虫歯について


1。虫歯ってどうして痛いの?


 基本的には虫歯と呼ばれる状態では皆さんが想像されているほどの痛みが出ることは有りません。


 歯の構造を簡単に説明すると、【図1】の様に表面から、エナメル質、象牙質、歯髄という順番に構成されます。

 このエナメル質内部で虫歯の進行が止まっている場合をC1(シーワン)といいます【図2】。このエナメル質とは人間の体の中でもっとも固い組織であり、少々のことでは穴が開く構造ではありません。

 次に象牙質にまで虫歯が進行した状態がC2(シーツウ)です【図3】。この段階でも症状としては食べたものが詰まりやすかったり、少し冷たいものなどがしみると言った程度です。




 ついにその象牙質内にとどまらず内部の歯髄(神経や血管などの入っている空洞)にまで進行するとC3(シースリー)となり【図4】、歯髄に炎症が起こりズキズキと痛み出します。もはやこの段階まできたらこの症状は虫歯とは呼ばず、専門的には歯髄炎と呼びます。でもまだこの段階でも腫れたりすることはありません。



 この段階で治療においでになっても何とか歯の保存はできるのですが、この後落とし穴が待ちかまえています。というのも、市販の痛み止めや、詰め薬などを使えばこの痛みもいったん退かせることができることから、多くの方が仕事が忙しいなどの理由でこれで済ませて直ったと勘違いしてしまっているのです。

 これは歯の神経がばい菌に負けて死んでしまったということです。そして放っておいた結果が歯の問題だけではなく、骨までばい菌に犯されると言う結果となって現れ、歯茎に腫れが起こってくるのです(図5)。




 虫歯は初期の段階からものが詰まるようになったり、冷たいものがしみてきたりと症状は確実にあります。その段階で治療を開始しておけば1〜2回の治療ですむし、神経もとらずにすみます。虫歯でずきずき痛くて困ったという人は、初期の症状の段階でたかをくくって放置してきた結果の人がほとんどなのです。




2.虫歯は砂糖でできるってホント?


 虫歯が直接砂糖によってできるものではありません。

 虫歯というものの実態は酸による歯の溶解です。実はこの辺に患者さんの誤解の元もいくらか有るんじゃないでしょうか。
 例えば、全然甘いものなんか好きじゃないし、健康に気を付けているといっている人がひどい虫歯を造ってきたとしても何の不思議もないのです。よーく聞いてみると、レモンの丸かじりを毎日欠かさずしているなんて事も有るんです。ビタミンCも実は酸なんですね!じゃあ砂糖はどんな役目?というと、実はお口の中にいるストレプトコッカス ミュータンスという細菌が、砂糖を餌にして、酸を造るという性質を持っているんです。
 ということは、砂糖をとらないということだけで虫歯が防げるのではなく、この細菌を繁殖させないということが主流になるべきなんです。
 ただ、残念なことにお口の中の細菌を全くなくしてしまう事は不可能です。人間と細菌は共存関係で生きており、例えば腸の中の腸内細菌と呼ばれる細菌群も、これがいなくては人間の健康も保たれないのです。つまり、秩序有る共存をすること、これが健康を保つ事なのです。それにはブラッシングによる細菌の無秩序の増殖防止、酸性に傾いたお口の中の中性化、歯質の強化、など、地道な管理が必要です。


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