月形の出演作を見ていると娯楽時代劇映画の歴史が見えてくる。
あらゆる大スターの相手役を務めた月形の名演技をお楽しみください。
ビデオ紹介のコーナーでしたが、ブロードバンド時代になりましたのでビデオ化、非ビデオ化に関わらず作品を紹介していきます。
■戦前 ■戦後 ■東映時代
| 現在見ることの出来る月形龍之介出演作品です。 あなたの目で、時代劇スター七剣聖イチ色っぽい月形龍之介の名演技をご覧ください。 ただ、名優といえども生涯に500本以上出演しているその演技は玉石混合。若い時のキネ旬ベストテン入りまくりの主演作はぜんぜん残ってなくて、ビデオ化されているのは年とってからの脇役出演のものがほとんど。一万円出して手に入れても端役脇役斬られ役・・・。出番は二分だったりするから、追っかける方としてはストレス溜まるのなんの! いくら借金返済するためとはいえ、少しは仕事を選べよ、月形! |
| 制作年度 | 作品/監督 | 月形の役名 | ビデオ・DVDなど発売のあったものは右に○ | |
| 1925 | 江戸怪盗伝・影法師★ 二川文太郎 |
清見潟兵馬 | 妻さんの義賊影法師を売るごろつき、輝子のヒモ。月形も妻さんも二人とも若かった。取っ組み合いして、ぶつかってる。完全版ならもっと対決シーンがあったろうに、残念……。お尻の小さい月形の着流し姿が良い。妻さんに斬られて死ぬ。マキノ時代、「小雀峠」なども出ているはずだが、役名不明。妻さんの斬られ役をさんざん務めたはずだから、上映会もいいけれどビデオで繰り返し見たいものである。貴重な資料。(マツダ映画社) | ○ |
| 1927 | 砂絵呪縛 金森万象 |
勝浦孫之丞 | 月形のサイレント時代の主演作で、現在ビデオで見れるのはこの一本きり。若き日の二枚目ぶりがじっくり見れます。鈴木澄子お姉様が色っぽい。完結編欠落。なぜフィルムセンターは、90分近く残っている「美丈夫」をビデオ化してくれないのだろうか?(マツダ映画社) | ○ |
| 1936 | 桃中軒雲右衛門★★★ 成瀬巳喜男 |
雲右衛門 | 月形主演作。これを代表作と見るか、失敗作と見るかは評価の分かれるところ。月形いわく「俳優として生涯の失敗作」。ただ、女優はいいし、成瀬の作品だし、保存状態も良。月形哲之介夫人は、「問い詰められて何か言いたそうな顔をしながらも黙りこんでしまうところ」が、生前の月形龍之介そっくりだとおっしゃってた。目が点になること請け合い。成瀬ファン必見!ぜったいに他の成瀬ファンを椅子に縛り付けてでも見せたくなる!(キネマ倶楽部) | ○ |
| 1937 | 戦国時代 松田定次 |
次郎青年と蓮如和尚との二役 | 検閲のためストーリーが分からないほど切られている。月形の学芸会のようなせりふを初めて聞いた時、目が点になった。が、私は好き。(キネマ倶楽部) | ○ |
| 1938 | 出世太閤記 稲垣浩 |
織田信長 | 月形が信長のパターンを作ったとしか思えないほどカンペキ。弓をひくシーン、蘭丸といちゃつくシーンがなかったのが心残り。でも、脇役なんだよね。アラカンの藤吉郎が主役。(キネマ倶楽部) | ○ |
| 鞍馬天狗・龍穣虎博の巻★ 松田定次 |
山嶽党の首領、建部新吾 | 冷酷な悪役。おきまりのセリフしかないのに魅力的。悪役の仕事が来るはず。鞍馬天狗を見たことない初心者にはお薦め(日活) | ○ | |
| 荒獅子 松田定次 |
岩瀬主水正 | 保存状態めちゃくちゃ悪し。なんで、一つしか年が離れてないのにアラカンの父親役をするの!?でも36才で、この演技は立派。 | ○ | |
| 1939 | 鞍馬天狗・天狗回状 田崎浩一 |
近江守とその弟の怪老人 | なんで、一つしか年が離れてないのにアラカンが二枚目役で、月形が老人の二役なの?月形、一人で兄弟愛を演じるクライマックス。珍品。(日活) | ○ |
| 1940 | 宮本武蔵★★★ 稲垣浩 |
佐々木小次郎 | 日本一強そう。孤独と鋭さと緊張感。「月形を抜く小次郎役者はついに現れなかった」と稲垣監督に言わしめた。総集編なのが惜しいが巌流島の決闘はノーカット。カメラ宮川で、波と風がすばらしい。時代劇フアン必見!この素晴らしさ、見れば分かる!200%買い!(キネマ倶楽部) | ○ |
| 1941 | をり鶴七変化 石田民三 |
伴周作 | (キネマ倶楽部) | ○ |
| 新門辰五郎 牛原虚彦 |
山井実久 | (キネマ倶楽部) | ○ | |
| 1942 | 独眼流正宗 稲垣浩 |
片倉小十郎 | (キネマ倶楽部) | ○ |
| 1943 | 姿三四郎★★★ 黒澤明 |
桧垣源之助 | いまさら言うこともない、映画ファンなら黒沢は見ていて当然。月形自身が考案したという二重マント姿がいい。決闘シーンのロケでは雨続きでピーカン待ちだった。強風は台風ではない。冬に撮影しているからじつは木枯らしである。寒い。素足では耐えられないので藤田進は地下足袋を履いた。目を凝らして見たが、さすがに画面では確認できない。ロケ地で扮装のままけんちん汁をみんなで食べているスナップが残っている。(東宝) | ○ |
| 無法松の一生★★★ 稲垣浩 |
結城重蔵 | バンツマ一世一代の傑作!バンツマのオーラはすばらしい。これぞ大スター!日本一光り輝いている。対するブラックホール月形の結城重蔵、妻さんを援けて好演。桟敷シーンのスチールは私も欲しい。日本映画を愛する者なら当然、必見。ただし月形の出番は3分。(キネマ倶楽部) | ○ | |
| 浪曲忠臣蔵・元禄あばれ笠★ 石田民三 |
大石内蔵助 | 準主演といって構わないだろう。南部坂、雪の別れの大石内蔵助を見れば、演技とは、いや演技以前とは何だろうと誰しも思わず考える。名優!買って良かった一本。ちなみに雪の上の下駄の足跡は円谷英二が担当している。(キネマ倶楽部) | ○ | |
| 1944 | 剣風練兵館 牛原虚彦 |
佐川彦五郎 | 妻さん、桂小五郎役。でも「無法松」にしか見えない。演技開眼したというが、とってもあやしい。あやしいので、みんな一生懸命ヨイショしている。ライバル役の月形は「討たるる者」以来の妻さんとの対決シーンで火花を散らす。相変わらずヨイショしつつも、すっかり主役を食ってしまっている月形であった。羅門光三郎もいいし荒木忍もいい。(キネマ倶楽部) | ○ |
| かくて神風は吹く★ 丸根賛太郎 |
別宮通商 | オールスターの国策映画。神風が吹いて外敵から日本は守られる。月形いわく、「もっと国民に具体的な生きる希望を与えるような映画を企画してほしいよなあ」。円谷英二の特撮シーンはマニアの資料。(キネマ倶楽部) | ○ | |
| 狼火は上海に揚がる★★★稲垣浩 | 五代才助 | 中華電映との日中友好合作もの。白人の支配からアジアを守るのだという戦意高揚映画として作られたものだが、上海ロケなどとても珍しい風景が楽しめる。後半部分しか残っていないがロシアから帰朝してフィルムセンターに入ったものが早速ビデオになった。バンツマ&月形久々の共演もの。映画史に興味のあるマニア必見!!(キネマ倶楽部) | ○ | |
| 1945 | 乞食大将 松田定次 |
黒田長政 | (キネマ倶楽部) | ○ |
| 続姿三四郎★★ 黒澤明 |
桧垣源之助・鉄心役 (兄と弟の二役) |
決闘シーン、今度は吹雪待ち。俳優とスタッフ一同、旅館で雪が降るのをじ〜っと待っている。月形の日記には「今日も快晴。このままではここで年を越すかもしれないと言われて腐る」と記してある。いよいよ年も押し迫ってきて、旅館の人たちが臼を屋外に出して餅をつきだす。月形、黒沢監督はじめスタッフ一同餅つきを手伝う。すると、やっと雪が降ってきた。「一斗臼、四升、四本、杵でつくのは初めてで骨が折れたが、暮れゆく山々を見ながらシンシンと降る雪の中で調子揃えて杵を振る。絵にもなり、詩にもなる」と、月形は日記に書いた。黒沢ファンは買い。(東宝) | ○ | |
| 1946 | 槍おどり五十三次 森一生 |
安長 | (キネマ倶楽部) | ○ |
| 七つの顔★ 松田定次 |
野々宮信吾 | 千恵蔵の多羅尾伴内颯爽登場。いま見るとカルト。当時はモデルガンがなかったので、ピストルはすべて警察から借りてきた本物。(キネマ倶楽部) | ○ | |
| 1947 | 壮士劇場 稲垣浩 |
鳥尾通秋 | 仕事を選べよ月形!くそ……買っちまったじゃねえか。冒頭、ワンシーンだけ出てくる山本礼三郎が完全にバンツマを食っている。礼さんっていいよね。もっと月形と共演して欲しかった。礼さんファンは買いかな?(キネマ倶楽部) | ○ |
| 1949 | ジャコ萬と鉄★ 谷口千吉 |
ジャコ萬 | 若き三船との共演。これをもう一度見てみたい、ダビングしてくれという方がずいぶんいた。人気作品。みんないい演技。三船のファンは当然買いだっ。 | ○ |
| 透明人間現わる★ 安達伸生 |
中里謙造 | カルト!C級!珍品!SFマニアは100%買い!ああ……、たのむから仕事を選べよ月形!(大映) | ○ | |
| 1950 | ごろつき船 森一生 |
流山桐太郎 | この頃月形はいい仕事をしている。「殺陣師段平」も、これと前後して撮っている。月形は金がない時の仕事がとてもいい。が、それだけでなく、心の中で何か区切りの年だったのかもしれない。大河内伝次郎との一騎打ちが見もの。着流し姿の身体の線もとても美しく、48才とは思えない。20代はどんなに美しかったろう。でも月形、お前ってどうして女がらみの芝居はそんなに大根なの?とても日本映画史上の名優のとは思えない。誰も注意しなかったのだろうか?ぶん殴ってやりたいほどの月形の大根ぶりも見もの。(キネマ倶楽部) | ○ |
| 1951 | おぼろ駕籠★★ 伊藤大輔 |
本多内蔵助 | バンツマ主演の正月映画。が、月形が断然際立っている。私は「殺陣師段平」と、この「おぼろ駕籠」を見て月形にはまった。月形は妻さんの親友役で、にっこり笑って坐ってるだけの折り目正しい旗本役。そのサムライそのものの立ち居振舞いは、いまどきの時代劇スターには逆立ちしても真似できない月形の必殺技。時代劇定番の、小鳥の世話をしながら話すシーンがうまいのは言うまでもないが、冒頭の振り返り振り返りしながらバンツマに話し掛けるシーンも印象的でとても良い。私はこの本多内蔵助を一目見て、月形がこの世で一番美しく色っぽいサムライだと確信した。おまけに一度も剣を抜かないのに強くてかっこいいんだから言うことない。わたしゃ、ビデオが擦り切れるまで見た。擦り切れたのでもう一本買った。月形ファンは200%買い!色っぽい!だが、ストーリーを楽しむつもりで見てはいけない。そんなものーーーない!!ただ、ひたすらスターだけを見る映画。佐田啓二ファンにはお薦め。(キネマ倶楽部) | ○ |
| 佐々木小次郎 稲垣浩 | 南屋十兵衛 | 礼さんとのカラミがあるのなら見てみたい。(キネマ倶楽部) | ○ | |
| 怪塔傳 丸根賛太郎 |
鉄斎 | 時代劇初出演の鶴田浩二を助けて好演している。が、ラストの恋心の告白シーンの大根セリフでぶちこわしだあ。(松竹) | ○ | |
| 鞍馬天狗・角兵衛獅子★★ 大曽根辰夫 |
近藤勇 | うまい。強い。アラカンいわく「立ち回りは月形のオッサンに限ります。迫力が違います」。ラスト緊張感あふれる決闘シーンは殺陣師を付けさせず、月形&アラカン二人でぶっつけ本番一発OK。撮り終わってアラカン、汗がドーーッ!山田五十鈴もいい。このビデオを見せた友人は美空ひばりの杉作姿に腰を抜かした。ひばりファン必見!時代劇初心者必見!(松竹) | ○ | |
| 平手造酒 並木鏡太郎 |
千葉周作 | (キネマ倶楽部) | ○ | |
| 大江戸五人男 伊藤大輔 |
魚屋宗五郎 | 24才の時の魚屋の健ちゃん役が受けたからといって、この年になってまだ魚屋をやらせられるわけ?宗五郎が妹にタメ口きくとき、ウィンクしたように黒駒が一個入っている。これが有名な伊藤大輔の黒駒技法?とても変。妻さんと月形、サイレント役者が二人、シカト合戦をする。妻さん相変わらず人のセリフを全く聞いてない。月形ぴくりとも動かない。間に入った戦後派・高橋貞二の困惑ぶりがケッサク。(松竹) | ○ | |
| 1952 | 牛若丸★ 大曽根辰夫 |
新田ノ太郎吉光 | ただの裏切り者の悪役にすぎないのに、なんかものすごく訳ありの裏がある悪役に感じるぞ。牛若丸と美少女の二役のひばりちゃんがかわいい。(松竹) | ○ |
| 1953 | 江戸いろは祭り 内出好吉 |
め組辰五郎 | 山田五十鈴の尻に敷かれる月形(松竹) | ○ |
| ひばりの山を守る兄弟 松田定次 |
間部越中守 | 面白く楽しめる作品。ひばりちゃんが好きな人は必見。月形は目の前に騒がしいコメディアンがこようが日本一の妻さんがこようが態度は同じーーーなにもしない。(松竹) | ○ | |
| あばれ獅子 大曽根辰夫 |
島田虎之助 | バンツマの遺作。映画は吹き替えで完成させた。バンツマファンにとっては心残りな一編となった。監督は長らく病気で休んでいた妻さんをリラックスさせようと、撮影一日目の第一シーンから月形と組ませた。月形の島田虎之助の道場に妻さんの勝小吉が訪ねてくるシーン。すると妻さん、なんとぶるぶる震えている。芝居が出来ないのだ。月形は長年の付き合いで、妻さんはアガっているのだとすぐに悟った。シーンとシーンの合間、休んでいる妻さんにそっと近づいていくと、日本一の大スター・バンツマは月形に、「ガタさん、こんなこと初めてだよ。どうしよう」と見栄も何もかも投げ捨てて打ち明けるのだった。月形は、自分も戦後久しぶりに撮った時は足が地につかないほどアガったよと体験談を話し、「そんなもんなんだ。だから妻さん、自信を無くしちゃいかん」と慰め、励ました。妻さんは少しほっとしたように「そんなもんかなあ」と微笑んだ。……結局、バンツマはこの撮影中に倒れて、7月7日、帰らぬ人となった。「あばれ獅子」のセットの中で京都映画人葬が盛大に行われ、月形は弔辞を読んだ。(松竹) | ○ | |
| 1954 | 新諸国物語・笛吹き童子 萩原遼 |
赤柿玄馬 | 錦ちゃんを時代劇アイドルにした作品。私はこのときほど月形の背があと5センチ欲しいと願ったことはない。悪役にしては月形は背が低すぎる。わかりやすい御子様向けの演技をしている。月形は出ていないが、このあとに錦ちゃん千代之介で撮った「紅孔雀」はお子さま時代劇初心者必見の★マーク。(東映) | ○ |
| 紅孔雀 萩原遼 |
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| 鞍馬天狗・疾風八百八町 志村敏夫 | 幻庵 | なんで、たった一つ違いなのに……。まあ、いいけど。(キネマ倶楽部) | ||
| 右門捕物帖・まぼろし変化 丸根賛太郎 |
松平伊豆守 | てっきり片目の怪剣士が月形だと思っていたのにーーー!主役のアラカンの次に名前があって、出番は松平伊豆守のわずか一分だけなんてサギだあっ!?(キネマ倶楽部) | ||
| 新選組鬼隊長 河野寿一 | 伊東甲子太郎 | 千恵蔵は冷徹非情な役が本当にうまい。(東映) | ||
| 1955 | 血槍富士★★★ 内田吐夢 |
旅の男藤三郎 | ブルーリボン助演男優賞受賞。月形は非力な凡夫がうまい。サムライをやっている時とはまるで別人。月形はもちろんいいが、横山運平の娘を売る年寄りもいい。片岡栄二郎も加賀邦男も植木基晴、植木千恵もよい。千恵蔵だけが適役とは思えないのだが、多分クライマックスシーンの立ち回りに賭けたのだろう。もちろんそのシーンは時代映画史に残るほど有名だ。(東映) | |
| 獅子丸一平 萩原遼 |
新光寺光春 | 錦ちゃんの父親役。それはいいんだけど、女がらみの芝居は相変わらず大根。どうして誰も注意してあげないの!?(東映) | ||
| 旗本退屈男・謎の決闘状佐々木康 | 小野忠常 | 右太衛門、命を懸けた決闘に行くときにこんな派手なかっこしてくんな!(東映) | ||
| 1956 | 源義経・総集編 萩原燎 |
武蔵坊弁慶 | 六尺あまりの大男にツキガタがなれるわけない!それを一生懸命大男のように振る舞うのがなんとも(^^;総集編なので錦ちゃん&ツキガタのラブラブ光線シーンが少なくて残念。 | |
| 父子鷹★ 松田定次 |
男谷彦四郎 | もう出ずっぱりのいい役!欣也も可愛い。松田演出は上品。 | ||
| 赤穂浪士・天の巻、地の巻★ 松田定次 |
吉良上野之介 | 千代之介の浅野内匠之守との松の廊下のシーンは、二人っきりで三日掛かりで撮った。東映はオールスターものの赤穂浪士を三度撮ったが、これが松田定次のお気に入りの出来。忠臣蔵を知らない人にお勧め。(東映) | ||
| 髑髏銭 松田定次 |
銭ほうずき | 鎖鎌の殺陣が見物。ちなみに時代劇で鎖鎌の殺陣を最初に取り入れたのは「決闘・般若坂」(1943・伊藤大輔)で宍戸梅軒をやった月形である。カラミがうまいと右太衛門が強く見える(東映) | ||
| 曾我兄弟富士の夜襲 佐々木康 |
工藤祐経 | 錦ちゃん、千代之介、二人がかりで月形をやっつける。(東映) | ||
| 妖蛇の魔殿 松田定次 |
大蛇丸 | 「自来也・忍術三妖伝」(1937)のリメイク。(東映) | ||
| 1957 | 雨情 久松静児 |
桃中軒雲右衛門 | 20年ぶりの桃中軒雲右衛門役。ワンシーンだけだが、わざわざ東京の東宝に呼ばれて撮った。旅館の前で車を待っている時、月形は羽織袴姿でしゃんと背筋を伸ばし、きっと前を見詰めて立っていた。俺は京都撮影所をしょって立っているんだ、って感じで月笛好子嬢はその時初めて「月形先生かっこいい!」と思ったとか……。モリシゲと月形の共演がワンシーンだけ楽しめる。 山形勲が中山晋平役で出ているが、その宴席の客に端役時代の天津敏が座っている。山形勲も月形もまさかこのシャイな青年が後の任侠三大ヒールの一人として自分たちのポジションに取って代わるとは夢にも思わなかったろう。(キネマ倶楽部) |
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| 制作年度 | 作品/監督 | 月形の役名 | 作品紹介TOPへ | |
| 1957 | 旗本退屈男・謎の紅蓮塔 松田定次 | 神坂道郎 | 月形が馬も槍も弓も鎖鎌も使えるのは知っていたが、まさか長刀も使えるとは思わなかった。大敵役はすべてのアイテムを使いこなす。インチキ祈祷師役のお手本。数珠の使い方も誦経のし方も完璧!(東映) | |
| 旗本退屈男・謎の蛇姫屋敷 佐々木康 |
松平左近将監 | (東映) | ||
| 新諸国物語・七つの誓い・凱旋歌の巻 | 加賀爪丹波 | 「黒水仙の巻」「奴隷船の巻」にも出演している。(東映) | ||
| 任侠清水港 松田定次 |
黒駒の勝三 | (東映) | ||
| ゆうれい船・怒濤編 松田定次 |
松永弾正 | この頃、脚を痛めていたせいか前編だけ出演。(東映) | ||
| 隼人族の反乱 松田定次 |
二階堂兼親 | 東映は色を直してから販売すべし。 | ||
| 大菩薩峠 内田吐夢 |
裏宿の七兵衛 | 一部二部完結編すべて出演。千恵蔵の体積が四分の一だったなら日本映画史NO・1の机龍之助だった。それでも千恵蔵の非情な役は他の追随を許さない。まさに無明の闇をさまよっている。シネスコサイズで出たら★ | ||
| 水戸黄門 佐々木康 |
水戸黄門 | 月形龍之介映画生活三十八周年記念映画。オールスター。どういう駆け引きがあったのか知らないが、この後すぐ、右太衛門が300本記念の退屈男を撮っている。もちろんこっちもオールスター。結構楽しめる作品。 | ||
| 1958 | おしどり駕籠 マキノ雅弘 |
黒木兵部 | マキノ満男が死の床で頼んだという遺作。月形は人目もはばからず満男の棺に取りすがって泣いたという。それでもみんな何事もなかったように娯楽映画を作っていくのだ。 | |
| 江戸の名物男・一心太助 沢島忠 |
大久保彦左衛門 | 廃盤。大久保彦左衛門役。あまりのJUNE度の高さで廃盤になったとしか思えない。夫と二人でうろたえながら叫びながら見た。錦ちゃんの太助に月形の彦左衛門、この二人はできているとしか思えない!「御法度」だって相合い傘はしてないぞ!出たら当然、★★★! | ||
| 一心太助・天下の一大事★ 沢島忠 |
大久保彦左衛門 | 古武士の風格にじみ出る大久保彦左衛門役。錦ちゃんとのゴールデンコンビ。現在手に入る一心太助シリーズの中ではこれが一番の出来。月形はこの大久保彦左衛門の演技でアジア映画祭助演男優賞。頼むから見詰め合って手を握らないで欲しい。恥ずかしいほど息の合った二人の演技はまさにJUNE。錦ちゃんが生きていてくれたら月形の話がいっぱい聞けたのに……ね。当然、買い! | ||
| 剣は知っていた・紅顔無双流 内出好吉 |
柳生石舟斎 | あれだけ女のことばかり考えているにもかかわらず大川橋蔵はいつも強い剣士と言うことになっている。 | ||
| 旗本退屈男松田定次 | 角倉十太夫 | 右太衛門300本記念映画。大河内傳次郎と二人並んで談笑しているシーンはずっとずっと見ていたい。 | ||
| 任侠東海道松田定次 | 武井の安五郎 | |||
| 国定忠治 小沢茂弘 |
御室の勘助 | |||
| 丹下左膳 松田定次 |
大岡越前守 | |||
| 火の玉奉行 深田金之助 |
牧田備前守 | |||
| 若さま侍捕物帖・紅鶴屋敷沢島忠 | 覚全和尚 | |||
| 紫頭巾 大西秀明 |
海老沢頼母 | 千恵蔵の七変化。茶の湯ができると茶を点てる役ばかり巡ってくる。 | ||
| 喧嘩笠 マキノ雅弘 |
大前田英五郎 | |||
| 1959 | 丹下左膳・怒涛編★ 松田定次 |
大岡越前守 | かつての丹下左膳、大河内伝次郎と一緒に並んで「こいつは友達だ」なんて言って出ていると、それだけで見てもいいと思うのがファンというもの。ちなみに月形もマキノトーキー時代に左膳を演じている。丹下左膳を見たことない人にはお薦め。 | |
| 忠臣蔵・菊花の巻・桜花の巻 松田定次 |
橋本平左衛門 | |||
| 鞍馬天狗 マキノ雅弘 |
近藤勇 | いくらなんでも千代之介の鞍馬天狗と月形の近藤勇とじゃ勝負にならない。 | ||
| たつまき奉行 マキノ雅弘 |
杉戸屋平右衛門 | |||
| 風流使者・天下無双の剣 松田定次 |
藤木道満 | もっと大友柳太郎との決闘シーンを見ていたい。 | ||
| 独眼竜政宗 河野寿一 |
伊達輝宗 | 錦ちゃんと親子でまたまたラブラブ光線。 | ||
| 血闘水滸伝・怒涛の対決佐々木康 | 中山誠一郎 | |||
| 水戸黄門・天下の副将軍★★ 松田定次 |
水戸黄門 | 月形主演、極めつけの水戸黄門。TVの黄門しか知らない方はぜひご覧ください。ぜんぜん違うと思うから。全14本撮った人気シリーズの中でこれが一番の出来。天才的アイドル錦ちゃんとのゴールデンコンビは最高。頼むから二人で蔵の中にしけこんで見詰め合わないで欲しい。頼むから膝枕なんかしないで欲しい。このJUNEコンビはすべて買い! | ||
| 風雲児織田信長 河野寿一 |
平手政秀 | 私は1955年のモノクロ版のほうを見た。これはカラーのリメイク版。モノクロ版なら★★光り輝く錦ちゃんの信長。ブラックホール月形の爺とのコンビ。最高。 | ||
| 一心太助・男の中の男一匹 沢島忠 | 大久保彦左衛門 | シリーズ完結編のつもりで作ったので、彦左を死なせてしまった。なにも考えてない。アホである。東映は10本ぐらいシリーズで作るべきだった。 | ||
| 1960 | 丹下左膳・妖刀濡れ燕 松田定次 |
根来一角 | 去年まで大岡越前の守だったのに!?東映の考えることってほんとに分からん。 | |
| 任侠中山道松田定次 | 島の伊三郎 | |||
| 右門捕物帖・地獄の風車 沢島忠 | 戸田内膳 | |||
| 新吾十番勝負・完結編松田定次 | 武田一真 | 怖い。強い。一部二部三部にもすべて出ている。 | ||
| 壮烈新選組・幕末の動乱佐々木康 | 伊東甲子太郎 | 「新撰組鬼隊長」のほうが物語も知恵蔵もはるかに出来がよい。が、舞子姿の植木千恵ちゃんを見れるのはこちら。とても可愛い。 | ||
| 水戸黄門 松田定次 |
水戸黄門 | オールスター。大友柳太朗に長いセリフをふり当てんでほしい・・・。 | ||
| 海賊八幡船 沢島忠 |
村上入道 | ひげ・・・。こんな船何隻も作っちゃうのだからなあ。 | ||
| 旗本退屈男・謎の幽霊島佐々木康 | 伴夢斎 | チャイナドレスの丘さとみが可愛い。 | ||
| 旗本退屈男・謎の暗殺隊 松田定次 |
坂崎民部之助 | 娯楽時代劇というものを映画として認識せずTVでぼ〜っと退屈男を見てた時、「この斬られ役の俳優は、なんて奇麗に歩くんだろう」と、思ったことがある。それがこの月形龍之介だった。今でもそのシーンは何度でも頭の中で反芻する。退屈男シリーズで月形は何度も大敵に扮して右太衛門に斬られている。しかし、月形は早乙女主水之介の伯父の役もやっているし、岡っ引の役もやっている。観客は気にならなかったのだろうか……? | ||
| 1961 | 若き日の次郎長・東海の顔役 マキノ雅弘 |
三右衛門 | ただこれだけの役に月形と大河内を使うのだから、ホント東映って贅沢・・・。 | |
| 江戸っ子奉行・天下を斬る男 佐々木康 |
丹波遠江守 | |||
| 赤穂浪士★ 松田定次 |
吉良上野介 | 今度は橋蔵の浅野内匠之守相手。國の脚本で楽しめる作品。 | ||
| 富士に立つ若武者 沢島忠 |
源頼朝 | |||
| 水戸黄門・助さん角さん大暴れ★ 沢島忠 |
水戸黄門 | 助さんに松方弘樹、角さんに北大路欣也。公園で噴水があってブランコに乗るとこが面白い。 | ||
| 旗本退屈男・謎の七色御殿佐々木康 | 宗像寛山 | |||
| 幽霊島の掟 佐々木康 |
呂宋屋滝右衛門 | |||
| 反逆児★ 伊藤大輔 |
織田信長 | 月形最後の織田信長役。伊藤大輔、晩年の傑作。月形は伊藤作品には10本出演しているが、これが最後の付き合いになった。伊藤は月形の魅力を良く分かっていたが、何せ絶対ヒーロー志向だったものだから、月形を名脇役としか見ていなかった観があった。最晩年になって「堀田隼人の時の月形君はうまかった。新納鶴千代のときも、月形君がいいとこ全部持っていった」と回想していたが、遅いっちゅーの! | ||
| 1962 | 美男の顔役★ 沢島忠 |
中野硯翁 | なにも説明しなくても、ただ登場するだけでそれが本物の侍とわかる役者、月形龍之介。晩年には時代劇界の至宝とうたわれた。コメディータッチのよくできたシナリオで、大川橋蔵ファンは必見 | |
| 勢揃い関八州 佐々木康 |
中山誠一郎 | |||
| 宮本武蔵・般若坂の決闘★ 内田吐夢 |
日観和尚 | 戦前の武蔵は千恵蔵、戦後の武蔵は錦ちゃん。見ておいて良い。 | ||
| 天下の御意見番★ 松田定次 |
大久保彦左衛門 | 東映城のお姫様、丘さとみとの最高のコンビ。丘がラスト月形を見上げて、「ほんまに男盛りのええ男やわ〜」とヨイショする。月形、誇らしげにえくぼを浮かべる。いい顔!いい男!なんで廃盤にしたんだ〜〜〜!東映はこれと「殺陣師段平」を出せ〜〜〜!!と、わめいてたらついに出た!当然買い!! | ||
| 1963 | 新吾二十番勝負・完結編松田定次 | 武田一真 | 強い!恐い(^^;!今の映画界に最も必要なのは大敵役だ!! | |
| 人生劇場・飛車角★★ 沢島忠 |
吉良常 | これ以上強そうでも弱そうでも、ドスが利きすぎても温厚すぎてもいけない。貫禄と風格のある完璧な吉良常。この月形の吉良常を抜くのは至難の業だ。あんちゃん健さんも佐久間良子もいい。これでヤクザブームに火が点き、鶴田浩二を大スターにした。ヤクザ映画の好きな方にも初心者にもお薦め。 | ||
| 人生劇場・続飛車角 沢島忠 |
吉良常 | 鶴田を喰いまくった月形&健さんにはちょっと引っ込んで手もらって鶴田浩二が活躍する。ちんぴら役の長門裕之がいい。 | ||
| 関の弥太っぺ 山下耕作 |
田毎才兵衛 | 月形は不運な男である。晩年に大久保彦左衛門と水戸黄門のあたり役を得たのに、60才すぎでもう足が立たなくなった。この名優が、足の痛みでセリフが入らなくなった。あんなに立ち居振舞いの美しい男が、はじめて畳に手をついて立ちあがった。私は見ていて涙がこぼれた。山下耕作ファンは必見。 | ||
| 十三人の刺客★ 工藤栄一 |
牧野刃負 | ひとり息子もその嫁も無惨に殺された老武士役。なぜこんなに人間の運命を見つめるような表情が出来るのだろう?月形はこの年、退社することを決めていたのか、東映総決算のような演技をした。 | ||
| 1965 | 花と龍・洞海湾の決闘 山下耕作 |
吉田磯吉 | 月形も東映任侠路線に乗っていたらアラカンのようにシブイ親分役で銀幕を飾ったことだろう。だが月形は侍がやりたかった。新しいTVの世界に行って「水戸黄門」や「それからの武蔵」を撮ったのだ。 | |
| 1967 | 組織暴力 佐藤純弥 |
大田黒正堂 | 謎の中国人にしか見えない・・・(^^; |
月形は東映を退社した後、フリーとなってTV出演をしていた。
TVで大久保彦左衛門、水戸黄門を演じたが、通風とリュウマチで立つことも坐ることも出来ず、月形は痛み止めの注射を打ちつつ、担架で病院からロケ現場に通っていた。アップとアフレコ以外、月形哲之介が吹き替えをやっていた。
それでも「それからの武蔵」のシナリオが来た時は、それはそれは喜んで、『俺は93まで生きるぞ!』と、家族に言った。よっぽど武蔵がやりたかったのだろう。
「それからの武蔵」の最終回。死の床に臥している武蔵が、がば!と跳ね起きて、床の間の「無」という掛け軸に懐剣を投げつけるシーン。悟ろうとして悟りきれない武蔵のラスト。足がもう立たないのに、そこだけは吹き替えなしで演じた。この「それからの武蔵」のネガは所在不明だ。
月形は93才まで生きなかった。1970年8月30日、68才で亡くなった。
永遠のサムライ月形龍之介。不器用だが名優だ。演技以前の何かがそこにある。
不器用とか大根とかぼろくそに言ったけど、それもまた月形龍之介の魅力のひとつなのだ。2002/11/18更新