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全国推定三人の雑想録読者のみなさま、ごきげんよう。このところむやみに更新が続いていることに驚かれている方もいらっしゃるかとは思いますが、私も驚いています。ええ。まったくもって驚かざるをえません。いったいいつ仕事をしているのでしょう私というやつは。この給料泥棒が。

そりゃもちろん、雑文を書く合間に仕事をしているのです。「息抜きの合間に人生しているんだろう、あんたらは」とかなんとか、そんなかんじの有名なことばがありますが、じつに心惹かれるものがありますね。あやかりたいものです。すでに実践してますが。こんなことをやっていても、仕事で火を噴いたことがないのが私の自慢です。期待されてないだけかもしれません。

さて、今回のお題は「廃物利用」です。そのこころはと申しますと、最近の新作雑文はだいたい廃物利用なのです。もうおわかりでしょう。第二十六話において、雑文用ワークハードディスクが急逝されたことをお伝えしましたが、それにともなって破棄せざるをえなかった未公開雑文を、記憶に頼りながらなんとか復旧しているのであります。

こういうところが貧乏性だとよく指摘をうけるのですが、なにしろじっさいに貧乏ですので、どうかご容赦願います。

復旧とはいいましても、なんだかどれもこれも、表題いがいはさっぱり見覚えのない雑文に変わり果ててしまいました。どういうことでしょう。たかだか数ヶ月のうちに、自分で書いた文章が記憶の中で原型をとどめぬほどに変質してしまっていたのでしょうか。あるいは単に私がいいかげんなだけだという可能性もあります。可能性もなにも、原因のひとつであることは疑いありませんね。まじめにもとどおりに書く意志がないのでしょう、この男は。ひとごとのようにいっていてはいけません。どうもすみません。

すこしばかり言い訳をゆるしてもらえるのなら、いちどはつまらぬと破棄したものを、ただもとどおり正確に書き直すというのも、あまりに不毛ではないかと思うのですよ。ですから、フロンティア・スピリットに燃える私としましては、あえて旧来の形式にとらわれず、思いの向くままにあらたな地平を開拓せしめんと、こう思ったわけです。

はい、嘘ですね。もとの文章を忘れてしまったので、もとどおりに書こうにも無理な話であるというのが真相です。真相もなにも、バレバレですか。ただ惜しむらくは、いずれにせよ、書いている人間が私である以上、劇的に面白くもなりようがないのですね。世の中、甘くありません。

そうそう、フロンティア・スピリットといえば

……と、ここまで書いたところで、じつはたいへん不本意な理由により、一時間ほど作文を中断しておりました。

やはりフマジメはいけませんね。ばちが当たってしまったようです。というのも、なんとキーボードにコーヒーをこぼしてしまいました。だばっと。そりゃもう、だばっと。さすがにキー入力にまで影響がでてしまっては、いくらものぐさな私であっても放置できません。なにしろ雑文が書けません。ついでをいえば仕事ができません。あわてふためいてキーボードを分解し一時間かけて清掃したのでありました。

やってみたことのある方はご存じでしょうが、キーボードを分解するという行為はひじょうにめんどうくさいのです。苦行です。自宅ならシャワーでざばざばっと丸洗いして、風とおしのよいところで一日陰干しにでもするところですが、会社の備品をそのようにあつかったりしたら、万が一にもとりかえしのつかないことになった場合にいいわけがききません。なにしろ会社側には私を放逐するにためらう理由などなにひとつないはずなので、隙を見せるわけにはいかないのです。

とまあ、そんなこんなでいらぬ苦労をしてしまいました。やはり神様は見ているのですね。

これを機に私は深く反省し、今度からは神様にも見つからないように最大限の注意をはらって、仕事中に雑文を書くことにします。こんどこそ見てろよ、神め。いや、だからみられちゃまずいんだってば。

ちなみに「フロンティア・スピリットといえば」の続きですが、キーボードの掃除が終わってからあらためて思いおこしてみると、これがまたあまりにもあんまりな駄洒落でしたのでただちに意識から削除しました。こういうのを怪我の功名というのでしょうか。

最後にきていうのもあれですが、じつはこの雑文も、本来なら廃物利用のはずだったのです。復旧雑文だったのです。ところがあら不思議。私にしかわかりようもないのですが、まるっきり新作になっているではありませんか。復旧前のもとの文章はかけらものこっちゃいません。いったい私という人間の頭の中身はどうなっているのやら、興味が尽きません。さらにいえば、興味は尽きなくても飽きてしまうのが私という人間の器用なところです。いってるそばからどうでもよくなっています。われながらどうかと思ったり思わなかったり。

[2000.09.22]
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