花の恩返し

 油揚げの次は、ハンド・タオルだった。
またまた知らない人が訪ねてきて、おかげさまでビオラが満開で・・・と言われれば
とりあえず一緒に喜ぶことになる。で、花のお返しだと言って、今回はタオル。

 亡くなった御主人は草花が好きな方だったそうである。
亡くなってからは生きていくのに精一杯で、花なぞ育ててはいられなかったという。
最近近くに異動になったので、やっと花を育ててみようかという余裕が出来たという。
お向かいの奥さん、こういう人に最初の花を配ったわけね。

 そんなこんなで、「私もここに引っ越してばかりで、どなたのことも存じ上げま
せんで、ですからお向かいの奥様にお願いしたわけです。今回だけはこれは受取り
ますが、これからは奥様を選んでくれたお向かいの方にお礼を申し上げてください。」
って、こんなこと言ってる私は本当に私。

 「それに、お気を使わずとも、私は自分の好きなことをやってるだけなんです。
ただの趣味家なんですけど、せっかくここに来られたのですから、せめて年間、
100種類の種蒔きをしようと考えましてね。また、もらっていただけたらうれしい
です。」って、こんな数字を出して一発かましてるのも私。

 「まあ、そうでしたか〜。100種類?種子からでは、大変ですね。」
いや、苗買う方が大変・・・??どっちだろうなあ?まさか、発芽しないものも
ありますからけっこ〜大丈夫なんですよ、とは言えないしなあ。ただ、ケチくさい
こと言ってたら達成しないことは確かではある。

 「ところで。あの、白いのは何でしょう?」
ああ、イングリッシュ・デイジーです。割と良かったので、種子を採取して来年も
蒔こうと考えています。簡単に発芽しますし、丈夫ですね。

 「あれは、コボレ種子では生えてくれないのでしょうね?」
多分、無理ですねえ。元々が「イングリッシュ」で、涼しいところなら大丈夫みたい
ですけど、それに関東の冬は乾きすぎますから。

 「そうですか・・・タネからでは大変・・」と、残念そうにその人は言って、
うなだれ気味に帰って行った。いや別に種子ならあげるという話ではないし。
苗の姿で持て余してる頃に来たんならさしあげられるんだけど、でも、とっくに
地に下ろして、こんなに咲いてから興味もたれても!!(;^^)/

 これが本当の、「花」が好き、って奴かもしんない。
純正お花好きかどうかは、「コボレ種子」を期待するかどうか、そのへんが分かれ目
なのではないか?しかし。コボレ種子を期待しない人の場合、その人は何と呼ばれる
ことになるのだろうな?

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 今年は寒い。というより、今年からは寒いのかもしれない。
去年までは社宅にいた。駅の近くで集合住宅で、地形的に風が吹きこまないように
なってもいた。ここは駅からバス15分の、自然あふれる山の上で、一戸建てで、
風を防ぐものは少ない。

 にしても、寒い。というわけで、5年日記の植物の記述から拾ってみる。
去年の今日、社宅のベランダでは既にREMUSの花が咲き終わっていたし、
Phacelia campanularia も日だまりで盛りを迎えていたことがわかる。

 ところが今年、REMUSは蕾さえ見えないし(今年は咲かないかも?)、代わりに
咲いているのはOSBORN GREEN だが、最初の花がやっと咲いたところ。そして
Phacelia はと言えば、まだ蕾が二つしか出ていないのである。

 Primula kewensis は3つめの花が咲いているが、が去年の場合は3月12日に
それが記されている。(今日の日付け?今日はね、既に4月3日なのよ〜!)
あとはといえば、去年の3/31には、ビオラの類は全て咲いていた。
いくら蒔くのが遅くなったからと言ったって、今年はまだ咲いてないのもある!!

 私の5年日記の期間は、2001年〜2005年である。するとその春の中身は、
2001年は金沢、2002年は宮前区の社宅、今年はこの家の分であった。まさか来年は
別の春ではあるまいな、と思うのだが今考えても仕方ない。

 これからこそ、特に詳細に綴るべく、努力しよう。
それは本当に純粋に自分の為、である。なんかもう、深深とうれしい。

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 Verbena bonariensis とやらが入っていた。
こんなん頼んだっけ?と思ったが、代品のような形で入れたのかもしれない。
あるなら蒔こう、ほととぎす〜というわけで、蒔いてみる。

 バーベナの場合は、蒔けばいいというものではない。バーベナと言えば
発芽抑制物質が種子に着いてる、というわけで、ガーゼかなんかで種子を包んで
水洗いして、それから蒔くのがお約束になっているのである。

 一体全体、bonariensis もこれが必要なのかどうかはわからないが、それでも
やるだけやってみる。「ぼ〜なぼ〜なぼな、ぼなりえんしす〜。」なんて歌いながら
ガーゼを袋状に束ね、水をかける。と、水栓をあまりに勢い良く押してしまい、
どばばっ!と水が出て、もう少しで種子は排水溝に消えるところであった。

 誰にともなく恥じて背中を丸めながら、こっそりとガーゼを開いてみる私。
と、種子は水のせいで中心部からガーゼの隅に向かって放射状にくっついている。
それを指で中心に落としこんでは洗おうするのだが、どうもこう、これがうまく
いかない。無理やりぐしゃぐしゃやってると、ガーゼにのめりこむ種子も出てくる。

 それでもなんとか種子蒔きを終えたところで、やっと考えたのである。
「これって、どんなバーベナ?」一応、原種だ。でも、bonariensis って、どこかで
聞いたことがあるのだが??

 私が知ってるバーベナを思い出してみる。懐かしいのは、三尺バーベナ。
金沢の畑の隅っこに、植えられていた。まさかと思うけど?と考えつつ、ようやく
園芸植物大事典の索引をひっぱりだしてみる。

 するとをを、出ている出ている。当該のページを開こうと、索引は入れて二巻を
引っ張り出す。重たい。この重さゆえに、ちょっと遠ざかり気味なのは、イケナイ。
そしてわかったのである。やっぱり3尺バーベナだった。なんだかなあ。

 草姿は中々趣があるものの、あまり華やかとは言えず、なんせ3尺とかそれ以上
となる。ヒマワリみたいなのとは違って、ちょっと空間も要する。良く言えば
地面に余裕のある人向き、悪く言えばただの場所ふさぎ。

 40粒も蒔いちまったが、少ししか発芽しなければいいが。
洗い方も、もう少し、適当にすれば良かったのかもしれない。って、もう遅い。
引き取り手はそれなりにいるが、こんなんで、いいんだろうか。

 もっとも、感謝にはもう飽き飽きしたところである。いっそたまには、迷惑かけて
みてもいいのではないか。咲くだけ咲かせて、要らなければ、さりげなく処分して
くれればいいんだし。植物の文句たれるのも、楽しみのうちではないのか。

 ・・・結局、蒔く前に調べようという考えには、いつまでもいつまでも
たどりつかないのであった。