中には「ボールド・ヘッド」なんて曲も入ってて、やっぱり彼の地の人なんだなって思いました。またスウィングする「アメイジング・グレイス」ていうのも新鮮でした。少しおとなし目ですが小林創に通じるものを感じました。
2008.12. 1 Ella Fitzgerald with Count Basie ; Ella & Basie ; VERVE/UNIVERSAL UCCU-52261987年のアルバムの再発のようです。多分マルディ・グラ用に作られたんだと思いますが、まずそのサウンドが思いっ切りチープなんです。安っぽいシンセサイザーでサウンドを組み立てている感じで、いかにもちょこちょこっと低予算で作っちゃいましたといった感じ。もちろん希代のメロディ・メイカーの作品ですからタイトル曲など印象的なメロディなんですが、チープな感じがなんとも。ラップやディスコ的リズムもあったりして、なんだかじっくり聴くって作品じゃないですね。
1963年録音。いやはやこれは素晴らしいアルバムです。円熟したエラのヴォーカルと、最高に切れのいいリズムのビッグバンドの組み合わせは、落ち着いたスタンダードナンバーにも新しい息吹を与えます。「ハニーサックル・ローズ」から「ふたりでお茶を」「サテンドール」「浮気はやめた」、とお馴染みの曲を歌っていきますが、これは大人の音楽ですね。さらっと歌っているように見えて、細かい、それこそ指先まで神経の行き渡ったような歌い廻しが見事ですし、落ち着いたリズムキープをしながら、要所でパーンと入ってくる金管の音色の格好良さったら!さすがクウィンシー・ジョーンズの仕事です。ラストの「オン・ザ・サニーサイド・オヴ・ザ・ストリート」、ゆったり目のブルージーな演奏に乗って、実にスウィングしたヴァージョンで、まさに目から鱗でした。