6月末の山では

  暇さえあれば山に行ってしまう私は、おかげでタヌキまで見てしまったのでした。
進行方向を、もけもけした何かが歩いてるなーと思ったら、タヌキだったのです。
タヌキはこちらをちらと見て、ふと、道から山側に入ってしまいました。生い茂った
草がゆれるので、どのへんにいるのか一目瞭然です。タヌキは悠然と草をゆらゆら
揺らしながら、遠ざかって行きました。

  山まで行かなくても、金沢では様々なものが見られます。
犀川に行けばカモがいます。もう大きくなって親とたいして見分けがつかないのです
が、未だに一緒にいます。今話題のパラサイト・シングル、でなくば一昔前の
家事手伝い?カモにおける家事って一体??悩むまでもなく、もう少ししたら
巣立ってくれることでしょう。カモなんだからさ。カモ。

  カモの足元には「ごり」らしい小さな魚が群れをなして川に影を作っています。
「ごり」は他にもいるのでしょうがとりあえずは犀川と浅野川にいるということで、
金沢の名物です。佃煮にしてお土産として売られていますが、私はから揚げの方が
好みで・・・佃煮ってな〜んかじじむさ・・いえあのその。

  つまり、金沢の食べ物は、年寄りくさいと言って悪ければ、理解する為には
時間と人間的年輪を積まなければならないものが多い、とでも。若輩者としては、
頭を下げて、ええっと、やり過ごすしかありません。他になんと言えばいいんだろ?

  それはともかく、6月の山の主役は、アジサイです。ガクアジサイ。どれもこれも
色が違います。ピンクの横にブルーや紫があります。いっそう深くなった夏草の中
から、その色をのぞかせています。全部違うから、楽しいのです。西洋アジサイの
ように、ぼってりと大きくないからいいのです。

  時に、ギボウシの花が見られます。山の中まで入ると、オカトラノオがあり
ます。ある1箇所で、キツリフネそっくりな花を見たのですが、葉が違います。
ツリフネソウはもっと後だったよなあ??と思いながらたくさん咲いてくれるはずの
犀川ダムの方に見に行ったのですが、ダムへの道では下草刈りをしていました。

  ヤマルリソウ?とスミレの寄せ植えを見せてくれた崖は、この間までシモツケソウ
に変わってましたが、こちらもある日、草刈りされてなくなっていました。(^^;)

  ツルアジサイは素晴らしいです。大木にからみついたり、崖を覆っていたり、
いずれも素晴らしく立派です。どんな幸運が私をこの場においてくれるのだろうかと
思ってしまいます。マタタビの葉もきれいです。白い部分が、遠くから目立ちます。

  ついこの間まで、ヤマボウシを楽しんでいました。ヤマボウシは、枝の上に花を
着けます。白いその形は、幼稚園児が切り紙をして作った星のようですが、それが
葉の緑の上にぺたりとのっかってるさまは、本当に天から落ちてきたかのようです。

  してみれば、ヤマボウシの場合はあんまり花着きのよい樹は考えものだと贅沢な
ことを思ったりします。花の形がわからないほど、積ったようにのっかっていたら、
ただの色の塊であって、楽しくないからです。得手勝手な話ですが、大丈夫、
ヤマボウシの方だって気にしてはいません。7月半ばに入ると、ヤマボウシの方の
都合により、お星様は、もうどの道を行ってみても、残っていないのです。

  でも、その代わりが出てきてくれます。白いユウギリソウみたいなの、これは一体
何なんでしょうか。山の楽しみももう終わりかもう終わりかと思いながら夏に向けて
車を走らせるのですが、山はいっかな装いをやめようとしません。
この土地に住むことが出来たことを感謝するばかりです。

  どーだ、うらやましいだろう。えっへん。