 2008年6月
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海岸に並べられたアゴヒゲアザラシ。 これから女性の手によって解体されます。
手慣れた人たちだと、1頭あたり2〜3時間程度で解体します。 慣れていないと試行錯誤で倍以上の時間がかかることも。 「ここ、どうやって切るかわかる?」 「なんでオレに聞くの? 去年撮った写真がパソコンに入ってるから、パソコン持ってこようか?」
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 2008年6月
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仰向けに寝かされた状態で、正中線上に切れ目を入れます。このときは皮を剥ぐためなので、切れ目は浅く。
皮は捕鯨用のボート、ウミアックに使うため穴を開けないよう、「ウル」という扇形のナイフを用いて、皮に脂肪を残さないよう、丁寧に剥いで行きます。
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 2007年6月
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丸裸にされたアゴヒゲアザラシ。 腕(胸びれ)と足(尻びれ)は、皮と一緒に外します。
左下、腸が少しはみ出しているのは、体温で内蔵が腐るのを防ぐため、捕って陸上に上げるとすぐに、下腹部にナイフを入れて、腸を引っぱり出しておくため。
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 2007年6月
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アゴヒゲアザラシの皮は、内側を内側にしてして折りたたみ、ビニール袋に入れて密閉し、冷暗所で夏まで保存します。
夏、この皮を海で洗うと毛がすべて抜け落ちるので、これを縫い合わせてウミアック(捕鯨用のボート)に張ります。
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 2007年6月
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皮を剥いで完全に腹が開かれた状態。
「サキエック」と呼ぶ肋骨の胸側の部分を切り取ると、すべての内蔵があらわになります。
昔、膀胱は風船のように膨らませて子供のおもちゃにして遊んだということです。 かつて人間が食べない内蔵は犬のえさになっていたそうですが、犬ぞりを使わなくなってしまった現在では、そのまま海岸に放置して、カモメのえさ。
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 2007年6月
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内蔵を抜き、肋骨、背骨等を外していきます。
ここまでくれば解体はあと一息。
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 2007年6月
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ほぼ解体が終わった状態。 あとは袋に入る大きさに切り分けておしまい。
アゴヒゲアザラシは基本的に脂肪層を肉に付けたまま解体し、そのまま切り分けます。
干物にする際は脂肪層は切り分けますが、茹でて食べる際は、脂肪層を付けたままぶつ切りにして茹でます。 肉自体に全く脂分がないので、食べるときは肉に脂肪を少し添えて食べます。実際その方がおいしいです。
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 2007年6月
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腸(イガロック)を持ち帰る場合は、その場で中身を捨て奇麗にしてから。 持ち帰った腸は茹でて食べますが、茹で上がった腸は、ガス用のホースにそっくり。非常に固いですが、いわゆるモツ、うまいです。
昔は腸は食べ物として利用するほか、防水ジャケットを作りました。
腸の中には寄生虫がたくさん。条虫(サナダムシの仲間)類が信じられないくらい大量に出てきます。 その他、血液中には、日本でもサバなどでおなじみの「アニサキス」の仲間がやはり信じられないくらいたくさん。
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 2008年6月
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これがそのサナダムシの仲間の寄生虫。
腸のどの部分を切っても、大量に寄生虫が溢れ出てきます。 寄生虫がたくさんいてもアゴヒゲアザラシは健康そうです。寄生虫と共存しているのでしょう。
あまりに寄生虫が多いので、ポイントホープではアゴヒゲアザラシを生で食べないのではないかと、勝手に想像しています。
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