桜の葉っぱもなくなって

 横浜のサカタで、苗を見ていた。
背広姿の男が横をすりぬけてポットの売り場に品物を返そうとしたのを見たとき、
もしや知り合いの誰かではないかと考えた。

 一度は気のせいということにして花苗の方を見た。
次の棚に行こうとしたら、その人がまたもやそばをするっと通りぬけようとした
のである。自分が何と声を発したのかは覚えていない。

 振り返ったその人は、「こんなところで出会うとは。」と言った。
私の答えは、「こんなところだからでしょう。」というものだった。

 園芸関係の知り合いとは、街で出会ったことがない。
わずかに一度出会ったことがあるが、これもガーデン・センターだった。お庭系の
人々の本来の生息場所であると思えば、これは中々に正しい。

 今回は、既に知り合いだったが、私達は、自分が出会いたい誰かとも、
どこかのガーデン・センターでそれと知らずにすれちがいつづけているの
かもしれないなと思った。

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 ミックス種子を蒔いていると、そりゃまあ多数の種子が発芽する。
多数にして多種類ならいいが、当然、偏っている。
ゴデチアの芽などは、何本間引いたかわからないほどである。

 ゴデチアは、早く発芽してなお、芽に特徴がある。
この特徴のせいで間引かれるのはかわいそうかもしれないけれど、一方で
他のものと一緒くたにして間引いてしまうという危険は避けられる。

 似通ってるくせに違うという苗に関しては、お手上げである。目つきを悪くして
分別(!)していくしかない。そして、間引き続け、間引き間違ったりした
でもあろう播種から一ヶ月か二ヶ月後。ふと気がつけば何株も重なっている
ものもあり、たった1株しかないものも、何株かある。

 これがミックスではなく単体蒔きなら、時間はかかっても、もっと大量に
発芽したのだろう。だが、仕方がないではないか。何の苗かはわからないが、
これっきりのやつが何株か残っているのだ。えらいこっちゃ。

 それはもう大事に大事にして、結果を楽しみにしている。

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 「種子袋にはオーリキュラの種蒔きは2月って書いてあったけど、2月に蒔いて
いいの?」そう聞かれたので、「お宅は集合住宅だったよね。だったら気温としては
2月でも大丈夫だし、オーリキュラは発芽から開花まで丸一年かかるから、栽培
期間としてもそれで十分だと思う。」と答えることになった。

 丸一年という開花までの期間に加え、一方でオーリキュラの発芽適温は低く、
発芽も揃わないから、ちょっとやそっとの余裕は見ておいた方がいい。そして元々
オーリキュラにとって関東の冬はそれほど寒くないが、まして暖かい集合住宅の
ベランダや玄関(こんなところに苗床を置いてたのは私だけ?)の内側ならば、
十分に気温を確保できる。はずだ。多分。いえ本当に。

 種子袋というのは輸入種子で、普通は英文をそのまま翻訳しただけの栽培方法が
書かれている。英国と日本とでは気候に違いがあるので、そのままでは通用したり
しなかったりである。その人はそれを知っていて、経験者たる私に聞いてきたわけだ。

 オーリキュラの場合は結果的には間違いにならずに済んでいるが、例えば日本では
秋蒔き一年草になるものを、英国では春に蒔く。日本で秋蒔き一年草を春に蒔くと
・・・やってみればわかる。お薦めはしない。まあしかし、こんなことはある程度
園芸やってれば、そのうちいやでも気がつくことなのである。

 輸入種子の直訳説明については、腐るほど愚痴を聞いてきた。
例の「製造物責任」とやらに種子の説明文はひっかからないのかどうか、私には
わからない。多分、ひっかからないんだろう。ともあれ、ワタシとアナタが話す
べきはその先のこと、つまり、「だからこうした」という内容なのである。

 バラクラは結局、手に負えなくなってか儲からなかったのかそれとも両方なのか、
T&Mから手をひいてしまった。代わりにアールスメールがT&Mの種子を扱うこと
になったが、やっぱり直訳なのでお話にならないらしい。

 愚痴っていても輸入種子屋には直訳の説明を改めるようなカネも実力もない。多分。
そしたら、大事なのはそれが「入手できる」ことなんだと割り切るしかない。
趣味家のいいところは、基本的に「リスクも楽しみのうち」で済むところなのである。
そうしたら、イライラするのも楽しみのうちであると知るし、園芸仲間と会うために
庭をほったらかして出て行かざるを得なくなるかもしれない。

 慣れてくると、何から何まで書いてある、日本の種子袋の方が面白くなくなる
・・・こともあり得る??ははははは。