まだ見ぬ君へ。
将来君がこのクダラナイ文章を目にする機会があったとして、そのとき世界はどのように変化しているだろうか。いまよりもすこしはマシになっていることを願うばかりだが、もっとも、ものの善し悪しなんて見方ひとつ変えるだけでいかようにも変化するものだから、あまり悲観的になってもしかたがない。実際、私はけっこう快適に暮らしている。つまるところ重要なのは、他人の価値観にふりまわされないことだ。とまあ、言うのは簡単だけど、これが意外に難しい。
まだ見ぬ君へ。
実のところ、いま私はほんのすこし戸惑っている。心の準備はできていたつもりだったのだけど、いざとなると落ち着かないものだ。それでも、私たちが君を待ち望んでいたことも、君が私たちにもたらした喜びも、まぎれもない本物だ。ただ、なにしろ初めての経験であるから、不安がないわけでもない。すまないが、もうしばらくはこの頼りない私を大目に見てやってほしい。
まだ見ぬ君へ。
君と私たちの出会いがもたらすものは、決していいことばかりではないと思う。お互いに苦労することもすくなくないだろう。この出会いを後悔することだってあるかもしれない。しかしまあ、これから君が経験するであろうことをひととおりこなしてきた先輩として言わせてもらうが、これがけっこうなんとかなるものだ。
まだ見ぬ君へ。
どうも気の早いことで、いまからよけいな心配をしているようだ。やっぱり緊張しているのかもしれない。それでいて舞い上がっている。仕事も手につかないありさまだ。気を抜くと顔がにやけてしまっていかんともしがたい。格好をつけるつもりはないのだけど、君にこんな姿は見せられないなと、ひとりで苦笑していたりする。
まだ見ぬ君へ。
つまらない話をながながと申し訳ない。所信表明のつもりが、まとまりのない文章になってしまった。
まだ見ぬ君へ。
私たちが出会うには、まだすこしばかり時間がある。そのとき私はどんな顔をするだろうか。君をなんと呼べばよいのだろう。そんなことを考えながら、出会える日を楽しみに待つとしよう。ほんとうに待ち遠しくてしかたがない。君を、心から歓迎する。