ギャラリー見て歩き

「東京で見られるアジアの布たち」などでご紹介した展示会に私も足を運んでいます。“こんなものを見せて・聞かせていただきました”をご紹介します。
2004年1月2003年
※11月、7月は更新をお休みしました。


写真展 セバスチャン・サルガド「エッセイ」
場所d東京都写真美術館 (東京・恵比寿)
2004.1.8

サルガドの写真は、94年の「WORKERS」が衝撃的だった。今回は、過去の作品も振り返りながら、サルガド氏が2001年から手がけている「ポリオ撲滅キャンペーン」で訪れたインドやアフリカの写真を展示している。
「WORKERS」でも見覚えのある、ブラジルの金鉱の写真。大地を掘り抜いた地に、何千人もの人たちが数珠つなぎになって土を運んでいる。泥だらけの体。たくましい筋肉。黙々と働く目。今見ても、やはり衝撃的だ。今の私たちはパソコンに向かっていることが、働くことだと思っているし、実際、そうやって仕事が流れているけれど、それがすべてだと考えているんじゃないだろうか。大地や気候を相手に働いている人のことを、あまりに忘れていないだろうか。
ブラジル金鉱の写真は、1985年のもの。もう20年も前のことになる。今、この土地はどうなっているんだろう。ここで働いていた人たちは?でも、20年を過ぎても、すべての人たちが豊かで快適な暮らしをしているわけではない。「WORKERS」の次に手がけた移民・難民・亡命者をテーマにした「EXODUS」では、世界中のさまざまな現実を目の当たりにさせる。サルガド氏は今も世界のどこかで、厳しい現実と向き合う人に取り組んでいる。
東京都写真美術館HP


守り伝える民族の心 アジアの服飾
場所d文化学園服飾博物館 (東京・新宿)
2004.1.14

漢民族や満州族の宮廷衣裳や、ベドウィンの花嫁衣装など、庶民というよりも、かなりハイクラスな人たちが着たと思われるアジアの衣裳が集まった。細かな刺繍やきらびやかな金箔を押したものなど、時間とお金の贅を尽くしたと思われる美しさ。特に中国の衣裳は、かの地では文化大革命を経て残っているものが少ないのではないだろうか。龍や鳳凰を配し、花で飾り、日本の着物の古典柄にも通じる美しさだ。またインドの透けるほど薄い綿地のドレスは男性も着たと説明書きがありびっくり。首回りや胴回りなど、とても小柄な人だったんだろうか。
きらびやかな衣裳を見ていると、紅白で話題になる小林幸子や美川憲一も、こういうのを参考にするといいのにな、なんて思う。あ、去年の紅白で、楊貴妃みたいな被りものをしていたのは、美川憲一の方だったかな。尽きぬアイディアは、すでに各国の民族衣装も参考にしているのかな。
文化学園服飾博物館HP


私の、一枚のきもの展
場所dシルクラブ (東京・沼袋)
2004.1.18

シルクラブさんのお客様やゆかりのある染織作家さん秘蔵のキモノが揃った展示会。どれもそれぞれのお家の先代の方の婚礼衣裳など、よくぞ残っていた、お家に寝かしておくだけではもったいないと思うようなものばかり。友禅や縮緬の振袖、お召の打掛などなど。
昭和7年に帝国ホテルを借り切っての結婚式のお色直しに着たという、京都「千總」の友禅の振袖は、白地に黒の唐草模様。その上に松や桐などのおめでたい植物が金糸なども使った豪華な刺繍で描かれている。さらに圧倒されたのは裏地に当たる八掛。表地と同じ柄を白地に赤で描いている。その豪華さに度肝を抜かれるが、友人曰く、当時の照明ならこのくらいが丁度よかったんでは?なるほどね、納得。
もちろん派手なものばかりではない。刺繍作家さんがお母様の古稀のお祝いのために刺した竹の模様をあしらった水色の着物や、宇野千代さんが好んで着られたという薄紫地に桜が散る小紋など。50年前のものという黒留袖も、今のようにやたらとキラキラすることなく、品のよい小槌の模様が染められている。それぞれの方々にとっても思い出の品ばかり。着物好きには見飽きることのない展示会だ。


実用の美 手ぬぐい展〜豊田コレクションの世界
場所d深川江戸資料館 (東京・清澄白河)
2004.1.31

手ぬぐい染色の仕事を長年続けてこられた豊田満夫さんのコレクション。500点余りが展示されている。
印象に残ったものなど。
・市川房枝さんの手ぬぐい
社会活動家で議員でもあった市川房枝さん。桔梗の花と「権利の上に眠るな」のメッセージ。
社会改革を目指した人らしい言葉だ。
・野球の様子を表した手ぬぐい
手ぬぐいを横長に使って、バッターボックスに構えるバッター、キャッチャー、アンパイアと、投球ホームに入ったピッチャーを3塁側から見たような構図。外野まで守備に回っている7人をシルエットで表しているのが芸が細かい。
・戦時中の防諜キャンペーンの手ぬぐい
特に柄はなし。真ん中に「防諜」の言葉とともに、「知るを自慢に、話すな秘密」。ズンと重い一言。
・三菱冷蔵庫の手ぬぐい
「みつびしれいぞうこ」を頭文字に入れて、「みんなよろこぶ/つめたい料理/びーるも冷えてる/しん家電/れいぞうこ/いまが買い時/ぞくぞくと/うれる三菱/これに限るよ」戦後のラジオ番組「とんち教室」などで活躍した石黒敬七氏作のコピーだそうな。
J-waveでのレポート


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