カラーリーフと秋の展示会

 急に寒くなった。
今年の夏は蚊取り線香が2カン要ったが、それももう終わりか。
秋のハンギング・バスケットの展示会まで、1週間を切った。実のところ、飾り物
には飽いてきているのだが、まだ課題が残っていて、だからやめられない。
その一つがカラーリーフである。

 ハンギング・バスケットは、花が多い方が普通の人には喜ばれる。
注文されたなら思いっきり花を入れてやるが(お客は花がらつみが大変だが、それは
自業自得だよん)今回は私自身の注文である。「カラーリーフで作ってちょんまげ。」

 で、栄養系コリウスを各種入手に及んだのが春遅くのこと。
しかし当時の栄養系コリウスの葉色とラベルの色との違いはものすごく、一体全体
大丈夫だろうかこれは!とびびったがしかし、違ったままなら違ったままということ、
違わなくなるなら違わなくなるということで、それも「経験」には違いない。
と、気をとりなおすという段階までふむこととなった。

 1株づつではハンギング・バスケットにならないので、葉色は見ないことにして
ともかく挿しては殖やし、最初のは大きくしすぎて使い物にならず、改めて挿せば
今度は小さすぎ、同一品種でも大きいのと小さいのが出来あがったり、まー私ときたら
なんてヘボいのやら。それでも、品種によってはそれらしい色になり、苗床が
きれいに彩られてきたのがここ最近のこと。

 ようしっ、これでなんとかバスケットをでっちあげるぞう!!と息巻いていた
ある日。いきなり、「このきれいな葉っぱ、花は咲かないんですかあ?」と聞かれた
のである。あうううう、こ、この上花を望もうというのか!?なんと御無体な。
「脱いだらすごいんです」ではなく、「咲いてもすごいんです」??

 「咲きます。これはシソ科でして、シソに似た、ごく地味な花が咲きます。」
と答えつつ。「でも、地味でいいんですよ。葉っぱがこれだけハデなのに、立派な
花を咲かせたら、怖いじゃないですかー!」とも言ってしまう。

 花って、花ってそんなにいいもんか。カラーリーフで作ろうという私のテーマは、
何の気なしの御近所の奥様の一言でぶっつぶされてしまった気がする。花がどれだけ
咲いているか、それだけが問題なら、カラーリーフで作る理由がないではないか。

 いつもお世話になっている善良な御近所の奥様の美意識を傷つけることなく、
自分のモチベーションを残すには一体どうしたらいいのか。
何より、普通の人のお好みを無視したところに、私の作品があっていいのか。
違うか、作品によってカラーリーフを納得してもらるよう、努力すべきなのか。

                  xxxxx

 秋のハンギング・バスケットの展示会がある。
さすがに飽きてきたが、エントリーしたからには作らねばならない。
カラーリーフというのが今年秋のテーマと自分に設定し、作ってみた。コリウスの
入手、鑑賞用トウガラシの種蒔きときて、準備は春から始まっていたことになる??
植え込み自体は3週間前から始めて、出来あがったのは10日前なのだが。

 もひとつ予備を、前のとは全然違うのを作ってみた。出来たのは10日前だ。
自分で驚くような、ハデ作品。もしも私が嫁入り前の娘で、見合い相手やら
お仲人さんにこんなん作ったの見られてしまったら。この地味な人のどこにこんな
・・・もしかしてこの人、ヤバい人?ってなもんで、いきなり破談かもしれない。
結婚してあって良かった。違うか。

 作品自体、ハデではあるが、テーマには合っている。目的は一応達しているわけだ。
にしても、なーんか面白くないのはどうしたことか。面白かったのはいつの事か。
大体、面白かったことってあったっけ?

 習っていた頃のことを思い出す。ある日、自分で作品用の苗を集めてきて、
「どんなつもりでその苗を集めたか」と順番に説明をさせられた。私は二番目だったが、
私の前の人はカラー論やら構成論やら使ってきらびやかに説明をしたものである。

 私の番になった。何度も書いたかどうか、私は「玄関をきれいに見せるために、
苦手は忘れてやってみる!」という理由で習い始めたゆえ、そんな理屈はわからない。
で、前の人の権威の構築もものかは、「梅雨で鬱陶しいので、通り掛かりに作品を
見た人が元気になるよう、ぱきっとした色彩で集めてみました。」と説明したのである。

 思い起こせば、あの頃の私は正しかった。
マスターを志望する理由として、「花と共にある幸せを」云々と書いたが、私の説明は
その通りではないか。しかし、それは過去のことである。現在のうちの玄関には、
小さいのとボツ作品の二つしか下がっていない。

 それでは展示会用の良い作品はどこでどうしているかといえば、よそから見えない
ところで養生しているのである。2つしか作ってないので、こわくてオモテになど
出せないのだ。これでは、本末転倒ではないのか。

 おまけに、展示会でもなければまともに作品を作ろうという気になれず、たまに
その気になってもなんかが抜けているようなのしか出来ない。そして展示会とも
なればエネルギー全て使い切ってしまい、本来の園芸がお留守である。一体全体、
これでいいのか。

 そして実のところ、展示会に出す理由の一つに「開花調節」があるのだが。
なんか、失敗したみた〜い。トウガラシが実りすぎていたので切って改めて花を
つけてもらったはいいが、展示会まであと5日だというのに、実になっていなきゃ
ならないのに、未だに白く清楚な花の状態なのである。

 展示会を卒業したい。卒業したいのに、自分の腕が許さない。くうっ・・・!!