りんごのことなど

 りんごの話が出た。
現在の日本のりんごは大きすぎるのではないか、という話である。
消費者としては、小さな個人サイズのりんごがあったらいいと思うし、また、
生産者としても摘果の分、省力栽培できるのではないか、という内容である。

 確かに、りんご一箱もらうと持て余す。
箱で来るりんごは、大抵大きくて立派なものである。一人で丸ごと一個食べたら
お腹一杯だし、箱一杯のりんごは「早く食え〜、でないと腐ってやるぞ〜、食べ物を
無駄にしようとは、お前はなんと贅沢モノだ〜」と責めているような気までしてくる。

 そう、うちにもりんごは箱で届く。生食するのは、とっくにあきらめている。
薄切りにしたものを少々の砂糖とあるかなきかの水で煮て、最後にレモン汁を
まわしかけ、アップル・パイの中身みたいなのを作る。で、トーストに載せて
毎朝毎朝粛々と食べると、何故か腐らせずに食べ終えることが出来るのである。

 煮ると決めてしまえば、りんごはそれなりの大きさがある方が作業効率が良い。
しかし、ここにいるのはりんごを生で食べたい、という人なのである。
一人で食べるには、りんごはもっと小さい方が良いということなのだ。

 日本の生産者は、元々小さな品種でも、大きく作ってしまいがちなのだという。
その理由は私にもわかる。なんとなれば、元々の日本人のりんごの食べ方(皮ごと
一人でがぶりと?まあお下品!)もさりながら、そんな小さくて貧乏臭い、
こっぱずかしいりんごは作りたくないのである。プロの自分が作るなら、立派で
鑑賞にさえ価するりんごにしてやろうと思ってしまうのである。

 生産者も商売だから、頼めば小さなりんごも作ってくれるであろう。
しかし、多分その人は虚しくなる。なんでこんな貧相なものをわざわざ作らなきゃ
ならんのかと、身の幸運(高値で買ってくれれば、だが)を嘆くことになるのだ。

 ちゃんと作りたい生産者(とりもなおさず消費者も)は、時々かなり哀しい。
たかだか1パック300円のいちごの粒の大きさを揃え、きちんと並べるような、
非人間的なことが平気で日常となっているくらいである。でも、生産者はうんざり
しながらも、きちんと粒の揃ったパックを見て、「よし!」と口から出してしまう。

 で、りんごはどうあればいいのか。単なる消費拡大という意味なら、小型化は
良い考えである。「女の子達がデザートとしてお弁当に持って行ったりするかも
しれないね。」と知人は言ったが、その通りである。しかしそのためには小売店で
個売りで売られなければならない。小さなサイズのりんごが箱で届いたら、
元の木阿弥ではないかしら・・・生食が好きな人なら、その方がいいのかな??)

 そんなことを考えながら、スーパーに行ったら。
小さいリンゴが売られていた。ただ、個売りではなく、ビニールに入っていて、
1袋の中に7個も入っていたのである。惜しい、もう少し!といったところか。

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 ある先生に薫陶を受けたという、これまたジーサン先生の話を聞いた。
先生が亡くなられたとき、形見として先生のノートが届いたそうである。
その中には、様々な花の名前が書かれていた。

 こんな花が出来たらこんな名前をつけてやろう、あんな花にはこんな名前が
相応しかろう・・・。先生は、そんなことばかり考えていては、ノートに綴って
いたらしい。先生は教養がある人だったので、そうやって考えた名前は
いずれも美しいものばかりだった。

 だからジーサン先生(すいませんすいませんすいません)は、一目見れば
どれがその先生が命名によるものか、誰に聞かなくてもすぐにわかった。
美しいのは花だけではない。そう思えばジーサン先生だって美しかった。

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 どうも自意識がてんこ盛りらしく、人前で話をするのが大嫌いである。
大嫌いであるにも関わらず、話をしなければならないことがあり、しかもそれは
自分が選択したことである。どういうことか。植物の交換会に、苗を出すからである。

 種蒔きをすれば、自分が欲しい数を超える数の苗が出来る。出来ないこともあるが、
大抵は出来てしまう。で、交換会に持って行く。持って行った人は植物の名前、
性質など説明しなければならない。これがもー、苦痛で苦痛でー。

 「こんなん、皆知ってるだろーから、今更言うまでもない。」と思うこともあれば、
「一体全体、こんなに色々とバラけた人々相手にどこからどこまで説明すればいい
のか。」と思うこともあり、「名前も花色もラベルに書いてあるなら、改めて言う
必要がどこにある。」と思いもすれば、私の説明は、声は上ずり、世界一簡単になる。

 先日も、バーンヘブンのプリムラを持って行ったのだが、その説明は
「バーンヘブンから買ったプリムラの苗です。栽培はポリアンサに準じます。」
こんだけだ〜。

 何か聞きたければ聞きに来ればいいのである。安心したらいいや、わかんない
ことはわかんないと言うし、自分が提供した植物について話しかけられて、
ナンパだと思うヤツはこの世にはいない!!ってなもんで。

 ・・・って、開き直ってどうする。
何が悪いのよー。やっぱ自意識一人前大盛り、ってやつ?どこの店よ、全く。