今週はこれを見に行こう(8月1週目)

ラピュタアニメーションフェスティバル

ラピュタ阿佐ヶ谷

98年秋、この映画館が出来て、まず行われたのがユーリー・ノルシュテイン祭でした(私見)。私が彼の映画を 初めて見たのもこのときです。監督を呼んだりワークショップを 開いたり、なんだかはじめから飛ばしてる映画館だなあ、と思ったのを覚えています。 次に上映したのがフレデリック・バックだったし、この映画館はチェックしておこうと思っていました。 それから少し低迷したあと、最近は岡本喜八を大フィーチャー。中平康や市川崑が流行ってる 今、よりによって岡本喜八を選んだその審美眼にまた一目置いていたのですが、この夏のフェスティバルは アニメ好きでなくとも興奮するはず(たぶん)。

もちろん今年もノルシュテイン監督来日、舞台挨拶やワークショップが開かれ、 『話の話』『霧につつまれたハリネズミ』をはじめ未完成の『外套』が上映されました。 『外套』は完成時にはCGで多少調整するらしいのですが、それはちょっと残念な気がします。 わたしたちはまだ音声も入れてないラッシュを見たのですが、なかなかこれも 貴重な体験だったのかもしれません。今回のフェスティバルですごいのは、かなり密度の濃いプログラムを 一気に組んでること。イベント週間は川本喜八郎の日、イジー・バルタの日、古川タクの日、など かなり充実したコマがぎゅうぎゅうに詰まっています。(しかもほとんど監督のトークつき)浅野優子の『蟻の生活』でさえ 軽やかに「自主アニメ」のコマにおさめてしまう贅沢さ。市川崑の『新説カチカチ山』(37)や 政岡憲三の『桜』(47)なんて普通だったらもっと大々的に上映されてもよさそうなのに 平日の午前中にさらりと1回きりの上映。ずいぶん無茶なスケジュールだな、と思っていたら 案の定、やってる側もアップアップ、というかテスト上映もしないではじめちゃうものだから フィルムが逆だったりレンズのサイズがあわなかったり、と結構ハプニング。そうだよ、無茶なんだよ、、普通だったらちょっと考えられないでしょう、このラインナップ。まあ、半々が以前やっていた特集をもういちどやっている、といったようなところなのですが、見逃してたあれもこれも、一気に見れるというのがうれしいのです。手塚治虫『虫の実験室』も以前ラピュタで行われました。大藤信郎賞は、DVD発売記念として今年3月に紀伊国屋で一部上映、最近も中野武蔵野館で全上映、8/13には世田谷美術館で一部上映、といった具合です。このDVDは上映権もついてるらしく、(24万円)、これからもこの素敵な映画たちを見る機会が増えそうです。『白蛇伝』などの東映アニメは現在川崎市民ミュージアムでも上映、資料などが展示されています。こちらも是非足を運びたいところ。他に、おなじみルネ・ラルーヤン・シュヴァンクマイエルアードマンニック・パークルパン三世まで上映されますが、ほんとうに私にとっての目玉は瀬尾光世『桃太郎・海の神兵』(45)なのです。実はこれは戦争プロパガンダ映画なのですがアニメ史の中で重要な位置をしめる傑作なのです。5月に渋谷アップリンクファクトリーが桃金映画祭と称して同監督の『桃太郎の海鷲』42年を上映。NHKでも特集が組まれ(詳細ちなみにノルシュテインの特集も過去ありました)、かなり注目していた時分の、今回の上映。

はい、ここからは上記とは違う日に書いています。恵比須ツタヤになんとなく行ったら、私の今回の目玉であったはずの、幻のアニメ『海の神兵』があるではないですか!「戦後プリントは失われていたと伝えられていたが、松竹の倉庫でネガの残存が発見された」というのは、20年くらい前の話で、とっくにビデオ化されていたのですね。まだ見てなかったから早速借りました。少し、トク。いや、かなりトク。他にも、レアだ!と思っていた作品がごろごろツタヤにあって、まあ、私が劇場で見たときは監督のトークとかついてたし、あんまり損した感はありませんが、今回のフェスタの半分くらい、ここにあるかも、、。びっくりしたのがノルシュテイン、『話の話』、あるなんて!80年代に4000円くらいで売られたみたいです。あと川本喜八郎もあったし、東映もの手塚治虫の『ある街角の物語』などもあったりして、370円で、また見れるなんてうれしい発見でした。お金も浮きました。それでも、前売り2回券が2000円、あんな素敵な映画たちが1プログラム1000円で見れるなら安いです。アニメーションは特に好きなので、他の映画を見に行くより感動したし何度も泣きました。阿佐ヶ谷なんて遠いけど、だるいけど、いつ行っても予想以上におもしろかったです。それぞれの感想とか書きたいけど、ほんとどれもこれも感銘を受けたので、だらだら長くなりそうなのでやめます。長いですね。こんな長く書くつもりはなかったのに、、。

最後にここラピュタ阿佐ヶ谷について、ちょっと。低迷した、と前述しましたが、実はレイトで若松孝二の新作『飛ぶは天国、もぐるが地獄』(未見)をやっていたり、永島慎二原画展を催していたり、ラピュタに行ったことあるひとはわかると思いますが、あそこは映画館だけでなく地下(ザムザという名前)で演劇やライブなども行われいて、小さな複合娯楽施設といったところでしょうか。今回の映画祭は地下も利用したのですが、木造りで座布団で、足を投げ出して、普通の椅子より居心地よいのです。好き。ところで今度ここでは『爆裂都市』の上映と遠藤ミチロウのライブを行うらしい、神代辰巳のレイトもしてるし、最近元気な映画館です。でも私が1番驚いたのは、アレクサンドル・ソクーロフの新作『モレク神』の、製作に、関わっているらしい!ということ。どれくらい関わっているのかはわかりませんが、アップリンクやユーロスペースじゃあるまいし、ちょっと、意外でしたね。それ、早く見たいです。きっと来日するだろう、またサインもらっちゃおうかしら。

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