とらぬたぬきのフリマ

 またフリー・マーケットに出店する。
企画はご近所の自治会、場所は1ブロック先。去年は11月、その前の年も11月に
やったのだが、今年は6月にもやることにしたらしい。

 去年と一昨年は、ハンギングバスケットを売ったがなんせ11月のこととて非常に作り
にくかった。年末用に葉牡丹で作ってやろうとしてもなんせ本当の年末まで1ヶ月以上
あるのだ。ヘンなことになったら葉牡丹である意味がない。というわけで、実にドキドキした。
(存外お客の方はそこまでツメて考えてなかったりして、ちょっとムカついた)

 で。今回は6月始めである。これから梅雨で、梅雨の合間とばかりにカッと晴れたら
今度は葉焼けと蒸れ??を心配しつつ、でもやっぱり作る。日向用と日陰用を作る。
モトをとるアテがあって作るのはとりあえずうれしい。問題は、本当にモトがとれそう
な作品をいかにして作るか、ということだが、それは今に始まったことではないな。

 今年は試しにポット苗も売ることにした。例えば種蒔きの実生床を増やしてそれを
売る。例えば1年草のつる植物のミックスを蒔いたのを、売る。1ポットに4〜5本分
蒔いて、それを売る。珍しそうな種子は自分用に抜いた、その残りを売る。

 しかし、残りといったところでなんせミックス種子である。いくら西洋朝顔や
ナスタチウムあたりでも、咲いてみないことにはわからない。その楽しみを売るとも
言えるし、本数に対してお得であるという事実を売るとも言える??何はともあれ
得体の知れないものに興味をもつ人が現れるのを祈るばかりである。

 ミックスでなくても、売る。Echinacea pallida とかペチュニアの苗床も出す。
売るときはあちこちにぽこぽこ本葉がついた苗が出ている状態となる。こちらは
育てる楽しみ(予備までついてるぜ)を売る。育てきれない人が出ませんようにと
祈ったり、まー園芸的に一見の人は勉強しないと無理だろなと思ったり。(まだ
売れてないっての)

 手堅いのはなにか。例えばお向かいの奥さんによると、ハーブ苗が人気だそう
である。が、「ハーブは人気」って、なんと大雑把な情報であろうか。ハーブと言っても、
香草と訳すのか、薬用植物と訳すのか、それともたんに有用植物でいいのか。
わかんないのよねえと言うと、「心配しなくても、誰もそんなたいしたこと、誰も
やってはいませんよ〜!」って、事実だとしても、ほんと大雑把。

 鑑賞用ハーブなんぞは愚の骨頂、と言いたいところであるが、逆に実用のハーブを
売る方が難しい気がする。大体、青ジソやバジルなんて必要なところにはとっくに
行き渡っているはずではないのか。私から買う人ってのは最初に入手したのを
枯らした人々なのか?(本気で書くなよ、私ってば)結局、バジルとパセリの苗を
寄せ植えしたものを作るが、高く売らないとモトがとれないので、すっごく不安。

 他人の気持ちはわからないから、苗箱にある、オマケでついてきた種子から育てた
ラムズ・イヤーの苗も並べてしまう。大昔はハーブだったらしいが、今はたんに
美しい毛が生えている、というのがこいつのウリである。しかし、毛が生えてるだけ
なら、本物のネコやら犬やらの方がいいに決まっているではないか?

 まさか、ノミがわかず、じゃれてかみつかれたり毛だらけになることもないから
いいのだろうか?って、そんなふざけたことを考つくくらい、本当に人の嗜好は
わからないから、品物の中に加えて場の賑わいにする。

 そして、これが一番面倒くせえが、多分人は色々聞きたがる。私の答えは私自身の
プロフィールにもなる。ラムズ・イヤーばかりでなく、売ろうとしている全ての
ポット苗の完全な来し方行く末は最低限、暗記しておいた方が良い。(それも
面倒だから、ラベルに書いておくか?)カタログも持って行っておこう。なんせ
花が着いてないんだから。

 H.B.に使おうとして果たせなかった植物も、改めて売る。
不要品処分ながら、モトの値段を思い出せば多少は利益を出したい。それでいかに
付加価値をつけるかと考えてみる。やっぱ寄せ植えでしょうとは誰しも思いつくだろう
が、寄せ植えの値段というのはどう考えてもフリマの商品の値段ではないのですね。
(H.B.なんてのは特にそうだが。)誰か私に効率的なこけおどしの方法を教えて
くれますようにと祈ってみたりして。

 考えるのは楽しい。ためしに、ベビーリーフのベッド、なんてのも1つ作ってみた。
残りものの種子を蒔いただけである。お客は最初は少しづつ間引いて食べ、いずれは
脇から収穫して食べていくことになる。食べ終わるのが先か、ムシが着くのが先か。
多分、こういうのを買うのはマンション住まいだろうから、簡単な葉ダニの防除の
仕方を教えておこう。では、マンション住まいでなかったら?
・・・聞かれた分だけ答えるとすっか。

 実際、H.B.はともかくとして苗床の類は売れたらもうけもん、という程度である。
残り苗の寄せ植えだって、そのために新しい植物を買ってきているわけではないから、
いちがばちかの大博打、なわけもなし。本当のもうけもんは、「可能性」なのだ。

 H.B.で多々賞を受けつつ、だからこそ苗を余らせている知人に、「あーたも何か
売ればいいじゃん。」と言ってみた。が、彼女によれば近くには農家や直売所が沢山
あり、素人が下手なことをすると怒鳴り込まれるらしい。それでいて直売所の商品は
いつも似通っていて、値引き競争やら何やらで大変なのだそうだ。

 それで私は、改めて言ってみる。
あんたが売るのは、見本なのよと。怒られたら、真似るアレンジを教えて相手にも
利益を上げさせたらいいのよと。「儲けたらトマトの箱でも持ってきて〜」と言って
送り出せ。誰のおかげかは、皆がとっくに見てるわい。

 真似され続けることを自分の幸せに出来るくせに、考えることがケチくさすぎる。
損得という貧乏くさい小屋であたふたするのは、才能のないやつらにやらしとけ
・・・って、ここまで大言壮語するのもいかがなものかとは思うが。
彼女もあきれはてて話を変えてしまった。(^^;)

 私が住んでいるあたりでは、農家に怒られることはない。
つうか、苗床売るくらいでは怒るに怒れないと思う。で、私が誰に怒られるかと
言えば、夫に怒られるのである。どうも楽しく妄想しすぎて、守銭奴モードに入って
いたらしい。怒られるというより、笑われたのであるが。

 守銭奴ったって、ささやかなものだ。いや、ささやかだからよくないのか。
苗床の小さなポットの値段なんて、50円、である。で、それをちょっとは
園芸心があるお向かいのダンナに一声かけて売りつける計画などを話したから
いけなかったのであった。

 さて、当日私は何を着ようかな、と。ほんっと、色々妄想するのって楽しい。
大体、年に2回だからいい。来年またあったら、飽きたタモトユリを鉢植えにして
売り払ってしまおうとか、計画を練るのがまた楽しい。