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アイバンクは角膜の移植を円滑に行うための組織です。各県の大きな病院や大学病院の中に設置されていて、全国的なネットワークができています。そしてボランティアで運営されています。
現在、臓器移植が大きな社会的関心事となっていますが、角膜移植は日本では
1958年(昭和33)に成立した「角膜移植に関する法律」によって
50年も前から行われており、すでに確立した治療法です。
角膜とは目の黒い部分の一番外側にある透明な膜で、これが病気やけがで濁ったり傷ついたりすると視力を失います。しかし別の人から健全な角膜を移植することで、完全に視力を回復できます。その効果は劇的です。角膜には拒絶反応がほとんどないため、治療成績も非常によく、多くの患者が新しい人生を取り戻しています。
私はしばらく前から体調をすっかり崩して、気功、漢方、ハリ、整体などいろいろなことを試みましたが、そのとき、目や耳に重度の障害を持つ人たちに出会いました。いろいろな人が、いろいろな理由で苦しんでいることが、ほんの少しだけれど実感できました。私も少し荷物をしょってしまったけれど、もっと重い荷物をしょっている人がいっぱいいること、この世は強いものの社会だということもよく分かりました。健康を害して初めて弱い人の立場に気を使うようになったということでしょうか。遅ればせながら私の社会認識が少し深くなったと言えるようです。
新聞の投書欄やコラムに、そういう障害を持つ人のことがよく載ります。いや、そのような記事がすごく目に付くようになりました。聴力と視力を完全になくしていく中で子供を育て上げた女性もいました。どのようにしてコミュニケーションしたのでしょうか。神技としか言いようがありません。また、事故で聴力を失い、「あのとき何で死なせてくれなかったのか」と、人生に絶望していた女性が、最近の医学の進歩で人工内耳の手術を受けて音を取り戻したことも耳にしました。「生きてて良かった・・・」と、あふれるばかりの喜びが短い文を通して伝わってきました。そのようなとき、人間て何て素晴らしい生きものなんだろうと感じたものです。
1997年11月20日、私は妻の同意を得て自分の角膜をアイバンクに登録しました。自分が死んだときくらい人の役に立ちたいと思ったのです。角膜は200年生きるといわれています。自分の死後、もう一人の人生をよみがえらせ、自分の角膜が次の世代に生き続けるなんて素晴らしいことではありませんか。私はそんな気持ちになったのです。
日本ではこの50年間に、実に100万人以上の人が角膜の登録をしているのです。それでも角膜は足りないのです。日本では、角膜を登録した人が亡くなった場合、遺族が角膜の提供を拒否することが非常に多いのだそうです。せっかくの善意が生かされないのです。これは簡単に良い・悪いを決めつける問題ではありませんが、大切なことは、登録をするときに家族の同意を得ておくことと、周りに宣言をしておくことで、遺族の心の負担を少なくすることができます。
今日本では臓器移植が関心を集めています。しかし、脳死判定など患者の家族の心の負担があまりにも大きすぎます。また、死ぬのを待っているかのようなマスコミの報道にも心を痛めます。しかし、角膜の場合は脳死判定などは関係ありません。死後6時間以内に摘出すればいいのですから、事前にきちんと宣言しておけば遺族の心の負担は少なくなります。
そんなわけで私は多くの人に角膜の登録を訴えたいと思っています。そのためにこのホームページを作りました。
さて皆さん、もしあなたが角膜の登録について、何か感じる機会がありましたら、あるいは人生のどこかでそのような気持ちになるときがありましたら、このホームページを思い出してください。そして、下記に電話をしてください。ご協力をお願いします。
深刻な事態に直面
2001年5月8日付け毎日新聞の報じるところによると、1997年の臓器移植法施行により、角膜移植に深刻な影響が出ているとのことです。角膜の年度別新規登録者数は、96年度までは、15年連続で5万人を越えていたのです。それが脳死による臓器移植法施行の97年度から激減し、地域によっては8割も減少した地域もあると言われています。角膜の提供を待っている人にとっては深刻な事態となっています。専門家の話では「角膜摘出は心臓停止後でよいのに、心臓のように脳死状態で摘出すると勘違いし、敬遠する人が増えている」ということです。
繰り返し述べているように、角膜は50年も前から定着してきた治療法で、心臓が止まってから摘出して十分間に合いますし、角膜の障害で失明している人にとっては劇的な効果があります。拒絶反応もほとんどなく安全な治療法です。間違いなく提供者の善意が生かされます。
一方で将来に朗報も
続いて、2001年5月10日付の毎日新聞によると、角膜を、口の中の粘膜細胞を使って再生する治療法を名古屋大学医学部のグループが世界で初めて開発に成功したと報じています。将来これが実用化すれば、他人から角膜を提供してもらう必要がなくなるかも知れませんし、大量に生産できるようになるかも知れません。医療技術の発展に期待したいと思います。
しかし今、あなたの角膜は必要とされています。ぜひご協力をお願いします。
かさねて、角膜の登録をお願いします
最近(2006年1月)の新聞報道によると、2005年の角膜の登録者数は1万人台まで落ち込んでいるそうです。一番多いときでは7万人余りあったということですから、その落ち込みは深刻です。しかし角膜の需要が少なくなったわけでなく、角膜移植が必要な人は増えています。不足分の多くはアメリカなど外国からの輸入によってまかなわれているということです。でもやはり命にかかわることですから日本に必要な分は日本国内でまかなうのが基本だと思います。ぜひご協力をお願いしたいと思います。
連絡先
日本眼球銀行協会
http://www.j-eyebank.or.jp/
〒101−0054
千代田区神田錦町2−2 武内ビ5F
Tel 03-3293-6616 Fax 03-3293-5140
かながわ健康財団 腎・アイバンク推進本部
http://www.khf.or.jp/kjebank/
〒231-0037
横浜市中区富士見町3−1
神奈川総合医師会館5F
Tel 045-242-3961 Fax 045-242-2939
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